新婚旅行やハネムーン先として人気なニューカレドニア。中でも離島のウベア島は1984年公開の映画「天国にいちばん近い島」の舞台となったことで日本でもよく知られるようになりました。これまで犯罪多発都市や沈みかけの絶海の孤島、人よりホッキョクグマが多い世界最北の町などに弾丸現地取材してきた「ドメイン島巡り」の第37回目となる今回は、そんなニューカレドニアに行って現地の様子をいろいろ見てきました。

ドメイン島巡り - 世界のドメイン1,000種類以上を取り扱うインターリンクが、「.cc」「.tv」「.sx」等、南太平洋やカリブ海などの「島のドメイン」約50種類に焦点をあて、実際にその島々に行き、島の魅力をレポートします。

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◆ニューカレドニアはどこにあるのか?

ニューカレドニアは日本の南東約7000km、ニュージーランドの上あたりに位置するフランスの海外領土。本島のグランド・テール島と、周辺のイル・デ・パン、リフー島、マレ島、ウベア島などの島々から構成されています。面積は約1万9110平方kmで、人口は2016年時点で約27万人です。首都はグランド・テール島のヌメア。使用されている通貨はCFP(フレンチ・パシフィック・フラン)。公用語はフランス語で、日本との時差は+2時間です。

目次

◆日本語対応バッチリなニューカレドニア

◆地元のオタク御用達?「すごいマーケット」に行ってみた

◆ニューカレドニアの料理はこんな感じ

◆ニューカレドニアいろいろ

◆神戸屋ニューカレドニア店を発見

◆街で見かけた「.nc」ドメイン

◆現地でのSIM購入&速度調査

◆日本語対応バッチリなニューカレドニア

日本からニューカレドニアの首都ヌメアへは、成田国際空港と関西国際空港からエアカランの直行便が出ています。今回は日程の関係上、オーストラリアのシドニーからエアカランを利用しました。



ヌメア国際空港に到着。フランス語、英語、日本語でウェルカムメッセージが書かれています。



空港内の案内板にも日本語が表記されています。なぜ各所に日本語表記があるのかというと、ニューカレドニアには毎年約2万人もの日本人観光客が訪れているため。新型コロナウイルス感染拡大前の2019年は、訪れた観光客の約13万人のうち、約2万2000人が日本人だったそうです。



今回はニューカレドニアでの取材時間が6時間しか確保できなかったため、「天国にいちばん近い島」の舞台であるウベア島には行かず、本島であるグランド・テール島を調査していくことにします。効率的に調査するため、送迎&ガイドの会社「MASA.CO」にアテンドガイドをお願いしたところ、なんとガイドが日本人でした。会社を運営する鈴木雅子社長も日本人で、30年以上もヌメアで暮らしているそうです。今回のアテンドガイドは雅子さんの息子の優馬さん。ポケットWi-Fiもレンタルできました。(1400CFP・約1820円/24時間)



◆地元のオタク御用達?「すごいマーケット」に行ってみた

ガイドさんにおすすめスポットをたずねたところ、「じゃあ、すごいマーケットに行ってみましょう」とのことで、まずはマーケットに向かいます。



ベル・ヴィ・ショッピング・センターというショッピングモールの裏手で目的のマーケットを発見。一体何がすごいのだろうと思っていましたが、店名が「SUGOII MARKET」でした。ここはマンガやポップカルチャーのフィギュアやグッズ、日本の食べ物に特化したスーパーマーケットです。少し見つけにくい場所にあるので注意。



営業時間は平日が9時から18時、土曜日は9時から16時までで、日曜日は定休日です。



中に入ってまず目に付いたのは日本のお菓子。右側の棚にずらっと並んでいます。



ポッキー、アルフォート、ルマンドなど日本でも見慣れたお菓子を発見。別の棚には煎餅もありました。



カップラーメンも文句のつけようのない充実ぶり。日本のカップラーメンが恋しくなっても大丈夫です。



スイカサイダー、マスクメロンサイダーなど少し変わった日本の飲み物もあります。



たこ焼き粉やお好み焼き粉までありました。



1階には食料品だけではなく、洗顔フォームや化粧品も置いてあります。



人気キャラクターのフィギュアやTシャツ、キャップなどのコーナーを発見。



続いて2階に上がってみると、2階は丸ごとマンガやアニメ関連製品で埋め尽くされていました。1階にはなかったNARUTOやONE PIECE関連グッズも充実しています。



大量に並んでいるのは、アメリカ大手玩具メーカーのファンコが展開する人気デフォルメフィギュア「POP!」シリーズです。



Q posketのプライズ景品などもあります。



店員さんに話しかけて日本から来たことを伝えると、「日本のアニメが大好きなんだけど、まだ日本には行ったことがないんだ。いつか行ってみたいよ!」とのこと。ニューカレドニアのアニメ好きコミュニティについても熱く語ってくれました。



萌えるドメイン「.moe」を運営する株式会社インターリンクの社歌は「オタクノミカタ」です。もちろん、ニューカレドニアのオタクの味方でもあります。

株式会社インターリンク:社歌「オタクノミカタ」 - YouTube

◆ニューカレドニアの料理はこんな感じ

ビーチ沿いを歩きながら、シーフードで有名な人気レストラン「ル・ミレッティ・ガスコン」に向かいます。



内陸側に少し進むとお店に到着。1969年創業の老舗シーフードレストランで、近海やニュージーランド産の魚介を使用した南西フランス料理を提供しています。



店内は落ち着いた雰囲気。



日本語のメニューもあってとてもわかりやすいです。シーフードだけでなく肉料理やスペシャル料理もありました。



オーナーはニューカレドニアの方ですが、日本語もかなり流ちょうです。おすすめを聞き、シーフードパイ包み、天使のエビフライ(ガーリックとバジリコ風味)、カニのむき身のファルシなどを注文しました。シーフードパイ包み(3158CFP/約4105円)はシーフード盛りだくさんの料理でパイとの相性も抜群でした。



