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●外食しながらダイエットもアンチエイジングも叶えたい! そんな我儘な願いを叶えるべく、ボディメイクのプロ・石本哲郎さんが「若返りやせ飯」の選び方を伝授。今回のテーマは、ファミレスの中でも折り紙付きのクオリティーの高さで人気の「ロイヤルホスト」です。

肉は量に応じて攻略すべし!

 バラエティ豊かで、クオリティの高い洋食メニューが楽しめる『ロイヤルホスト』。そのメニューの多さから、「きっと若返りやせに役立つメニューも多いのでは?」と期待を抱いている人もいるでしょう。

 しかし、「ロイホ」はダイエットやアンチエイジングを念頭にメニュー開発してる店ではありません。何より最優先してるのは、料理の味やクオリティ。美味しさを最優先するということは、必然的に糖質や脂質の多い、ハイカロリーな料理が多いということです。そのため、何も考えずに選んでると1000kcal超なんてことも多々。そこで今回は、肉、シーフード、その他洋食の3つのカテゴリー別にダメージの少ないメニューの選び方をお教えします。

 まずは肉。「ロイホ」の肉メニューで大部分を占めているのは、サーロインステーキとハンバーグですが、実はこの2つ、お肉の中でもダイエットに不向きな栄養バランスであることがほとんど。外食の「サーロイン」や「ハンバーグ」は大量の脂質も入っているため、ほぼアウトと考えていいです。逆に、「ヒレ」「ムネ」「ささみ」といった単語が入ったメニューは、当たりの可能性が大。調理の仕方にもよりますが、肉自体の脂質が少ないため、高たんぱく・低脂質が叶いやすいメニューになります。ただ、残念ながら「ロイホ」にはこれらのメニューはなし。つまり、肉のおすすめメニューというのは、残念ながら存在しません……。

 とはいえ、「やっぱり肉が食べたい!」という人の選択肢は2つ。ひとつは「200gの肉を食べたら糖質制限する」。ステーキには200gと100gがあるのですが(450gというドデカいサイズもあるけれど、さすがに食べない前提)、200gの多めの肉にした場合、ごはんやパンは付けず、付け合わせのポテトも残すなど、徹底的に糖質を排除しましょう。

 例えば「厚切りアンガスサーロインステーキ200g(ドミバターソース)」の場合、たんぱく質37.8g、脂質63.1g、炭水化物16.3gで812kcal。さらにごはんを付けると1093kcal……1食で1000kcal超えはさすがにヤバイです。ステーキにはたんぱく質と脂質が既に入っていますので、ごはんやパンなどの糖質は食べず、思いっきり肉を楽しみましょう。

 もうひとつは「100gの肉を選び、ごはんやサイドメニューを少なめに足す」方法。中でもおすすめなのが「アンガスサーロインステーキ(おろしゆずポン酢ソース)」です。

「アンガスサーロインステーキ(おろしゆずポン酢ソース)」

 たんぱく質が19.1g、脂質が27.7gで379kcal。これなら、ごはんやパンをつけても500~600kcal前後に収まります。ちなみにイチオシは「雑穀ごはん」。白米に比べビタミン、ミネラル、食物繊維が多く含まれ、たんぱく質も4.8g摂れます。

セットのライスは+50円で「雑穀ごはん」に変更可

 また、ごはんを小盛りにし、軽めのサイドディッシュを楽しむのもあり。たんぱく質は1食当たり、女性は20g、男性は30g程度摂りたいので、たんぱく質を補強できるものがおすすめです。但し、揚げ物はNG。ただでさえ脂質の高いサーロインに揚げ物を足しちゃうと、脂質がブーストされてしまうだけ。「チキンとゆで卵のサラダ」など、脂質の低いサイドメニューを選びましょう!

「ハンバーグに正解はない」と知るべし

豪州産ビーフ100%の「あつあつ鉄板和風ハンバーグ(おろし醤油ソース)」

 サーロインと並び、肉メニューの二大看板である「ハンバーグ」。250gと190gのサイズがありますが、どちらを選ぶにしても単品が鉄則。なぜなら、ハンバーグに使われているひき肉は、牛であれ豚であれ、とにかく脂質が多いため、ハンバーグという時点でアウトなんです。

 例えば、黒毛和牛と黒豚を使用した「黒×黒ハンバーグ(和風おろしきのこテリヤキソース)」の場合、250gのハンバーグ=脂質57.7g、873kcal、190gのハンバーグ=脂質46.0g、718kcal。和風味はカロリーが低いイメージがありますが、そんな期待を平気で裏切ってきますね。

