野菜・ソース・麺のみなのにウマい。日本三大焼きそばの一つ「上州太田焼きそば」の秘密とは?
食楽web
●調査内容:群馬県太田市の名物グルメ「上州太田焼きそば」。野菜、ソース、麺のみで黒いソースの店がお多い一方、それだけではない!? 実際に名店『岩崎屋』でテイクアウトしてみた
群馬県太田市のご当地グルメの一つとして知られる「上州太田焼きそば」。もともと、群馬県太田市一体は、工業の町であり、工員たちが好んで焼そばを食べていたことから、焼きそば文化が広まったと言われ、現在では市内に約80店の焼そば店があると言われています。
さらに「焼そばの街・太田」を全国に発信しようと立ち上がった団体「上州太田焼そばのれん会」が、「焼そばマップ」を作成。積極的にイベントを主催するなど、今では「日本三大焼きそば」の3つ目に「上州太田焼きそば」が挙げられるようになりました。
「上州太田焼きそば」は野菜、ソース、麺のみが基本。全国的に知られているビジュアルは「真っ黒いビジュアル」のものですが、中には薄い色の焼きそばもあるようです。つまり、各店ごとに味わいは異なるわけですが、共通するのは「太麺+濃厚ソース」。これを基本に約80店の焼きそば店が、各店とも「味」で競い合っているのだそうです。今回は「上州太田焼きそば」の真髄を探るべく、老舗の人気店『岩崎屋』で「焼きそば」をテイクアウトしご紹介します。
店の佇まい、メニュー構成、包み紙……どれもが渋い『岩崎屋』
群馬県太田市の『岩崎屋』。メニューは「焼そば」と「焼まんじゅう」のみ
まずは、「上州太田焼きそば」の中でも有名店として知られる『岩崎屋』。店の佇まいがまず渋くてカッコ良すぎます。メニュー構成もシンプルに「焼そば」と「焼まんじゅう」のみ。「焼そば」は量による変化があるようですが、筆者はここで「焼そば(大)」をテイクアウトでオーダー。紺色の包み紙がまた渋くて、早く仕事場に帰って開けてみたくなりました。
真っ黒のビジュアルに対し、意外にも上品な味わい
「焼そば(大)」490円(税込)
というわけで仕事場に戻って、『岩崎屋』の「焼そば(大)」を食べてみることにしました。パッケージを開けると、その麺は真っ黒で照りっ照り! いかにも香ばしそうなソースの香りが漂ってきます。
真っ黒ですが、意外とあっさりとした口当たり。何杯でも食べられそうな美味しさです
かなりインパクトのあるビジュアルですが、その味は、意外にもあっさりとした上品な味わいで、むしろ太麺のコシ強めのモチッとした小麦感のほうを強く感じました。そして、口の中に入れると、麺がゴロっと重なり合い、この食感もたまりません。噛み締めるたびに口いっぱいにソースと麺、そして野菜の味が広がるように感じます。
同じ「上州太田焼きそば」でも見た目と味は千差万別!
『岩崎屋』の「焼そば」(左)と『かわとみ』の「焼きそば」(右)
実は同サイトで紹介した「なす蒲焼重」の『かわとみ』(記事はこちら)と同日に『岩崎屋』へ訪れたため、『かわとみ』でも「焼きそば」を購入していました。せっかくなので、両方を並べて比べてみたところ、どちらも「上州太田焼きそば」のカテゴリーに入るのですが『岩崎屋』と『かわとみ』はまるで違うビジュアルです。
『かわとみ』の方は、一般的な焼きそばのビジュアルで、味も『岩崎屋』のそれとはまるで違います。しかし、やはり「上州太田焼きそば」の定義は踏襲しており、『かわとみ』でしか味わうことができない、濃厚ソースとコシのある麺の味を前面に打ち出した味わいでした。ビジュアル、味の特徴は違えど『岩崎屋』も『かわとみ』も、「素材の味」を引き出しているように思いました。
●まとめ:「上州太田焼きそば」は野菜、ソース、麺のみで構成されているが、『岩崎屋』のようなインパクト強めの黒いビジュアルだけでなく、普通の見た目の「焼きそば」もあった
冒頭でも触れた通り同じ「上州太田焼きそば」でも、味わい・ビジュアルは全く異なるというわけです。このことから、群馬県太田市を訪れる際、各店ともに異なる「上州太田焼きそば」食べ比べ旅も楽しそうですし、できれば全店の味わいをコンプしてみるのも良さそうに思いました。
真っ黒いビジュアルでありながら、実に上品な『岩崎屋』のように意外な発見が各店で感じられるかもしれません。ぜひ「そこにしかない味わい」を探しに、群馬県太田市を巡ってみるのはいかがでしょうか。
(撮影・文◎加賀ま波、松田義人)
●SHOP INFO
店名:岩崎屋
住:群馬県太田市寺井町697-8
TEL:0276-37-0258
営:11:00~18:00
休:火曜日
店名:かわとみ
住:群馬県太田市強戸町178-2
TEL:0276-37-1390
営:11:30~14:30
休:水・木曜日