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●ラー博の「あの銘店をもう一度“94年組”」第3弾を調査。『名代ら~めん げんこつ屋1994』を調べてみた

 “ラーメン好きの聖地”と呼ばれる神奈川県横浜市のラーメンアミューズメントパーク『新横浜ラーメン博物館』では、過去に出店した約40店舗の銘店が期間限定で再出店を行うスペシャルプロジェクト「あの銘店をもう一度”銘店シリーズ”」を展開。伝説級の味を求めて、連日多くのお客さんが『ラー博』を訪れています。

 今回紹介する銘店は、1994年の『ラーメン博物館』開業時に出店した8店舗が約3か月間に渡ってリレー形式で再出店を果たす“94年組”。第1弾『支那そば勝丸』、第2弾の環七『野方ホープ1994』に続くシリーズ第3弾は、1990年代後半から2000年前半にかけて都内を中心に大人気を博した『げんこつ屋』です。2011年~2019年にラー博で営業した『二代目げんこつ屋』が、94年当時に出されていたラーメンを復刻。『名代ら~めん げんこつ屋1994』として、堂々の復活を果たしました。

げんこつ屋とは?

 初代『げんこつ屋』は今から43年前の1980年(昭和55年)に、創業者の関川清氏が東京都杉並区の新高円寺にて開業。鶏や豚、背脂、香味野菜などを長時間煮込んで白濁させた「白湯スープ」と、マグロ節と利尻昆布による「和風スープ」をブレンドした、お店オリジナルの「ダブルスープ」がラーメンファンの間で大評判を呼び、行列の絶えない人気店となりました。

『ラー博』では1994年の開業時にオープニング店舗として出店し、約8年に渡って営業。2000年に『ラー博』を卒業した後は最大17店舗を展開するまでに成長しましたが、急ともいえる拡大路線が仇となり経営が破綻。2007年に惜しまれながら全店閉店となり、27年の歴史に幕を下ろしました。

こちらは『二代目 げんこつ屋』阿佐ヶ谷南口店です(※2023年7月撮影)(食楽web)

 その後に急逝した関川氏の味を受け継いだのが、『ラー博』の店舗で店長を務め、東京・田町にて新たに立ち上げたラーメン店『一本の道』で腕を振るっていた長男の匡仁(まさひと)氏。『げんこつ屋』閉店から3年後の2011年に『ラー博』で『二代目 げんこつ屋』を出店し、初代と同じく約8年に渡る営業の後に『ラー博』卒業。現在は世田谷区成城の本店(成城店)と、杉並区阿佐ヶ谷(阿佐ヶ谷南口店)の2店舗で営業を行っています(※阿佐ヶ谷北口店は南口店との統合により、7月17日をもって閉店)。

16年の歳月を超えて名店の味が復活「げんこつら~めん」

「げんこつら~めん」930円は初代の味を再現! ※メニュー及び価格は公式サイト等にてご確認ください

 今回の再々出店で提供されている「げんこつら~めん」は、『ラー博』出店当時の味わいを16年ぶりに再現しています。

 白湯スープと和風スープを合わせた創業以来の「ダブルスープ」はもちろんそのままに、時代の経過に合わせて減らしてきた背脂は94年当時と同じように“スープに蓋をする”くらいの量を使用。すっきりしながらも深いコクを感じさせる味わいは、飲むのを止めるタイミングが見つけられないほどの美味しさを備えています。

 そのダブルスープと組み合わせる麺は、かんすいが少なめの多加水中太ストレート麺を採用。ソフトな歯ざわりともちもち&コシのある食感を備え、緩くウェーブがかかった表面がスープをしっかりとキャッチします。口の中で奏でられるスープと麺の美味しさと、思わず漏れる感嘆の声で構成される最上級のハーモニーは、食した人のみ体験を許される至高のひと時にもなりそうです。

(食楽web)

 具材は刻みネギ、チャーシュー、メンマ、海苔、とろ玉(味付き玉子)と王道のラインナップ。特にチャーシューは豚の選定から調理方法、フレッシュさにもこだわった極上の仕上げとなっており、たっぷりの旨味とほろっと崩れる柔らかな食感が大きな魅力。麺が見えないほどに乗せられる「ちゃ~しゅうめん」(1280円)で、思う存分にその味わいを楽しむのも大いにアリです。

まとめ

 2007年の閉店により、味わう機会は二度と訪れないと思われていた初代『げんこつ屋』の「げんこつら~めん」を、受け継がれた技術とレシピ、二代目店主の熱い想いによって再現。多くのラーメン通を唸らせてきた伝説の美味しさを、『新横浜ラーメン博物館』で体感してみてはいかがでしょうか。

●DATA

あの銘店をもう一度 ”94年組” 第3弾 「名代ら~めん げんこつ屋1994」

期間:2023年7月20日(木)~10月22日(日)
販売:『新横浜ラーメン博物館』 地下2階
営:平日 11:00~21:00/土日 10:30~21:00(ともにL.O. 20:30)
https://www.raumen.co.jp/