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「フェスくらいブチ上がってる」。お笑いコンビ「アルコ&ピース」の平子祐希さんが、花火の写真と共にアップしたツイートが話題となりました。

写真には、複数人の子どもたちが、駐車場スペースのような場所で噴出花火を楽しむ様子が写っています。

「昨今は自宅前での花火はあまり…」と心配する声に対し、平子さんは「数十年住み続けて築いてきたお付き合い。そうして確立されたコミュニティの中で判断していますのでこちらは問題ありません」と返信していました。

最近は公園や河川敷で火気の使用を禁止しているところもあり、近所で打ち上げ花火や、手持ち花火ができる場所が少なくなっています。

平子さんのような派手な花火ではありませんが、ネットでも「ベランダで線香花火した」「ベランダで手持ち花火をした」という投稿がしばしば散見されます。

●条例による規制があるところも

前島申長弁護士によると、花火に関する法的規制としては、火薬類取締法があります。例えば、花火大会などで花火を打ち上げたり、仕掛花火をしようとする場合には、事前に知事の許可を受けなければなりません。

しかし、手持ち花火やせんこう花火などの火薬量の少ない花火(例えば、吹出しなどの筒物であれば火薬量15g以下、朝顔などのより物であれば火薬量10g以下など)については、火薬取締法上は、「がん具花火」として緩やかな規制が行われており、自宅で使う際の届出などは必要ありません。

一方、多くの自治体では、迷惑花火を防止する観点から条例による規制を行っています。

「具体的には、公共の場所において午後10時から翌日の午前6時までの間に花火をすることを禁止したり、特に人が集まり大声や爆音などの被害が集中する一部の地域については、終日迷惑花火を禁止する規制内容としている自治体もあり、違反者に対しては、中止命令や罰金を科す場合もあります」(前島弁護士)

●火災が発生したら賠償責任も

気になるのは平子さんのような戸建ての住宅ではなく、マンションやアパートの場合です。たとえば、マンションやアパートのベランダで花火をしても、法的には問題ないのでしょうか。

「マンションやアパートのベランダは、共用部分であり、一般的には、賃貸借契約書(賃貸物件)やマンション規約(分譲物件)などで『火気厳禁』とされています。

そのため、契約や規約上は、ベランダでの花火は、線香花火などの火薬量の少ないものであっても禁止されることになります」(前島弁護士)

また、万一、ベランダでの花火が原因で火災などが発生した場合は、発生した損害に対し、賠償責任を負う可能性もあるといいます。

「日本では、失火責任法という火災に関する法律があり、『重過失』がなければ責任を負わないとされていますが、規約違反にあたるマンションでの花火は、重過失と認定される可能性が高いと考えられます。

いずれにしても、せっかくの楽しい花火ですから、ルールを守って安全に気持ちよく楽しみたいと思います」(前島弁護士)

【取材協力弁護士】
前島 申長(まえしま・のぶなが)弁護士
前島綜合法律事務所代表弁護士 大阪弁護士会所属
交通事故・不動産紛争などの一般民事事件、遺産分割・離婚問題などの家事事件を多く扱う。中小企業の事業継承や家族信託などに注力を行っている。
事務所名:前島綜合法律事務所
事務所URL:https://maeshima.lawer.jp/