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●調査内容:本気の韓国料理専門店が複数入る『新大久保韓国横丁』を調査。各店でジャンルの異なる韓国料理をテイクアウトして、本場の韓国酒場を宅飲みで再現してみた

 韓国グルメを本場さながらの空間で楽しめる、話題の新スポット『新大久保韓国横丁』。1階の全長約60mの細い路地の両側には、チヂミ、ホルモン焼、豚足など韓国料理の専門店10店舗が立ち並び、その席数はなんと322席。2階にはスナックやカラオケボックスもあり、韓国グルメを堪能した後の2次会までぶっ通しで楽しめる大型施設となっています。

(左)看板を見つけるだけでも困難な印象のあるカオス・新大久保の中で、一際目立つ『新大久保韓国横丁』の看板。(右)本場さながらの店内には、複数のお店が入っています

『新大久保韓国横丁』に入っている各店で料理を購入しフードコート感覚で楽しむこともできますが、ここでふと頭に浮かんだこともあります。「ジャンルが異なる、複数の韓国料理の店が入っているということは、各店でメニューを変えてテイクアウトすれば、本場の韓国酒場が、宅飲みで実現できる!」ということ。

 そこで今回は、『新大久保韓国横丁』に入る4店の店で人気メニューをテイクアウト。実際に各料理の魅力に迫ります。

日本人が知らない本気の韓国料理ばかりをテイクアウト!

『新大久保韓国横丁』に入る4店舗で合計5種の韓国料理をテイクアウト

 というわけで、『新大久保韓国横丁』に入る以下の4店舗でそれぞれジャンルの異なる韓国料理をテイクアウトすることにしました。

『マポ豚足』……「ポッサム(豚肉料理)」「チョッパル(豚足料理)」
『上海ポチャ』……「タンスユク(韓国式酢豚)」
『シンサドン ホランイ コプチャン』……「イイダコ炒め」
『チュンヒャンジョン』……「ミニキンパアベンジャーズ(ミニサイズのキンパ5種のアソート)」

 日本人から見た韓国料理というとキムチ、ナムル、焼肉がまず頭に思い浮かびますが、これまであまり口にしたことがない「本気感」を感じるメニューばかりをチョイスしてみました。さっそくその中身に迫っていきます。

味わい抜群! あっさり豚肉「ポッサム」&トロトロ豚足「チョッパル」

「ポッサム(上)」1518円(税込)と「チョッパル(下)」1518円(税込)

 まずは、豚足料理に定評がある『マポ豚足』で購入した「ポッサム」と「チョッパル」からいただきます。「え? 韓国料理で豚足?」なんていう人がいるかもしれませんが、ソウルにはチョッパル専門街があるほどの定番料理です。チャミスルとか眞露と合わせていっぱいやるのにもってこいのおつまみです。

(左)豚肉をじっくり煮込んで作り上げるという「ポッサム」。(右)豚足を自家製タレで6時間煮込んだ「チョッパル」

 肝心の「ポッサム」あっさりした味付けのチャーシューといった感じですが、日本のラーメン専門店などでいただくチャーシューとは違い、弾力があり不思議です。あっさりしていますが、噛み締めれば、その滋味深い味わいが口いっぱいに広がり、気分はもう韓国・ソウルの屋台街!

 そして、「チョッパル」は、漢方材料と自家製タレで6時間煮込んだ豚足料理。漢方の風味はそこまで強くないので食べやすい上、台湾や中国のそれとも似て非なる味わい。柔らかくトロッとした食感が特徴で、最高の味わいです。

「ポッサム」「チョッパル」ともに1人前が結構多いので、お酒のおつまみとして残った後は、辛ラーメンの具にするもヨシ、キムチやにんにくと合わせてキムチチャーハンにするもヨシです。お酒のおつまみとしてだけではなく、汎用性も高い「ポッサム」「チョッパル」。まだ口にしたことがない人は必食のメニューですよ。

●SHOP INFO

店名:新大久保韓国横丁 『マポ豚足』

住:東京都新宿区大久保2-19-1セントラル大久保
TEL:03-6205-5735
営:11:00~23:00(L.O. 22:30)
休:なし

韓国人解釈でアレンジした珍しい韓国式酢豚「タンスユク」

韓国式酢豚「タンスユク」中2838円、小1958円(税込)※写真は小

 続いては麺料理、炒飯などが人気の『上海ポチャ』で購入した「タンスユク」。あまり聞きなれない料理名ですが、これは韓国風酢豚を指します。いわば、中華料理を韓国人解釈で進化させたものですが、これが絶品!

厚めの衣に甘辛いソースがよく絡んで絶品です!

