2023年10月23日に出荷が始まった「Raspberry Pi 5」には別売りの純正アクティブクーラー「Raspberry Pi Active Cooler」が用意されています。純正アクティブクーラーのサンプルがGIGAZINE編集部に届いたので、実際にRaspberry Pi 5に装着する手順や冷却部位、HATとの干渉などを確認してみました。

Raspberry Pi 5 - Raspberry Pi

https://www.raspberrypi.com/products/raspberry-pi-5/

Raspberry Pi Active Cooler - Raspberry Pi

https://www.raspberrypi.com/products/active-cooler/

◆Raspberry Pi Active Coolerの外観や冷却部位をチェック

Raspberry Pi Active Coolerのパッケージはこんな感じ。



パッケージの中にはRaspberry Pi Active Cooler本体が入っていました。大きさは縦42.50mm×横63.50mm×厚さ13.70mmです。



裏面にはサーマルパッドが3枚貼られています。



サーマルパッドはRaspberry Pi 5の「無線通信管理チップ」「SoC(Broadcom BCM2712)」「電源管理チップ周辺」を冷やす位置に貼られています。



ファンはCoolCox製でした。



ファンの大きさは30mm×30mmです。



ファンと外装を固定するネジ穴が整列していないので、汎用(はんよう)品の流用は難しいかも。



◆Raspberry Pi 5にRaspberry Pi Active Coolerを装着する手順

Raspberry Pi Active Coolerの装着に工具は不要で、Raspberry Pi 5の赤枠で囲った2個の穴にピンを押し込んでファンコネクタを接続するだけで装着できます。



装着手順は以下の通り。まず、ファンコネクタのカバーを外します。



続いて、2カ所の穴にピンをあてがい、グッと押し込みます。



最後にファンコネクタを接続すれば装着完了です。



Raspberry Pi 5にRaspberry Pi Active Coolerを装着した状態の見た目はこんな感じ。



横から見てRaspberry Pi Active Coolerの背の高さを確認すると、USBポートより低く収まっていました。



Raspberry Pi 5にRaspberry Pi Active Coolerを装着した状態の重さは実測で71gでした。



◆Raspberry Pi 5にRaspberry Pi Active Coolerを装着するとHATが干渉する

Raspberry Pi 5はこれまでのRaspberry Piシリーズと同様にGPIOヘッダーにHATと呼ばれる別売りボードを装着して機能を拡張できます。Raspberry Pi Active Coolerを装着した状態でHATを装着できるのか気になったので2種類のHATを実際に装着してみました。

まず基板裏面の部品が少ないHAT「Pimoroni Unicorn pHAT - 4x8 RGB LED」を装着してみたところ、ボードの裏面にRaspberry Pi Active Coolerが当たり、奥まで挿入できませんでした。



横から見ると、ボードの裏面とヒートシンクが干渉していることが分かります。



続いて基板の裏面に部品についたHAT「pHAT DAC」を装着してみたところ、部品とファンが干渉してしまいました。



GPIOヘッダーにも隙間ができてしまいました。



Raspberry Pi財団はRaspberry Pi 5向けにM.2 HATを開発中なのですが、海外メディア「Tom's Hardware」がRaspberry Pi財団のジェイムズ・アダムCOOにインタビューした際の映像を確認したところ、アダムCOOがM.2 HATの試作品を提示しており、GPIOヘッダの高さを稼いでいることが確認できました。



なお、Raspberry Pi財団からGIGAZINE編集部に届いたRaspberry Pi 5は技術基準適合証明を受けていませんが、すでに「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」の届出を行っているので、近日中にベンチマーク結果などのレビュー記事を公開予定です。