JR美祢線の復旧 県による河川改修「防災強度」向上の必要性を強調-JR西日本
大雨により線路などが流失したJR美祢線の被害の全容をJR西日本が発表しました。全区間46キロのうち37キロにわたり、80カ所で被災しているとして、県による河川改修など「防災強度」向上の必要性を強調しました。
これはきょう(19日)、JR西日本広島支社が会見し、発表したものです。
JRの調査の結果、6月末からの大雨で全区間46キロの美祢線のうち37キロにわたり、80カ所で被災していることが分かったということです。主なもので、土砂の流入などが43カ所、盛り土の流失などが18カ所、橋梁の変形などが9カ所となっています。
「13年前の2010年7月に引き続いての厚狭川に起因する大規模な被災」
「今回の被災は美祢線の設備だけでなく、沿線住民の家屋の浸水もあったと認識している。鉄道設備だけでなくて河川管理者の方々で流域全体の河川計画をはじめ防災強度の向上を検討して頂きたい」
今回の調査結果が出るまで被災の程度は路線全体の数%とみられていました。そのため、県や沿線自治体は「路線の存廃と復旧は別議論」の立場で早期復旧を求めていましたがこれまでJR西日本は明言を避けていました。
「河川改修には検討する内容も多く、工事も多岐にわたるので時間かかるのは当然」「それとは別に美祢線の役割とか 並行して議論していくことは可能なのでは」
きょう、このように述べ、河川改修など防災強度の向上と美祢線の在り方の議論を並行して行いたい考えを示し、復旧工事を行うことについては改めて明言を避けました。また、一部区間で不通となっている山陰線の被災については69カ所あることはわかったものの橋脚が傾斜した原因調査にまだ時間がかかるとしました。