おかずも小鉢も自分で選ぶ! 大阪・梅田の『大栄食堂』が昭和時代から愛され続けるワケ
『大栄食堂』外観 | 食楽web
●大阪で人気の大衆食堂『大栄食堂』。ランチの「和魚定食」を味わいながら、長年愛され続ける理由を探ってみた
グルメの街である大阪で一番の繁華街、梅田。そのど真ん中に一軒の大衆食堂があります。『大栄食堂』という昭和から続くその食堂は、存在を知っている人から深く愛され、自然と足が向くという雰囲気のお店となっています。
筆者は最近、そういう定食屋にハマっているので、実際に食べに行ってきました。
お店の近くには、赤い観覧車が目印で梅田のランドマーク的なショッピングビル「HEP FIVE」やクレープ屋などが立ち並び、若者が多く通るエリア。存在を知らないとなかなか気付けません。
筆者自身も学生時代からこの辺りをよく歩いているのですが、まさか大衆食堂があると考えたこともなく、今回食べに行くまで気付いていませんでした。
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通りに面したお店の前に立ってみると、おかずが並ぶ陳列棚があって「THE昭和の定食屋さん」という感じ。
暖簾をくぐって入ると外観から想像する煩雑としたイメージとは違う、テーブル以外は直線と白がベースの店内となっています。
お店にお邪魔したのが日曜日の午前11時すぎ。ビールを飲みながら競馬新聞などを広げてこれから一勝負という人や近隣の人などが談笑しています。
大衆食堂の看板メニューは「和魚定食」
『大栄食堂』では魚定食が看板メニューのようで、焼きサバ、煮サバ、カレイの焼きびたしあたりが定番という感じ。いろいろ迷った結果、サバの塩焼きかカレイの2択まで来てまだ迷っていましたが、定番中の定番メニューの焼きサバに決定しました。
お店の人に焼きサバ定食の注文を伝えたところ、「ケースから小皿を2品選んで取って下さい」とのこと。小皿の並ぶ陳列棚は、いつの時代になっても目移りする素晴らしい空間ですね。
焼きサバ定食820円
小芋の煮込みとマカロニサラダを選んでしばらく待っていると、ごはんとみそ汁と漬物、そして焼サバの登場。
令和の梅田のど真ん中で、この定食。時代とロケーションを考えるとこの素朴さは逆に新鮮で奇跡なくらい。
まずはメインの焼きサバから。決して派手さはないけどしみじみと美味しく、魚離れしている人にはぜひ食べてもらいたいと思える焼サバです。
小芋の煮物と野菜のたっぷり入ったマカロニサラダという組み合わせは、何だか懐かしくて優しい味ばかりで、ある意味で梅田で一番優しい定食かも知れません。
昼間からサッと、ビール。大衆食堂の懐の深さを感じる
カレイの焼き浸し420円 だし巻き240円 ビール大 590円
ご飯を食べているとお昼を回って人が増えてきましたが、みんなビールを飲んでいます。というわけでここは周りのお客さんの流儀に合わせてビールを頼んでみましょう。
先ほど定食を食べたので、そこまでヘビーではなく、つまめるものということで改めて陳列棚を観察。ここはさっき悩んだカレイの焼きびたしをチョイス。そしてもう一品、だし巻きもいただきます。
カレイの焼きびたしはふっくらとした身質で、日常生活ではあまり食べない分、こういう機会に食べたくなる味。定食の時に選べなかった物を酒のツマミとして選べるのは大人の特権ですね。
だし巻きは、ちょっと甘めの玉子焼きとなっています。そのままや醤油をつけて食べてもいいですが、カレイの煮汁にだし巻きを付けて食べると、なんだか懐かしい味がさらにパワーアップするのでオススメです。
まとめ
ビール片手に店内を見渡してみると、談笑していたおじさん達は別のおじさんグループに入れ替わっていました。美味しい料理とお酒を食べたら長居はせずにサッと食べてサッと去っていく、そういう感じのお店でありながら居心地は抜群です。
ちなみにこちらの大栄食堂、以前は朝早くから営業していて、朝からガッツリ定食のお店という存在でしたが、現在は人手不足などにより、お昼前からの営業となっています。
とはいえ梅田の繁華街のど真ん中、ランチや仕事終わりに普段使いのできる大衆食堂、これからもずっと愛され続けるんだろうなと実感できるお店でした。
(撮影・文◎けいたろう)
●SHOP INFO
大栄食堂
住:大阪府大阪市北区角田町6-10
TEL:06-6361-2104
営:11-00~22-00
休:水曜(月2回)、木曜
●著者プロフィール
けいたろう
旅するグルメライター。大阪と京都をむすぶ京阪電車の沿線在住で、複数の旅行情報サイトにて旅とグルメのガイド記事を執筆。気になるグルメ情報があるとB級グルメも高級店も穴場のお店も有名行列店でも、とにかく幅広く取材!食楽webでは関西グルメ情報を中心に紹介しています。