アジア大会のローラースケート(写真はイメージです)【写真:ロイター】

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「次の機会はない」ローラースケートの正式種目は今回まで

 中国・杭州で行われているアジア大会の男子ローラースケートで起きた“珍事”の波紋が広がっている。1日に行われた3000メートルリレー決勝、韓国の最終走者チョン・チョルウォンはゴールラインの寸前で勝利を確信しガッツポーズ。ただこの瞬間、後ろから追っていた台湾のファン・ユリンが左足を思い切り伸ばし、0.01秒差で金メダルが入れ替わったのだ。韓国選手が失ったのはメダルだけではないと、メディアが伝えている。

 韓国メディア「OSEN」は「一瞬の放心で、金メダルと兵役免除の恩恵が飛んだ」という記事で、チョン・チョルウォンの謝罪の弁を伝えている。試合直後は報道陣の呼びかけに応えられなかったチョン・チョルウォンは、表彰式の後で「私のミスが大きすぎた。同僚に申し訳ない。応援してくださった皆さんに申し訳ない」と口にした。

 記事はレース直後の様子を「優勝を確信し、国旗を振って喜び続けていたチョン・チョルウォンは、モニターに出た0秒01の差を遅れて確認すると崩れ落ちた。その間の努力が、一瞬の油断で散ってしまい、チョン・チョルウォンは涙を見せた」と伝えている。

 韓国チームは公式に抗議したが、ゴールラインの通過写真に「台湾選手のすっと伸びた左足が先に入ってくるシーンが鮮明に写っていた。その差は2、3センチだった」のだという。

 また、金メダルを取れなかったことで、韓国の男子スポーツ選手にとっては大問題の兵役問題を解決できなくなった。記事は「韓国が金メダルを獲得した場合、チョン・チョルウォンとチェ・インホが兵役免除の特典を受けることができたが、このミスでなくなった。次の機会はない。ローラースケートは次回のアジア大会から、正式種目でなくなるからだ」と、あまりにもつらい現実を伝えている。

(THE ANSWER編集部)