 また、「卵は栄養バランスが優れてるから」と目玉焼きが乗ったメニューを選ぼうもんなら、なんと958kcalと超ハイカロリーに! ちょっとでもヘルシーなもの、栄養バランスのいいもの、と考えて選んでもムダなんです。ハンバーグの中で正解を探そうにも「ハンバーグ自体に正解はない」ことを知りましょう。つまり、「ハンバーグは好きなものを単品で食べる」に限ります。

 少しでもダメージを和らげたいなら「あつあつ鉄板和風ハンバーグ(おろし醤油ソース)」がおすすめ。たんぱく質25.5g、脂質38.5gで604kcalと、ハンバーグの中では最も低脂質・低カロリーになっています。

豚ロースやチキングリルも侮るべからず

「ロイホ」には豚ロースやチキンの肉メニューもあるので、少し解説しておきましょう。まずはロース肉。一般的に、良いロース肉ほど脂質が高い傾向にあり、安いカスカスのロース肉だと意外とカロリーが低く抑えられることが多いもの。しかしながら「ロイホ」の豚ロースは脂質の高い、良いロース肉。シンプルな「国産豚ポークロースステーキ」でも、脂質が52.3g、カロリーが814kcalもあるため、食べるならやはり単品にしましょう。

 チキンは、肉メニューの中では脂質が低め。とはいえ、「チキンのジューシーグリル(バター醤油ソース)」は脂質が41.5gと、決して低くはありません。マクドナルドのビッグマックでさえ脂質28.2g。そもそも脂質が50gを超える時点で異常なんです。さらに、カロリーはごはんを足すと900kcalを超えるので、ごはんを少なめにするとか、チキンの皮を残すなど工夫した方がベターです。

 ちなみに、豚ロースもチキンもたんぱく質量は40g超としっかり摂れてるので、これ以上何かを足す必要はありません!

「迷ったらシーフード」が正解への近道

 外食だと高脂質になりがちな肉メニューに対し、比較的ダイエットに向いているのが「シーフード」メニュー。もちろん、その中にも正解不正解はありますが、正解に辿り着く可能性が高いのは肉より断然、シーフードです。

「ロイホ」においても、基本的にシーフードは優秀。ただ調理の仕方として、揚げ物とドリアには要注意です。まずは「ミックスフライ」。これは揚げ物オンパレードなため、カロリー600kcalに対し、たんぱく質はたったの15.2g。一方、脂質は43.2gと約トリプルスコア……と栄養バランスがガタガタです。ドリアも似た感じで、「海老と帆立のシーフードドリア」はたんぱく質23.0gに対し、脂質40.8gと脂質の割合が高くなります。

 それ以外のシーフードはどれを選んでもOKですが、イチオシは「真鯛・海老・帆立のあつあつグリル(温野菜添え)」。

「真鯛・海老・帆立のあつあつグリル(温野菜添え)」

 このメニューの最も良い点は、真鯛が入っていること。魚に含まれるDHAやEPAなどオメガ3系の脂肪酸は、血液をサラサラにしたり、老化の原因となる体内の炎症を防いだりなど、美容効果が高い良質な脂質。基本的にはサバなどの青魚に多く含まれていますが、実は白身魚である”鯛”にも豊富なんです。美味しさ追求型の「ロイホ」メニューの中で、アンチエイジングという観点からも優れたメニューといえます。

 たんぱく質も25.1gとしっかり摂れるうえ、カロリーは368kcal。そのため、これを食べる時だけは唯一、デザートをつけてもOKですよ。

洋菓子or和菓子。正しいデザートの選び方とは?

 デザートを選ぶ際、ボリューミーなパフェは避けたいけれど、「コーヒーゼリーサンデー」や、「アサイーとヨーグルトのパフェ」など洋風デザートも、「十勝あずきクリームあんみつ」など和風デザートもどちらもいけます。

「十勝あずきクリームあんみつ」

 ちなみに、デザートを付ける際に知っておきたい豆知識をひとつ。洋菓子に比べ、和菓子はヘルシーというイメージを持ってる方も多いと思いますが、これも食べ合わせ次第で変わります。基本的に洋菓子は脂質が、和菓子は糖質が多い。そのため、ごはんや麺類などでしっかり糖質を摂ったうえ、和菓子を足してしまうと糖質過多に。一方、ハンバーグなど脂質の多い食事に洋菓子をつけると、脂質ばかり跳び抜けてしまうことになりかねません。

