将来なりたい職業ランキング...中学生は憧れ強く、高校生はやや堅実? そして、「こういう大人になりたい」有名人...大活躍中のあの人!
甲子園行きをかけた高校野球の地方大会が佳境を迎えるなど、まさに青春真っ盛り。人生の希望に満ちあふれる中高生は、どんな将来の夢を描いているのだろうか?
ソニー生命(東京都千代田区)が2023年7月25日に発表した「中高生が思い描く将来についての意識調査2023」の調査結果によると、中学生は「好きなことを仕事にする」(44.0%)が最も高く、高校生は「安定した毎日を送る」(46.1%)が最も高いという結果になった。
なりたい職業では、男子中学生の1位は「YouTuberなどの動画投稿者」、女子中学生の1位は「絵を描く職業(漫画家・イラストレーター・アニメーター)」。男子高校生の1位は「公務員」、女子高校生の1位「看護師」となっている。
高校生女子の将来のなりたい職業 3位は保育士・幼稚園教諭、2位は公務員、では1位はどんな仕事?
この調査は2023年6月8日から14日にかけて、ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする全国の中高生を対象に、インターネットリサーチを行った。有効回答数は1000サンプル。内訳は、中学生200人(男子:100人、女子:100人)、高校生800人(男子:400人、女子:400人)。
はじめに、将来の夢について質問した。中学生の回答では「好きなことを仕事にする」が「44.0%」が最多に。次いで「安定した毎日を送る」が「42.5%」、「趣味を充実させて生きる」が「38.0%」、「お金持ちになる」が「37.0%」という結果になった。
一方で、高校生の結果は、「安定した毎日を送る」が「46.1%」で最多。「好きなことを仕事にする」が「45.4%」、「趣味を充実させて生きる」が「38.1%」、「素敵な相手と恋愛・結婚する」が「35.9%」と続いている。
なりたい職業はどうか。男子中学生では「YouTuberなどの動画投稿者」(22.0%)、2位「ITエンジニア・プログラマー」(17.0%)、3位「プロスポーツ選手」(15.0%)となった。
女子中学生では1位「絵を描く職業(漫画家・イラストレーター・アニメーター)」(19.0%)、2位「ボカロP(音声合成ソフト楽曲のクリエイター)」(17.0%)、3位「YouTuberなどの動画投稿者」(16.0%)だった。
その理由とは――。こんな意見が上がっている。
「自分の好きなことを発信しつつ、お金も稼げるから」(男子中学生、Youtuberなどの動画投稿者)「今後あらゆる業界でのニーズが高いから」(男子中学生、ITエンジニア・プログラマー)「元々野球選手になりたかったから」(男子中学生、プロスポーツ選手)「ボカロのサムネを描いたり、小説の表紙や挿絵を描いたりしてみたいから」(女子中学生、絵を描く仕事・漫画家・イラストレーター・アニメーター)「自分が音楽のおかげで今生きていけているから。私も音楽で人を助けたいから」(女子中学生、ボカロP)「YouTuberさんを見て元気が出てくるので尊敬しているから」(女子中学生、Youtuberなどの動画投稿者)
一方で、高校生の将来の夢はどうか。男子高校生では、1位「公務員」(15.8%)、2位「ITエンジニア・プログラマー」(11.8%)、3位「会社員」(10.0%)の順に。女子高校生では、1位「看護師」(14.2%)、2位「公務員」(11.5%)、3位「保育士・幼稚園教諭」(10.3%)がトップ3になった。こんな理由が上がっている。
「人のためになりたいし、社会貢献したいと思ったから」(男子高校生、公務員)「プログラミングが好きだから」(男子高校生、ITエンジニア・プログラマー)「安定しているから」(男子高校生・会社員)「病院でお世話になったときに憧れたから」(女子高校生・看護師)「安定していて女性が働きやすいと聞いたから」(女子高校生・公務員)「小さい子どもが大好きだから」(女子高校生、保育士・幼稚園教諭)
となった。
中高生の45歳の目標年収は? 中学生1199万円! 高校生993万円!
