木原氏妻の前夫の不審死「自殺の証拠はなかった」捜査した元刑事、警察庁長官の発言に猛反発
週刊文春が報じた木原誠二官房副長官の妻の前夫である安田種雄さんの不審死事件を巡り、2018年の再捜査を担当した元刑事が7月28日、東京都内で記者会見した。
会見は文藝春秋社屋隣の文春ギャラリーであり、20日の安田さん遺族の会見と同様、文春が主導する形で行われた。45席設けられた席は満席で、会場に入りきれない記者たちが立ち見する事態となった。
元刑事の佐藤誠氏は、2018年当時は警視庁捜査一課殺人一係に所属。重要参考人だった木原氏の妻を取り調べた。口を開いた理由について「警察庁長官が『事件性はない』と言ったことに、かちんときた。誰が見てもある。そんなことを言う警察官はいない」と話した。
⚫️「再捜査は難しいと思う」
佐藤氏は64歳で、2022年に警視庁を退職している。職務上知り得た情報を話すことは地方公務員法違反に当たるリスクがあるが、それも認識した上で「怖さもクソもなかった」と会見に臨んだという。
「自殺の証拠はなかった。被害者は余計悲しむよ、捜査の結果を教えられていないのに納得できるわけない。事件性はあると断言する」
種雄さんは2006年4月に都内の自宅で、遺体となって発見された。警察は自殺と判断したものの、第一発見者だった父親は喉元から肺まで達した刺傷などに不審感を抱いていたという。2018年に警視庁の洗い出しにより再捜査となった。
2023年7月に週刊文春が、これらの経緯を報じ、父親ら遺族は同20日に会見。警視庁大塚署に再捜査を求める上申書を提出している。佐藤氏はこれについて「警察庁のトップが自殺と認定しちゃってる。個人的には難しいんじゃないか」との認識を示した。
「こんな終わり方をしたのに遺族は『警察には感謝している』と言ってくれた。警察庁長官の言葉によって、その人たちの悲しみを増大させるのか。もうちょっと思いやってほしい、ちゃんと働けと言いたい」