「産後クライシス」あなたは大丈夫?

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 出産後、互いの愛情が冷めて夫婦仲が悪化する状態を指す「産後クライシス」。夫婦のコミュニケーション不足や、妊娠・出産により生活や体調が大きく変化したママとパパの温度差などが原因とされています。そんな「産後クライシス」について、リクルート(東京都千代田区)の妊娠・出産情報誌「ゼクシィBaby妊婦のための本」が調査を実施。その結果を発表しました。

「時間が解決」意外と多い?

 調査は2022年4月、「ゼクシィ Baby」会員で、妊婦または0カ月〜2歳までの子どもを持つママを対象に、ウェブ上で実施。4277人から有効回答を得ています。

 全回答者に「産後クライシスを経験したか」を聞いたところ、35%が「経験した」と回答しました。3組に1組以上が産後クライシスを経験していることになります。

 詳しい体験談を聞いてみると、「ずっと子どもと2人きり。たまに子どもを連れて友達と会って遊んでいたが、1人で遊びに行くことはなく、夫は出産前と変わらぬ生活。休みの日は友達と遊びに行き夜中まで帰ってこず、けんかになりました。家事も育児もほとんど私がしていて、夫は休みの日でもゴロゴロして動画見てばかりで腹が立ってしょうがなかったです」といった深刻な体験談が多く寄せられました。

 では、どのように産後クライシスを解決したのでしょうか。調査の結果、その方法として最も多かったという意見は「とことん話し合う」、そして意外と多かったのが「時間が解決した」となりました。

「話し合う」には、「イライラしているときは感情的になるので要望は全てLINEで送るようにして、少しずつ夫に育児の大変さが伝わったようです」「言いたいことを言い合うようにしました。お互いに何が不満かを明確にし、話し合って価値観を擦り合わせて、最初にたくさんけんかしたおかげで、早めにお互いのペースで育児ができるようになったと思います」といったエピソードが。

「時間が解決」には、「産後から半年たって、私の体の不調が落ち着いてきました。育児に対する考えの相違はあるけれど、基本的に夫婦ともわが子がとても大切でかわいいと思っているので、その点では家族として仲良くやれています」「何もしてくれず会話しない状態が続いていましたが、子どもが保育園に行き始めて、保育園関連の業務連絡が多くなり、徐々に会話するようになりました」といった体験談が寄せられました。

 また、「ほぼワンオペで追い詰められて、義母に相談したら、家事や育児を協力するように言ってくれて助かりました」「産後ケア事業を利用して子どもを預かってもらい、休む時間を取ることで少し冷静になれました」といった「第三者に相談」した人や、「休みの日などに丸1日子どものお世話を任せるようにして、家事と育児を両立することの大変さを味わってもらいました」と「育児の分担」を行った人もいました。

 調査結果を受けて、同社は「産後はホルモンバランスの影響で気持ちが不安定になる上に、赤ちゃんのお世話でも時間がなくなり、夫婦間のコミュニケーションが不足しがちです。『どうしたらイライラせずに過ごせるのか』『前のように夫婦で仲良くしたい』と悩むママパパは多いと思いますが、赤ちゃんの誕生で生活や体調が変わることで、多くの夫婦が産後クライシスを経験しています」「大変な時期ですが、夫婦の会話の時間を毎日少しでも取るようにして、お互いの気持ちを伝えていきましょう」とコメントを寄せています。