2021年に登場したApple Watch Series 7から、従来比で最大33%速い高速充電機能が追加されました。Appleはこの高速充電にサードパーティー製のアクセサリも対応することを義務付けることを計画していると報じられています。

Apple Watch accessory makers prepare for charger changes

https://appleinsider.com/articles/23/08/07/apple-watch-accessory-makers-have-to-switch-to-newer-costlier-fast-charging-module



Apple will require Apple Watch accessory makers to support fast charging later this year - 9to5Mac

https://9to5mac.com/2023/08/07/apple-watch-fast-charging-accessories/



Appleは自社製デバイス向けのサードパーティー製アクセサリがAppleの設ける性能基準を満たしていることを証明するためのプログラムとして、Made for iPhone/iPad/iPod touch(MFi)ライセンスプログラムを導入しています。このMFiはその他のAppleデバイスにも拡張されており、Apple Watch向けのアクセサリーには「Made for Apple Watch」というライセンスプログラムが存在しています。

このMade for Apple Watchライセンスプログラムの一環として、Appleはアクセサリメーカーに「Appleが提供する公式充電パックモジュール」の使用を義務付けています。ただし、記事作成時点でアクセサリメーカー側は高速充電に対応した充電パックモジュールと、高速充電に非対応の古い充電パックモジュールのどちらを利用してもOKです。

Apple関連メディアのAppleInsiderがアクセサリメーカーから独自に入手した情報によると、Appleは2023年後半にも「高速充電に非対応の古い充電パックモジュール」のオプションを廃止する予定であるとのこと。アクセサリーメーカーがAppleに「高速充電に非対応の古い充電パックモジュール」の使用計画を提出する期限は8月31日に設定されており、同モジュールの注文は9月30日に打ち切られる予定です。



2021年7月にはBloombergがApple Watchの高速充電に対応した充電パックモジュールが不足していると報じていましたが、「高速充電に非対応の古い充電パックモジュール」の提供が廃止されるため、「Appleは高速充電対応の充電パックモジュールの供給不足問題を解決したようです」とApple関連メディアの9to5Macは指摘しています。

潜在的な問題のひとつは、MFiアクセサリメーカーにとって「高速充電に対応した充電パックモジュール」は単価が高くなるということです。アクセサリメーカーに「高速充電に対応した充電パックモジュール」の利用を義務付けることで、サードパーティー製のApple Watch向け充電器は値上げせざるを得なくなる可能性が高くなります。

一方で、高速充電に対応しているのは記事作成時点ではApple Watch Series 7、Apple Watch Series 8、Apple Watch Ultraの3モデルのみ。実際に高速充電対応のApple Watch Series 7と非対応のApple Watch SEの充電速度を比較した様子は、以下の記事でチェックできます。

「Apple Watch Series 7」を実際に使った正直な感想は? - GIGAZINE



なお、Apple Watch向けの充電器は数多く存在しますが、その中でも高速充電に対応しているものはごく一部しかないそうで、Apple純正アクセサリーのひとつ「MagSafeデュアル充電パッド」も、Apple Watchの高速充電には対応していないと9to5Macは指摘しています。