紫苑Sに出走予定のヒップホップソウル(撮影:下野雄規)

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 上位3頭までに秋華賞への優先出走権が付与される重要なステップレースで、今年からGII競走に格上げされている。一昨年の優勝馬ファインルージュは秋華賞2着で、昨年の優勝馬スタニングローズは秋華賞でGIウイナーの仲間入りを果たしているように本番との関連性も高い。舞台となる中山2000mは、スタート直後とゴール前に急坂が待ち受ける難コース。馬齢重量戦でもあり、基本的には実力馬に有利な舞台設定となっている。

 ◎ヒップホップソウルはフラワーカップ2着でオークス6着馬。昨年9月のデビュー戦快勝後、ベゴニア賞はのちにNHKマイルカップに勝つシャンパンカラーからクビ差2着。1番人気を裏切ってしまったフェアリーSはスタートで躓いたことよりも中山マイルの流れに戸惑ったように見。フラワーカップは出遅れながらも最後の直線で1度は先頭に立つなど力のある所を見せた。春シーズンはやや不完全燃焼だっただけにひと夏越してどこまで成長しているかも楽しみだ。

 〇グランベルナデットは忘れな草賞優勝馬。中山競馬場2000mコースは、強い内容で未勝利戦を勝ち上がった縁起の良いコース。この時は半マイル47.6秒、1000m通過59.7秒というハイペースを追走し、早め先頭から押し切る強い内容だった。クイーンCはオークス2着ハーパーと0秒3差5着で、前走の忘れな草賞は好スタートを決めて2番手から楽に抜け出した。

 ▲モリアーナはコスモス賞優勝馬、春シーズンはマイル路線を歩んだが、札幌競馬場ではコーナー4度の競馬をやや力みながらも何とかクリアしている。持続するスピードが持ち味で、これまでのキャリアから400mの距離延長は決してプラスではないが、このレースが飛躍のきっかけになるかもしれない。

 △エミューはフラワーカップ優勝馬。桜花賞は勝ったリバティアイランドはともかく前残りのペースの中上がり3ハロンは4位タイの33.9秒で0.8秒差10着。オークスは距離というよりも前年9月のデビューから8か月で8走というローテーションの影響が大きかったのではないか。改めて注目だ。

 3連勝中で底を見せていない△ソレイユヴィータと、ダリア賞優勝△ミシシッピテソーロも侮れない。