井端監督も「日本を代表する投手になれる」 覚醒間近か…流れを変えた逸材20歳
6回から登板した日本ハム・根本が2回パーフェクトで勝利投手に
野球日本代表「侍ジャパン」は16日、「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ 2023」でチャイニーズ・タイペイに4-0で完封勝利を収めた。5投手によるリレーで初陣を飾ったが、その中でもひときわ目立っていたのが、3番手で2回24球を投げ、無失点に抑えた根本悠楓投手(日本ハム)だった。
0-0の6回から登板した根本は先頭のリンを全て直球で空振り三振に取ると、続くグオにはスライダーで再び空振り三振に仕留めた。5番・リュウを右飛で打者3人で切り抜けると、7回に森下翔太外野手(阪神)の左越えソロで先制。その裏も打者3人できっちり抑え勝利投手になった。右打者には直球と外に落ちるフォーク、左打者にはスライダーと投げ分け、付け入る隙を与えなかった。
3年目の根本は今季5試合に登板。3勝1敗、防御率2.88という成績だった。昨季から登板数は減ったものの、奪三振率8.28やWHIP1.04などは昨季の数値を上回っている。井端弘和監督はレギュラーシーズンから根本の投球を見てきた。
「レギュラーシーズンを見ていても、立ち上がりから1周りでは、相手バッターはほとんど手も足も出ない」「あのボディーターンの速さっていうところでは、初対戦では、1回りは確実に抑えてくれる」。だから安心して第2先発に送り込んだという。
一方課題もある。「2周り目とか、4回、5回ぐらいで、ちょっとつかまる傾向があった」。理由は体力の問題。「彼の体のキレっていうところがちょっと落ちて」。ボールのキレやスピードが落ちてきたところを痛打されてきた。
逆に言えば、この課題が克服できれば、さらに上のステージでも通用すると井端監督は感じている。「まだ彼も若いですから。これからね、体力とか体を鍛えて、長いイニング持つようになれば、日本を代表するピッチャーになれるんじゃないかなとは思ってますけどね」と期待も大きい。
今大会では、ヤクルトの守護神を務める田口麗斗投手や今季9勝を挙げた隅田知一郎投手(西武)、楽天でプロ入り3年間で20勝を挙げた早川隆久投手ら好左腕が多く存在する。北海道出身の20歳が日本球界を驚かす活躍をする日も、そう遠くないかもしれない。(川村虎大 / Kodai Kawamura)