昨年のコリアスプリントのゴール前(撮影:浅野靖典)

写真拡大

 9月10日(日)に韓国・ソウル競馬場で行われるコリアカップ(3歳上・国際G3・ダ1800m)、コリアスプリント(3歳上・国際G3・ダ1200m)。

「韓国競馬」は日本の競馬ファンには馴染みが薄いかもしれないが、実はつながりが深い。本稿では「日本競馬」との関わりについて、簡単ではあるがご紹介させて頂きたい。

 古くから地方、中央で日韓の騎手交流戦が行われていたが、何れも散発的または短期間で終了。だが、2000年代後半に入ると地方競馬の騎手が韓国で短期免許を取得するようになった。

 高知の倉兼育康騎手から始まり、名古屋の宮下瞳騎手など毎年複数のジョッキーが同国で騎乗。中でも荒尾の西村栄喜騎手や「Mr.ピンク」こと元宇都宮の内田利雄騎手にあっては重賞も勝利した。また、現在JRAに所属する藤井勘一郎騎手は日本への移籍前に韓国で騎乗しており、コリアンダービーを国外騎手として初めて制している。

 “日本血統”も根付いた。内田騎手がKRAカップマイル(韓国G2)で騎乗、勝利したソスルッテムンという馬は、99年のフェブラリーS覇者メイセイオペラの韓国における初年度産駒。ほかにもアドマイヤドンやクリソライトなど多数の馬が同国で種牡馬生活を送り、産駒が活躍している。

 また、近年は競走馬やレースでのつながりも増えてきた。13年からは大井とソウルで交流戦が行われ、韓国のワッツヴィレッジが大井のインタラクションCを、逆に大井のトーセンアーチャーはソウルのSBS ESPN杯(韓日競走馬交流競走)を勝利。15年にはトゥクソムC(韓国G3)をJRAのエスメラルディーナが制覇した。

 そして、16年にはコリアCとコリアスプリントが創設。当初は日本馬や海外馬が圧倒的だったが、昨年はセキフウ、ラプタスを抑えて韓国所属馬が勝利を収めた。また、19年にはドルコンがドバイのアルマクトゥームCR3(首G1)で3着に好走。ドバイWC(首G1)にも駒を進めるなど、韓国馬のレベルは日に日に上がっている。

 今年の「韓国国際競走」には日本からグロリアムンディ、クラウンプライド、バスラットレオン、リメイクの4頭が参戦。対する韓国勢は、昨年の同レース覇者を筆頭に重賞ウイナーが多数揃っている。熱戦を期待するとともに、韓国からも世界的な名馬の誕生を願うばかりだ。