次に、30歳時点の目標年収のイメージを持っている回答者(n=642)に対して、30歳の目標年収を聞いたところ、「400万円」が「15.1%」、「500万円」が「19.2%」、「600万円」が「12.1%」などで、平均は中学生で805万円、高校生で757万円となった。
さらに、目標年収のイメージをもっている人(n=594)に対して、中高生の親世代を想定して45歳時点の目標年収を聞いた。その結果は、「500万円」が「12.3%」で、「600万円」は「13.1%」、「700万円」は「10.8%」、「800万円」は「10.1%」などで、平均は中学生で1199万円、高校生では993万円という結果になった。
一方で、人生設計は考えているのだろうか? そこで、将来のライフイベントやライフスタイルについても質問している。
まず、結婚については「将来、結婚したい」と「ずっと独身でいたい」のどちらにあてはまるか聞いている。「将来、結婚したい」では、中学生が「非常にあてはまる」が「38.0%」、「ややあてはまる」が「23.5%」で、以上をあわせて「61.5%」。
高校生では「非常にあてはまる」が「45.3%」、「ややあてはまる」が「23.0%」であわせて「68.3%」。「将来、結婚したい」が多かった。
なお、男女別と中学/高校別にみると、「将来、結婚したい」(非常にあてはまる、ややあてはまる)と回答した人の割合が最も高かったのは男子高校生(非常にあてはまる:46.0%、ややあてはまる:24.3%)であわせて「70.3%」だった。
そのほか、「将来、子どもがほしい」と「将来、子どもがほしいと思わない」、どちらに当てはまるかも質問した。これについては、中学生では「非常にあてはまる」が「28.0%」、「ややあてはまる」が「21.5%」であわせて「49.5%」だった。中学生ではまだイメージがわかないからだろうか、おおむね半々だ。
高校生では「非常にあてはまる」が「36.9%」、「ややあてはまる」が「23.8%」であわせて「60.7%」となった。「将来、子どもがほしい」が多かった。
「こういう大人になりたい」有名人と「こんな生き方をしたい漫画アニメキャラ」とは?
続いて見方を変えて、中高生が「『将来、こういう大人になりたい』と思う有名人」と「『こんな生き方をしたい』と思うアニメ・漫画のキャラクターについても聞いた。中高生の憧れる有名人やアニメキャラは?
全体の結果では、1位はワールドベースボールクラシックやメジャーリーグでの活躍が目立った大谷翔平選手だった。2位はYoutuberとして中高生に親しまれているHIKAKINさん、3位はドラマに映画に大活躍の橋本環奈さんとなった。
男女別では、男子1位は大谷翔平さん、2位がHIKAKINさん、3位が明石家さんまさんだった。女子1位は橋本環奈さん、2位はHIKAKINさん、3位は上白石萌音さんとなった。
なお、大谷翔平さんについては「努力を重ねて結果を出しているから」(男子高校生)や「人間性が素晴らしい人だから」(男子高校生)との声が。女子の1位の橋本環奈さんについては「人を笑顔にできる天才だと思うから」(女子高校生)や「可愛いのに気取ってなくて自然なところが好きだから」(女子高校生)というコメントが上がっている。
つぎに、「『こんな生き方をしたい』と思うアニメ・漫画のキャラクター」について聞いた。1位は「週刊少年ジャンプ」で連載中の人気漫画『ONE PIECE』の主人公・モンキー・D・ルフィ。2位は、同じく週刊少年ジャンプで連載していた『鬼滅の刃』の主人公・竈門炭治郎がランクイン、3位は国民的アニメ・漫画でおなじみのドラえもんの主人公「野比のび太」となった。
自由回答をでは、
・モンキー・D・ルフィ「常に目標に向かって突き進んでいるから」(男子高校生)「仲間想いなところや筋を通すところが尊敬できるから」(女子高校生)
・竈門炭治郎「炭治郎のような優しく強い心を持ちたいから」(女子高校生)「前向きで、自分を磨き上げ、誰にでも優しくでき、困っている人を積極的に助けているから」(男子高校生)
・野比のび太「何度も立ち上がれる力を持っているから」(女子高校生)「誰にでも優しくできるところに憧れているから」(男子高校生)
などの意見が上がっている。
調査結果に対して、ソニーフィナンシャルグループの金融市場調査部アナリストの森本淳太郎氏は、以下のようにコメントしている。
「中学生と高校生の意識の差異は、『将来なりたい職業』にも表れています。中学生の上位項目をみると、『YouTuberなどの動画投稿者』『プロスポーツ選手』『絵を描く職業』といった『自分の好きなこと』を仕事にしたいという結果が目立ちました。一方、高校生は『公務員』『会社員』『ITエンジニア・プログラマー』などが上位を占め、安定志向が窺えます」
「コロナ禍を経て、テレワークの割合が上昇する中で、働く大人と触れ合う機会も増えています。こうした中で、中学生にとってはシビアな現実が目に付くようになった一方、高校生にとっては生き生きと働く大人の姿が印象に残っているようです。中学生から高校生になるにつれて、一歩ずつ大人に近づく中、少しずつ『働く覚悟』ができはじめているのかもしれません」
「自立した大人を目指して案外堅実でシビアな見方をしている中高生ですが、真っすぐな生き方への憧れも持ち合わせているようです。『こんな生き方をしたいキャラクター』の1位『モンキー・D・ルフィ』や2位『竈門炭治郎』は、両者とも目標のため、仲間のために全力を尽くすキャラクターです。日本の将来を担う中高生が、そんな熱い思いを胸に秘めていると思うと、頼もしさを感じます」