天使のエビフライ(2438CFP/約3169円)は想像していたエビフライとは少し違いましたが薄く付いた衣がおいしいです。



カニのむき身のファルシ(3996CFP/約5194円)は日本人の口に合うしっかりとした味付け。香ばしい香りも食欲をそそりました。



ニューカレドニアのビール「ナンバーワン」(795CFP/約1033円)もおいしかったです。



◆ニューカレドニアいろいろ

・3週連続でサメが襲来した人気海水浴場

レストラン「ル・ミレッティ・ガスコン」へ向かう途中で海水浴場「プラージュ・ド・ランス・ヴァタ」に立ち寄りました。ここは人気の海水浴場なのですが、2023年3月に3週連続で発生したサメによる人間への攻撃によって、ヌメア市はシャークネットの設置が完了するまで主要ビーチでの遊泳を禁止しました。そのため、見た限りでは誰も泳いでいませんでした。



・ヌメアのシンボル

1894年6月16日に完成したカトリックのセント・ジョセフ大聖堂は、港や街中からよく見えるヌメアのシンボル的存在で観光名所です。移動中に見ることができました。



・地元住民が日常的に利用する普通のマーケット

SUGOII MARKETはオタク御用達でしたが、地元の人が日常の買い物で利用する「TATSU MARKET」にも行ってみました。



海外でよく見かけるアジアンマーケットのような店内を想像していたのですが、中に入ると商品が綺麗に陳列されていて日本のコンビニのようでした。



・ヌメアの中心部にあるココティエ広場

ヌメア市街地の中央に位置しているココティエ広場にはかつて広場の名前の由来となったココヤシが多く植えられていました。フリーマーケットが開催されるなど地元住民の憩いの場になっています。



◆神戸屋ニューカレドニア店を発見

ニューカレドニアに神戸屋がありました。日本人女性オーナーのさおりさんに話を聞くと、人気レストラン「シュ・トト」をリニューアルして神戸屋をオープンしたそうです。



店内には、さおりさん直筆の「腹が減っては戦はできぬ」が壁に大きく貼られています。「笑う門には福来たる」もありました。



メニューは本格的な日本料理です。



プレートメニューには神戸屋弁当もありました。



どれもおいしそうで迷いましたが、メンチカツ、お好み焼き、エスカルゴ、神戸屋弁当などを注文。メンチカツ(2400CFP/約3120円)は揚げたてでサクサクでした。



お好み焼き(1800CFP/約2340円)は生地が柔らかく、もんじゃ焼きのような食感でした。



これはプルゴーニュ風エスカルゴ(1350CFP/約1755円)。フランスのブルゴーニュ地方の料理です。



レギュラーメニュー以外から注文した神戸屋弁当(2600CFP/約3380円)。唐揚げやお刺身、かぼちゃのサラダなど盛りだくさんです。特に唐揚げは揚げ具合と味付けが絶妙でした。



デザートにはかぼちゃプリン(900CFP/約1170円)を注文しました。



あとで分かったのですが、この神戸屋は愛知県に3店舗を構えるレストラン神戸屋グループから名前が来ているようで、お店のロゴも同じです。さらに、オーナーのさおりさんの実家は神戸屋グループを運営していました。レストラン神戸屋グループ公式サイトによると、ニューカレドニアに一家で移住して、神戸屋の前身であるシェ・トトをオープンしたとのことです。



◆街で見かけた「.nc」ドメイン

それぞれの国には、「ccTLD(国別コードトップレベルドメイン)」という、国ごとに割り当てられたドメインが存在します。「ドメイン島巡り」は、そんなccTLDの中でも「島国」に割り当てられている約50種類のドメインに焦点をあて、実際にそのccTLDが割り当てられている島国を訪れて現地の魅力をレポートすると共に、「現地でそのドメインがどのように使われているのか?」を調べるのが目的です。

ニューカレドニアに割り当てられている ccTLD(国別コードトップレベルドメイン)は「.nc」。ニューカレドニアでは多くの「.nc」ドメインが使われていました。フェリーターミナルに停泊中のBETICOは離島行きの船です。





コーヒー豆やエスプレッソマシンなどを販売する「Café MELANESIEN」の営業車。



この車は自動車教習所の車のようです。



また、ヌメアの街でも多くの「.nc」ドメインを発見しました。





「.nc」のレジストリであるOptのオフィス。





◆現地でのSIM購入&速度調査

ニューカレドニアではヌメアの地元のモバイルショップ「mobilemania」にてプリペイドSIMカードを購入しました。



購入したのは旅行者向けのプラン「TOURISM CARD」(3000CFP/約3900円)。



SIMカードの有効期間は3ヶ月で、3000CFPのうち1500CFP(約1950円)はクレジットとして利用するためのもの。そのクレジットを使ってデータを追加します。



SMSで購入することもできますが、今回はスタッフの方に全てお願いしました。SIMカードの購入説明は日本語を選択することもできます。



ヌメアで測定したところ20Mbpsでした。



海外に行く予定のある方は、「2023年、最強の海外用eSIMはUbigi!」のページも参考にしてください。

というわけで、今回のドメイン島巡りで訪れた場所は以下のGoogleマップ上でまとめて確認可能。

また、「ニューカレドニアまで実際どうやって行けばいいの?」というアクセスの詳細はここから確認可能です。

(文・写真:インターリンク https://www.interlink.or.jp/

ドメイン島巡り https://islanddomains.earth/)