家族が年を重ねると気になってくる「実家の片づけ」。実家をからっぽにしたときに残るのが「ゴミ」。ライフオーガナイザーの尾花美奈子さんが、収納グッズがゴミになってしまった実体験を教えてくれました。

実家をからっぽにして得た意外な気づき。便利なはずの収納ボックスが大変なことに

母の介護施設への入所がきっかけで、あき家になった実家を片づけ始めて約1年。
実家の売却が決まり、仏壇も兄弟の家に移動させて、とうとうなにもないからっぽの状態になりました。振り返ると肉体的にも気力的にもつらいときがありましたが、それ以上に学びの方が多くありました。

【Before→After】収納のコンパクト化に成功!

今回はその中から「収納ボックスやケースの選び方、使い方」の気づきについて話したいと思います。

●収納ボックスもゴミになる。ゴミ袋いっぱいの原因はサイズがバラバラのプラスチック製品

種類別に分けて見やすくしたり、ひとまとめにして出し入れしやすくしたり、整理整頓には必需品の収納ボックス。実家のものが少なくなると収納ボックスすらも不要になって捨てることになり、1か所にまとめるとそのボリュームに驚きました。

ボリュームの原因は、プラスチック製の収納ボックスがかさばったことでした。その多くは100円ショップの収納ボックスで、ものが増えるたびに買いたしたのか、形がバラバラでうまく重ならなかったのです。入れ子式のように入らないかいろいろ試してみましたが残念ながらうまくいかず、大きめのゴミ袋ですらすぐにいっぱいになるほどでした。

●あき箱の収納はコンパクトにつぶせてありがたかった

一方で、お菓子のあき箱や牛乳パック、段ボールなどを再利用したボックスは平らにつぶしてコンパクトにできてありがたかったです。

収納ボックスは100円ショップなどで安くておしゃれなものが簡単に手に入る時代ですが、長い目で見て「捨てる」ところまでを考えると、あき箱の再利用のよさを実感しました。

自宅の収納ボックスを見直し。目指すはコンパクト化

この気づきのあと、自分の家で使っている収納ボックスを見てみるとコンパクトにならないものが結構ありました。そのことが気がかりになってしまったので、思いきって収納を見直すことにしました。

 

●リビング収納

リビングで文房具、薬、掃除道具などを収納していたボックス。捨てるとなるとそのままの大きなサイズで捨てることになるものだったので、重ねられるタイプや小さいサイズへ次のようにして変更しました。

(1) 文房具の見直しで数を減らす。
(2) ひとまとめだった医薬品は「飲み薬」「ケガの手当」「その他」と小分け。
(3) ひとまとめだった掃除道具は「粘着ローラー」「お掃除シート」と小分け。

 

●書類収納

書類の保管に使っているファイルボックスは折りたたみ式へ変更しました。

(1) 取扱説明書や契約書類のようにあまり取り出さない書類は100円ショップの紙製へ。
(2) 時々取り出す書類は強度をたして無印良品のポリプロピレン製の折りたたみ式へ。

 

●今も未来も自分と家族に優しい収納へ

このようにして少しずつコンパクト化を進めていきました。このとき心がけたことがひとつあって、それが「家族が見つけやすく戻しやすい収納」という使い勝手のよさは守ること。

結果として利便性は守りつつも捨てづらい収納ボックスが減り、今の暮らしにおいて自分と家族に優しく、いつかの未来においても自分と家族に優しい、そんな収納に近づけたのではと心が軽くなりました。しばらくはなさそうですが、今後もし収納ボックスを追加する場合は、このことを忘れずに探そうと思います。