茨城県の地価推移は? 今後の予測と住民にとっての魅力とは
最近、31年ぶりに地価が上昇した茨城県。実は、茨城県は都心へのアクセスがよく、都心部に比べて広い住宅を割安に購入できることから人気が高まっています。この記事では、茨城県の地価推移や茨城県の土地の特徴、魅力などを紹介します。
茨城の地価推移
茨城県の地価はどのように変化しているのか、2013年から2022年までの地価推移について変動率を表とグラフにまとめました。
グラフ
※「令和4年茨城県地価調査結果の概要について」を参照して作成
※「平成29年茨城県地価調査結果の概要」を参照して作成
2013年から長期間にわたり、茨城県の地価は下がり続けていましたが、2022年には全用途と商業地にて増加に転じています。2021年以前も、地価の減少率は低下傾向にあったことから、茨城県土地の人気は徐々に高まっていることがわかります。
2022年には31年ぶりに上昇
2022年には、31年ぶりに茨城県の全用途の地価が上昇しました。一番の要因は、つくばエクスプレス沿線地域を中心とした地価の上昇です。
特につくばみらい市の住宅地の地価上昇率は、東京都市圏のなかでもトップクラスです。これには、茨城県は都心へのアクセスがよく、それでいて都心部ほど地価が高くないという割安感があることが要因の一つとして考えられます。
茨城県の地価は今後どうなる?
茨城県で住宅を購入しようと考えたとき、今後どのように地価が変化していくか気になる人も多いでしょう。地価が上昇する可能性が高ければ、将来的に土地やマンションを売却するときにプラスに働くかもしれません。
茨城県内で地価が下げ止まっているのは、土浦市、結城市、ひたちなか市などです。そして、上昇傾向にあるのが守谷市やつくば市、つくばみらい市です。都心へのアクセスがよいつくばエクスプレス(TX)沿線地域の人気が高まっているのではないかといわれています。
茨城県の土地の特徴
都心へのアクセスが容易で、住宅用地の人気が高まっている茨城県。実際に茨城県に住むことを考えた場合、どんな場所なのか気になる人も多いでしょう。そこで、茨城県の土地の特徴について解説します。
平地が多い
茨城県の総面積は約6,100平方キロメートル、可住地面積は約4,000平方キロメートルです。総面積は都道府県で第24位の広さですが、可住地面積となると第4位となり全国でも上位に食い込みます。
なぜここまで可住地面積が広いのかというと、茨城県は土地利用がしにくい山や川が多くなく、住宅地に利用できる平地が広いためです。他県よりも住宅が立てやすい平地を広く確保できるため、比較的大きな土地を手に入れやすい状況でしょう。面積が大きな家や広い庭を確保しやすくなります。
※参考:茨城県「可住地面積-住宅の広さは日本一-」
農地が多く地元野菜が豊富
茨城県は農業が盛んな地域です。総農家数は約7万2,000戸で全国第2位を誇り、農業産出額(2020年)は4,417億円で全国第3位です。全国的にみても、有数規模の農業県であることがわかります。
特にピーマンやメロン、れんこん、小松菜などは農業産出額が全国第1位です。これらの新鮮な地元野菜を手に入れやすいのは茨城県ならではの魅力といえるでしょう。
※参考:茨城県「統計キッズ-農業(のうぎょう)-」
転入者は増加傾向にある
茨城県は2年連続で「転入超過」となり、転出者を転入者が上回っています。特に転入する人が多いのが、土浦市、阿見町、守谷市、つくばみらい市です。これらの自治体は、いずれも都心へのアクセスがよいつくばエクスプレスやJR常磐線の沿線地域です。
都心で仕事をする人のベッドタウンとしてだけではなく、将来子どもが首都圏の学校に進学することになった際の通学のしやすさなども考えて、茨城県に住む若者世帯もいます。
茨城県の魅力とは
地価が下げ止まり、今後は地価の上昇も期待される茨城県。なぜ今、茨城県に注目が集まっているのか、その魅力について詳しく解説します。
都心へのアクセス良好
茨城県は都心へのアクセスが良好です。これまで上野駅までしかつながっていなかったJR常盤線が、東京駅や品川駅まで直通で行けるようになりました。そのため、都心へのアクセスはさらによくなっています。JR常盤線を利用した場合の所要時間と、つくばエクスプレスを利用した場合の所要時間は以下の通りです。
自然が豊か
茨城県は広大な関東平野の一部に含まれ、畑や水田、山、海岸があり自然が豊富です。霞ヶ浦や北浦などの湖沼、利根川や鬼怒川などからの豊かな水にも恵まれています。
ひたちなか市の国営ひたち海浜公園は、ネモフィラやスイセン、チューリップなどの花の名所として知られています。春になると、一面を覆い尽くすネモフィラの青い世界を一目見ようと、全国から観光客が訪れるほど有名です。
広い住宅が手に入りやすい
茨城県は、都心部と比較すると広い住宅が手に入りやすいといえます。総務省統計局の調査によると、住宅の平均敷地面積は全国第1位であり、茨城県は住宅用の土地を用意しやすい地域であることがわかります。
「少し都心部から離れていてもいいから大きな家で暮らしたい」「子どもたちやペットが遊べるような広い庭が欲しい」「休日には広い庭で家庭菜園を楽しみたい」という人とって、茨城県は適した環境だといえるでしょう。
※参考:総務省統計局「統計でみる都道府県のすがた2023」
文化的施設が多い
茨城県は、博物館や科学館などの文化的施設が充実しています。たとえば、「ミュージアムパーク茨城県自然博物館」や「予科練平和記念館」「大洗わくわく科学館」などが有名です。
県立の施設も多く、リーズナブルに楽しめるので、子どもと一緒に博物館や科学館巡りを楽しめます。また、筑波大学やJAXAがイベントを行っていることもあります。アカデミックなものに気軽に触れられる環境にあり、子育て世帯におすすめです。
まとめ
茨城県の地価はずっと下がり続けていましたが、近年はつくばエクスプレス沿線を中心に上昇もみられています。都心部にアクセスしやすいことに加え、茨城県は平地が多く、広い土地を手に入れやすいことも関係しているのではないでしょうか。
さらに、茨城県は豊かな自然に恵まれていて、博物館や記念館などの文化的施設も豊富です。農業も盛んで地元の新鮮な野菜も手に入ります。そのため子どもがいる世帯も住みやすく、これから注目のエリアといえるでしょう。