まるでウナギの蒲焼みたい! 群馬県太田市で愛される「なすの蒲焼」を食べに行ってきた
食楽web
●調査内容:群馬県太田市のある店で、うなぎではなく「なすの蒲焼」を出す店があるとのこと。その味を確かめに現地に行ってきた
「秋なすは嫁に食わすな」ということわざがあります。「とんでもなく美味しい秋のなすを、嫁に食わすのはもったいない」という、差別甚だしい前時代的な解釈のことわざですが一方、「身体を冷やす効果があるなすを、『冷えは大敵』の女性に食べさせすぎてはいけない」という解釈もあるようです。それはともかくとして「秋のなす」はそれだけ美味しいということです。
ところで「蒲焼」と言うと、一般に「うなぎ」をイメージすることが多いと思いますが、群馬県太田市の一部で「蒲焼」と言うと、「なす」を指すことがある、という情報を入手。さらに、その「なすの蒲焼」を出す名店があり、多くの芸能人も絶賛するほどの味なんだとか。
しかし、「なすの蒲焼」と言われても味の想像が全くできません。そこで、群馬県太田市までクルマをぶっ飛ばし、実際にその味を確かめてみることにしました!
田園が続く景色の中に突然ある『かわとみ』
田園風景が続く中で突然現れる『かわとみ』の看板
東京からクルマを走らせること約1時間半。群馬県太田市にやってきました。事前に調べた「なすの蒲焼」を出すお店『かわとみ』へと向かいましたが、近隣には商店などがなく、国道に面したのどかな田園風景が続きます。「あれ? この辺にあるはずなんだけど?」とキョロキョロしていると、畑の脇に突然「全国に知られた新太田名物 なすの蒲焼重『かわとみ』」と書かれた大きな看板が! その看板を頼りに右折すると、すぐに目当ての店『かわとみ』がありました。
イートインだけでなくテイクアウトのお客さんも多いようです
ログハウス風の雰囲気のお店で、店内22席、テラス16席。涼しい時期にはテラスで食べれば、ちょっとしたアウトドア気分も味わえそうです。筆者が訪れたのは平日のお昼。人気店というだけあって「なすの蒲焼重」を目当てに来店している方や、テイクアウトで注文していく常連客も多く、お店のスタッフも忙しそうな様子でした。
食べ終わるまで「なす」と気づかない人もいた!?
サーブされた「なすの蒲焼重」1100円(税込)
少々並んで筆者は迷わず「なすの蒲焼重」(1100円・税込)をオーダー。番号札を渡され、受付裏手にある店内で待つこと数分。筆者の番号が呼ばれ、テーブルにお盆に乗ったお重と味噌汁、漬物、タレのセットがサーブされました。お重のフタを開けると、ふわっと香ばしい匂いが漂ってきます。その姿は、「なすの蒲焼重」と分かってはいながらも「うな重」にしか見えません。
お重のフタを開けると、いかにも香ばしそうな蒲焼の良い香りが…
たっぷりタレが染み込んだトロトロのなすがご飯の上に敷き詰められており、美味しそうです。厚切りのなすは、トロッとした質感ですが、身が閉まっており、これが絶品。そして、この高品質のなすに、甘さと辛さが絶妙なタレがからまってどんどんご飯が進みます。
トロトロのなすに、どっぷりからんだ濃厚なタレ
「なすだけで、ここまで美味しくご飯を食べられるのか!」と大興奮! そして、「うなぎの蒲焼」は、食べ終わりに強いパンチが胃を覆いますが、「なすの蒲焼重」はそれがありません。実にさっぱりとした後味です。言うに及ばず、野菜ですから罪悪感ナシでバクバクいただけるところも良いなと思いました。
お店のスタッフの方によれば、「なすの蒲焼重」のなすは、「うなぎの蒲焼き」と同じように焼き上げ、うなぎのタレで味付けしているとのこと。過去には「食べ終わるまで気づかず、ずっとうなぎだと思ったまま食べていた」なんていいうお客さんも過去にいたそうです。「またまた、そんなオーバーな……」とツッコミを入れたくなりますが、この味を食べれば納得。それだけ、美味しくいただくことができました。
現在では群馬県太田市のご当地グルメの一つに
「なすの蒲焼」の味の決め手となるタレ(税込594円)
食べ終わってからも改めて思うのが、「この美味しさの秘密は、タレのクオリティの高さにあるのではないか?」ということ。一般的なうなぎ専門店の味に負けない濃厚な味わいのタレということで、人気も高いようで、お土産用も販売されていました。このタレはなすだけでなく、鶏肉などにも合うとのこと。ぜひお店に行ったら合わせてゲットしていただきたい一品です。
慌ただしくオーダーに応じるスタッフの女性
ここまでで、『かわとみ』の「なすの蒲焼重」が絶品だったということは分かりましたが、そもそもなぜこのメニューが誕生したのでしょうか? その理由を聞いてみると、以前「うなぎの高騰」が話題になった時に、「『なすの蒲焼重』を食べよう」キャンペーンを『かわとみ』が地元で開催したそうです。すると、これに興味を持った地元テレビ局が取材を申し出て、さらには全国ネットで放送。続々とメディア取材が舞い込むという人気ぶりになったそうです。極めつけは、みのもんたさん司会で人気の日本テレビ『秘密の県民SHOW』で取り上げられ大ブレイク。今では群馬県太田市のご当地グルメの一つとして、全国にその名を知らしめるほどになったそうです。
●まとめ:群馬県太田市に「なすの蒲焼重」があるのは本当だった。そして、その味は遠方からも多くの人々が食べに来るほど絶品だった
今なお全国からお客さんがこの味を目当てに『かわとみ』を訪れ続けるそうですが、どうしてもお店で食べられない方のために通販サイトで「なすの蒲焼弁当(冷凍)」(1296円・税込)や、「なすの蒲焼き重セット(約8人前)」(1430円・税込)などの販売も行っています。興味がある方はぜひ公式サイトからオーダーしてみてください。秋は1年間の中で最もなすが美味しい季節です。ぜひこの時期に、『かわとみ』の「なすの蒲焼重」を食べてみてはいかがでしょうか。その美味しさに衝撃を受けるはずですよ!
(撮影・文◎加賀ま波、松田義人)
●SHOP INFO
店名:かわとみ
住:群馬県太田市強戸町178-2
TEL:0276-37-1390
営:11:30~14:30
休:水・木曜
https://kawatomi.cart.fc2.com/