厳選!2歳馬情報局(2023年版)
第7回:インビジブルセルフ

 現役時代、無敗の三冠達成を果たしてGI通算7勝を挙げた稀代の名馬、ディープインパクト。同馬は金子真人ホールディングスが所有し、栗東トレセンの池江泰郎厩舎で管理されていた。

 その金子オーナーが今度は池江泰郎調教師の息子である池江泰寿調教師(栗東トレセン)とタッグを組んで送り出す逸材がいる。インビジブルセルフ(牡2歳/父エピファネイア)である。

 昨年のセレクトセールの1歳馬セクションに上場された同馬。2億5000万円(税別)という高値で取引されたこともあって、競馬ファンの間では早くから注目を集めている。


インビジブルセルフの伯父には2007年の朝日杯FSを制したゴスホークケン(写真)がいる

 その血統を見ると、母アウェイクは1勝馬に終わったものの、母の兄にはGI朝日杯フューチュリティSを勝ったゴスホークケンがいる良血。さらに、近親には重賞2勝を挙げ、GI皐月賞とGI日本ダービーで3着と好走したステラヴェローチェがいる。

 そうした血統背景から、関係者の期待も大きいインビジブルセルフ。現在はすでに池江厩舎に入厩し、デビューに向けて調整を重ねているが、間近で見ている陣営の評価はどれほどのものなのか。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「池江調教師はインビジブルセルフについて、『雄大な馬体で見映えがする。背が高くて脚も長く、2000m以上の長い距離がよさそう』といった見解を示しています。

 動きについても手応えを感じているようで、『走りはダイナミックで、調教を重ねるごとによくなっていますね』とのこと。実際、調教の時計も徐々によくなっています」

 池江調教師に限らず、追い切りを担当するスタッフからも高評価の声が聞こえるという。トラックマンが続ける。

「スタッフからは『パワフルな動きで、反応も抜群』と、かなり前向きなコメントが聞かれました。さらに、そのスタッフは『スピードに乗せていくといい動きをしますね。なかなかの馬ですよ』と言って、満面の笑みを見せていました。

 ひとつ不安があるとすれば、『気性的にかなり前向きなタイプで、カッとしやすい部分がある』とスタッフ。だからといって、折り合いが難しい感じではなく、『距離はこなせそう』と言っていました」

 初陣は7月23日。戸崎圭太騎手が鞍上を務める予定だ。

 陣営の様子からも大物ムードが感じられるインビジブルセルフ。注目のデビュー戦でどんな走りを見せるのか、楽しみだ。