いつまでも変わらぬ美しさから「奇跡の50代」といわれる、美容家・実業家の君島十和子さん。今年、57歳になりますが、年齢を重ねても興味のあることにどんどんチャレンジされ、その飾らない等身大の姿は多くの人の心をつかんでいます。

君島十和子さん「リミットは決めず、これからもチャレンジしたい!」

精力的に活動される君島さんですが、4月20日には『アラ還十和子』(講談社刊)を上梓。今回は、ものとの向き合い方や人づき合い、そして理想の60代など、貴重なプライベート話をお聞きしました。

【写真】奇跡の56歳君島十和子さん

●ものを持ちすぎることで、感性が鈍ってしまうことも

――『アラ還十和子』には、美容や暮らし方などマネできるポイントが満載ですが、最近では平野ノラさんとコラボした“断捨離”の動画も話題になっていました。著書にも収納について書かれていましたが、君島さんの「ものの捨て方」について教えていただけますか?

君島十和子さん(以下、君島):片づけを指南してくださった方には、ものとのつき合い方を教えてもらって、なかでも「手元に置いてあるのに、使われないで置かれているものの気持ちを考えて」というのが印象に残っています。

もちろん、それに払った代償みたいなものがあるから、元を取ろうとするのは人情ですよね。だから、高いものだったら、着た回数で割ってみて、レンタルしたと思って割り切るようにしたりしています。

――著書にはおうちの写真もありましたが、もともとものは少なくてスッキリされているようにお見受けしたのですが、いかがでしょうか?

君島:それは多分、夫が生まれついての「断捨離さん」だからです。本当にものに対する執着がない人なんです。ある日突然、ポケットチーフがごっそりゴミ箱に入っていたりします。「使わないから」って言うのですが、いやいやいや、これなにか使えるでしょうって、私は思ってしまうタイプ。そういう意味では、私の方が「ものの手放し方」に対しては学びが多かったですね。

●ものを捨てたことでつながった“縁”

――なかなかものを捨てられないという方もいらっしゃるかと思うのですが、どこから始めるのがおすすめですか?

君島:冷蔵庫はすごくやりやすいですよね。食品には賞味期限も書いてありますし、それを食べたいか食べたくないか判断しやすいですよね。そういうものを捨てていくと、すっきり感が割と手軽に味わえるので、私はそこで練習していました。

ものを捨てられない方は、思い出が詰まっているから捨てられないとか、人からもらったから捨てられないんですよね。でも、ものをハンドリングできる力にも容量があって、そんなに大きくはないのだとか。ものを持てば持つほど、新しいものを取り込もうとか、自分にとって必要なものを見極めようとか、そういう感性みたいなものが鈍っていくそうなんです。

美容の世界に身を置いて発信している人間としては、そういう感性が鈍るということがいちばん自分の存在理由を脅かすことになりますし、自分の感性が軽やかであることが必要なので、どうしてもものとの対峙というのは必要になってくるんですよね。

――ものを手放したことで、なにか変わったなと感じたことはありますでしょうか?

君島:最初のきっかけは、ふと自分が持っているものに対して、それに見合う扱い方をしてないんじゃないか? って思ったことでした。それで、コロナ禍のゴールデンウィークを費やして、自分のものと対峙するっていうことをしたんです。

それからYoutubeにも投稿しましたが、平野ノラさんに来ていただいてものを減らして、どんどん削いでいったのですが、自分の心の中の許容量とか頭の中の空き容量が増えたことを体感しましたね。

ものを手放したからこそノラさんとご縁ができたし、彼女とのYouTubeが上がったから、いろいろなテレビのオファーをいただいて、それを見てくれた若い編集者さんが私に興味を持ってくれて今回の本になった。だからちょっと“わらしべ長者”的な流れがありましたね。

●友達づくりは「好きなもの」で

――平野さんとのコラボは、君島さんの方から声をかけたと伺ったのですが、どんどん自分から積極的にコミュニケーションはとられますか?

君島:そうですね。でも逆に声をかけられた方からすると、私はもっと女王様みたいな態度の人かと思われているらしくて。DMを送ったときに、あまりにも普通だったらしく、これは「君島十和子の騙り(偽物)じゃないかと思いました」って、「本人じゃないと思いました」って、まあまあの人たちに言われました(笑)。

でも、本当に、そういう人たちが心よく振り返ってくれるっていうのはありがたいなと思います。やっぱり一緒にお話しすることでしか感じられない空気感ってありますから。それってすごく今の私には必要だなって思っています!

――50代になると、新しく友人をつくるのも難しいかなと思うのですが、君島さんは積極的に交流されていてすてきですね。

君島:女性はどうしても子育てなどで友達と距離が空いてしまって、なかなか相談できる人がいない方も結構いらっしゃると思うんですけれど、そういう好きなことや趣味でつながるのが、友達づくりのコツとしてはいいと思うんですよね。“なにかが好き”っていうつながりだと、争いもあまり生まれないですし。

たとえば、ママ友のつながりだと、ついつい子ども同士を比べてしまったりすることもあるかもしれませんが、「推し友」だとみんな見てる方向が一方向なので、あんまり揉めないです。娘たちとも同じ目線で語れるポイントでもありますし、世代を超えて話もできますしね。

私がアイドルを好きなのは、彼女たちになりたいというわけではなくて、あの彼女たちに何万、何十万っていう人たちが惹かれている、その魅力ってなんだろう、みんなが美しいと感じる、みんなが憧れる、その魅力の素はなんだろう、っていうのを読み解いていくのが好きなんですよね。

●60代はどう過ごす?

――最後に、これから60代になっていきますが、どんな風に過ごしていきたいですか?

君島:とくに引退とかリミットは決めてないんです。これからもチャレンジさせていただきたいと思っているので、とにかくすごく感性をフレッシュにしていたいですね! 私はSNSを通じて世界が広がったと思っているんです。なので、SNSで、自分の中でも、自分の周りでも、好循環を起こしていきたいと思っています。

たとえば、「こんなのおいしかったよ」の一言が、皆さんとのおいしさの共有だし、SNSはそういうことの共有に使うべきものだと思っていて、そんなふうに正しく使って盛り上げていきたいです。オフィシャルマークをいただいているものとしては、私のところに集まってくださる方の平和、健康を守るのも私の責任だなとも思っています。ここで変な揉め事が起こらないようにするのにも気をつけてはいきます。

SNSをフォローしてくださる方々に、すごくエネルギーとかモチベーションをいただいてます。私の40代にはSNSはなかったものなので、すごく後発なんですけれども、それによって得た新しい世界があるなっていうのを感じていてうれしいんです。ESSE onlineの読者のみなさまにも、ぜひSNSを活用して、いい情報を共有してもらって、楽しい情報交換をしていってほしいなって、思います。