西日本ダービーに出走予定のショウガタップリ(撮影:稲葉訓也)

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 9月10日、佐賀競馬場で西日本ダービー(ダート2000m)が行われる。西日本地区の6つの地方競馬場(金沢、笠松、名古屋、園田・姫路、高知、佐賀)の生え抜き3歳馬が集結する一戦。6場持ち回りでの開催で、佐賀競馬場での開催は2回目となる。

 今年の注目は何と言っても西日本で負けなしのショウガタップリ(金沢)。昨年7月のデビューから無敗の10連勝で石川ダービーを制覇した牝馬は、「生姜たっぷり」ではなく「賞がたっぷり」という意の馬名。騎乗した吉原寛人騎手は「揉まれても大丈夫な馬で、キレる脚が持ち味」と話す。

 前走・黒潮盃(大井)が唯一の敗戦となるが、ヒーローコールなど南関東強豪馬相手にも6着に食い込んだ。佐賀は初めてとなるが、長距離輸送は前走で経験済み。能力は一つ抜けた印象とあって、あとは「先頭に立つと少し遊ぶ面がある」(吉原騎手)という不安点さえ克服できれば、といったところだろう。

 地元期待はミヤノウッドリー。今回と同舞台のロータスクラウン賞で2着など佐賀の3歳重賞で常に上位争いを繰り広げる牝馬だ。佐賀皐月賞ではやや出遅れて後方2番手からとなるも、上がり3ハロン最速の脚で追い込んで3着。前走は4コーナーで先頭に立とうかという場面もあったが、勝ち馬に内をすくわれた。2000mでは2走前・九州ダービー栄城賞で6着に敗れているだけに、距離がもつかどうかが鍵だろう。

 このレースが創設されてからの7回で最も勝利を挙げるのは園田・姫路所属馬。第1回マイタイザン、第3回コーナスフロリダ、第6回スマイルサルファーで、今年はグロリアドーロとムーンローバーが参戦する。

 グロリアドーロは兵庫ダービー3着。現在の園田・姫路3歳戦を牽引するスマイルミーシャとベラジオソノダラブに次ぐ着順で、兵庫一冠目・菊水賞でも5着ながら3~5着は小差だった。後方から脚を伸ばすタイプで展開に左右される面はあるが、実力上位。ムーンローバーも前走は骨っぽいメンバーと戦い3着だった。

 また、ツミキヒトツ(笠松)は東海ダービー2着馬。勝ったセブンカラーズは圧勝続きの7連勝からの東海ダービー制覇だったが、同馬に3馬身差まで詰め寄った点は一つの評価ポイントだろう。

 地方競馬の中でも珍しい「生え抜き馬限定」かつ「西日本交流重賞」である西日本ダービー。9月10日佐賀6レース、18時05分発走予定だ。

(文・大恵陽子)