 厚めの衣の中には旨みたっぷりの豚肉があり、かじるほどに口いっぱいにその風味が広がります。そして、甘酸っぱいソースと絡むことで、中華料理とも韓国料理とも言えぬ複雑な味わいに。クセになる味わいで、お酒がグングン進みます。新大久保でもなかなかお目にかかれない料理ということもあり、こちらもマストでオーダーすべき料理だと思いました。

●SHOP INFO

店名:新大久保韓国横丁『上海ポチャ』

住:東京都新宿区大久保2-19-1セントラル大久保
TEL:03-6205-5603
営:11:00~23:00(L.O.22:30)
休:なし

魚介と唐辛子の相乗効果でクセになる辛さ!「イイダコ炒め」

旨辛「イイダコ炒め」1848円(税込)

 続いては、鍋料理などに定評がる『シンサドン ホランイ コプチャン』。同店は、新大久保の中でも珍しい韓国式鍋料理を展開していますが、今回はこちらのお店で旨辛「イイダコ炒め」をチョイスしました。

 韓国でよく食べられるイイダコですが、日本では珍しいこともあり新大久保界隈では人気上昇中のメニューです。そのため『シンサドン ホランイ コプチャン』にも「イイダコ炒め」目当てに訪れる客も多いらしく、看板メニューの一つになっているようです。テイクアウトの容器にはたっぷりの旨辛ダレがかかっていて、イイダコを唐辛子やコチュジャンで炒めたものだそうです。

唐辛子やコチュジャンの辛さがヤミツキに!

 実際に口にすると、これが辛い! しびれる辛さですが、噛み締めるとイイダコの魚介の風味が後から押し寄せてきます。おそらくは唐辛子などの効果で、魚介の風味を際立たせるのだと思いますが、かなりクセになる味。タコのコリコリとした食感と、ネギのシャキシャキ食感も同時に楽しめる、辛いもの好きにはたまらない一品。もちろんビール、サワー、マッコリなんかとも合うようにも思いました。

●SHOP INFO

店名:新大久保韓国横丁『シンサドン ホランイ コプチャン』

住:東京都新宿区大久保2-19-1セントラル大久保
TEL:03-6205-5915
営:11:00~23:00(L.O.22:30)
休:なし

酒のつまみにバッチリ! 小さめキンパのアソート「ミニキンパアベンジャーズ」

韓国式海苔巻き「ミニキンパアベンジャーズ(5種)」1078円(税込)

 最後は、チヂミ、トッポギ、キンパといった定番ご飯モノを展開する『チュンヒャンジョン』で購入したキンパ「ミニキンパアベンジャーズ」をいただきます。「キンパ」とは韓国式の海苔巻きのことで、ごま油と塩を混ぜたご飯を使うのが一般的です。

アレコレと食べ比べするのも楽しいです

 この『チュンヒャンジョン』の「ミニキンパアベンジャーズ」は、小さめのキンパのアソートセットで、野菜、豚肉、プルコギ、ツナマヨ、とびっこクリームチーズの5種類の具材が楽しめる人気メニュー。日本人の口にもよく合うことに加え、お酒のおつまみとしても最適です。そしていろんなキンパを楽しめるのも最高で、まさにかゆいところに手が届く『チュンヒャンジョン』ならではの一品だと思いました。

●SHOP INFO

店名:新大久保韓国横丁『チュンヒャンジョン』

住:東京都新宿区大久保2-19-1セントラル大久保
TEL:03-6205-9910
営:11:00~23:00(L.O.22:30)
休:なし

●まとめ:『新大久保韓国横丁』のテイクアウトなら「本気の韓国料理」で宅飲みが簡単にできる! 『新大久保韓国横丁』はイートイン、テイクアウトともに超オススメ

 週末は韓国好きの若者や外国人観光客などで賑わいを見せる『新大久保韓国横丁』。そこにいるだけで気分がアガってくる楽しい雰囲気の中で、本気の韓国グルメを思う存分堪能してもヨシ、今回のように落ち着いて自宅でしっぽり飲みながら韓国グルメを楽しむもヨシだと思いました。

 特に今回試したような“「本気の韓国料理」で宅飲み”はそうそう実現できないですが、『新大久保韓国横丁』であれば簡単に実現することができます。かなり使える『新大久保韓国横丁』だったわけですが、担当者にも話を聞いてみました。

「『新大久保韓国横丁』に来れば、昔ながらのローカルグルメから、ソウルで流行中の最新グルメまで韓国の美味しいものが揃っています。目の前で炎があがるフォトジェニックな料理など、新メニューも続々登場しているのでぜひ遊びに来てください!」(新大久保韓国横丁・担当者)

 新大久保と言うと、韓国アイドルファンの女性が多く闊歩する街というイメージを抱く人もいるかもしれませんが、今回のように本気度高めのコアな料理店も数多くあります。ぜひ散策も含めて新大久保を訪れてみてはいかがでしょうか。そして、イートイン・テイクアウトともにアツい『新大久保韓国横丁』にも是非寄ってみてください。

(撮影・文◎加賀ま波、松田義人)

●DATA

新大久保韓国横丁

https://kankokuyokocho.com/