 要は“食事全体の栄養バランスを考えることが大切”ということ。ちなみに「真鯛・海老・帆立のあつあつグリル」は脂質も糖質も控えめなため、どちらを選んでも大丈夫です。

洋食メニューは意外にも「パスタ」」が優秀

 最後は洋食メニューです。カレー、パスタ、オムライスなど様々なメニューがありますが、選ぶならパスタがおすすめ! 中でも「海老と帆立とカニのトマトクリームソース」が最も優秀です。

パスタのイチオシが「海老と帆立とカニのトマトクリームソース」

 一般的に、パスタはたんぱく質が不足しがちなんですが、こちらはたんぱく質30.9gとしっかり摂れます。脂質は32.3gと決して少なくありませんが、サーロインステーキと比べたらカワイイもの。カロリーも770kcalと許容範囲です。ちなみに、他のパスタもたんぱく質は20g超え。若干脂質は増えるものの、そこまで大きな差ではないため、好きなものを食べてOKです。

 洋食の人気メニュー「ビーフジャワカレー」や「ロイヤルオムライス」については、残念ながらどちらもエグイ! 「ビーフジャワカレー」はたんぱく質21.4g、脂質44.6gのダブルスコア。カロリーは980kcalもあります。

 店名を冠した「ロイヤルオムライス(ハッシュドビーフソース)」は、卵を3個も使っているだけあって、たんぱく質は30.9gと十分摂れます。しかし脂質も53.1gと多く、カロリーは911kcal。海老フライと蟹クリームコロッケ付きのセットに至っては、脂質が76.4gで1206kcalと相当激しいことになってしまいます。

 どちらも人気メニューだけあり、とても美味しい! その分、脂質もカロリーもどえらいことになるということを知っておきましょう。

「ロイホ」で一番やっちゃいけないオーダーの仕方とは?

 最も避けるべきメニューは「フライドチキンとソーセージの盛り合わせ」。ビールのつまみとか、小腹がすいたからみんなでシェアとか、追加の一品として気軽に頼みがちですよね。

「フライドチキンとソーセージの盛り合わせ」はダイエットの天敵メニュー

 揚げ物であるフライドチキンにフライドポテト、脂質の多いソーセージと、ダイエットと対極にある三大メニューが揃ったこの盛り合わせ。なんと944kcalと、サイドディッシュとは思えない高カロリーを叩き出しています。栄養バランス的にも、たんぱく質26.1gに対し、脂質は74.9gとアンガスビーフステーキも超えてくる。これにビールなんて頼もうもんならマジ、やばいです。

 ちなみに「盛り合わせがヤバイなら、ポテトだけに」というのもNG。「フライドポテト(アイオリクリームソース付)」はたんぱく質7.2gに対し、脂質がなんと51.2g、カロリーも796kcalと全然可愛くない数値なんです。数あるファストフードやファミレスのポテトの中でも、トップクラスに高カロリーな驚異の一品。気軽にオーダーしたら痛い目をみますよ。

結論

 外食で「サーロイン」や「ハンバーグ」と付いたメニューは、脂質が多いと捉えるべし。どうしても食べたいなら単品にするか、少量の肉を選ぶかの2択です。メニュー選びに迷ったら、アンチエイジングにも役立つ良質な脂質が含まれた「シーフード」からチョイス! 但し、揚げ物にすると体に悪さをするオメガ6系の脂質が上回ってしまうため、調理法にも気をつけて選びましょう。

シーフードはグリルならデザートも足せる [食楽web]

 美味しさ最優先の「ロイホ」は、高カロリーなメニューが数多く存在します。何も考えずにオーダーせず、上手に組み合わせれば食事もデザートも楽しめますよ。ちょっとした食事のルールを身につけて、美味しく食べながらダイエットもアンチエイジングも叶えましょう!

(語り◎石本哲郎、インタビュー・撮影◎酒詰明子)

●プロフィール

石本哲郎

女性専門のパーソナルトレーナー。東京や神奈川にて、女性専門パーソナルジムリメイクや女性専門フィットネスショップリーンメイクを数店舗運営。女性のダイエットに関わる医学、栄養学、トレーニングメソッドについての豊富な知識と、自ら意図的に太ってやせる「減量」実験の成果から編み出した独自のメソッドで、のべ1万人以上の女性の体づくりを指導し、成功へと導く。ダイエットに悩む一般女性の指導をもっとも得意とし、「健康的かつきれいに女性の体を変える技術」には定評がある。代表作『神やせ7日間ダイエット』などを含め著書累計20万部を超える。

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