日本では6割の夫婦が陥ると言われるセックスレス。「結婚直後からだまされた! という感じでした」と語るのは、20代の頃、20歳年上の夫と社内結婚の末、寿退社した主婦のひかるさん(仮名・45歳)。結婚後にEDを告げられ絶望の淵に立たされた妻を救ったのは、夫でも母親でもなく、SNSで知り合った同世代の男性でした。二人が深い関係になるまでに時間はかからず…。

新婚妻の悲痛。年上夫とは1回もできない

20歳年上の夫から結婚直後にEDを告白された20代前半の私。それまでつき合ってきた人は性欲が強い人ばかりで、そういう行為ができない男性がいるというのは都市伝説くらいに思っていました。

まさか夫がEDだなんて。いざしようとしたら、本当にできないのでびっくりしました。

●体の相性を確かめずに結婚した私が悪いの?

交際期間半年というスピード婚。その間、のらりくらりとそういう行為をせずにかわされていましたが、夫を疑うことすらせず。友達にこの話をすると「体の相性を確かめずに結婚したの?」と、ドン引きされたことも。ただ当時の私は、本当に“結婚”だけに目が向いてしまって、心の相性がよければ体の相性もよくなるはずと信じていたのです。

きれいごとばかり並べて行為を避け、EDを隠していた夫に「こんな大事なこと、結婚する前に言ってよ!」と激しく怒りをぶちまけました。けれど「僕だってこんなことになってしまっていたなんて、知らなかった」と言って逃げてしまうのです。まったく話し合いになりません。新婚1か月目にして、信頼関係は完全に崩壊しました。

●母親にレスのことを相談したけれど…

20歳年上の彼と結婚すると話したとき、私の母は「向こうの親御さんはいくつなの? パートナーが20歳も上じゃ、話だって合わないんじゃない?」と心配していました。

向こうのお義母さんはすごく優しい人だったし、話も合うから問題ない。若かった私はうんざり気味に反発したのですが、結婚後に「じつはできない人だった」と相談したら、「そういうのはひかるに魅力がないからよ。新しい下着を買うとかしてなんとかしなさい」と味方になってくれず。すごく冷たく言い放たれてショックでした。

たぶん母も、世の中にEDの人がいるということを知らないで生きてきた女性なのかもしれません。

●女性ではできないってどういうこと!?

いろいろ調べて分かったのですが、夫は自分でする分にはできるけれど女性とはできないタイプのEDでした。独身期間が長すぎて、自分で強い刺激で…というのが原因とのこと。薬を処方してもらって、何度か途中まではがんばれたものの、最後までできることはなく…。

あぁ、このままできないまま私の人生が終わっていくのかなぁとむなしさで包まれていたとき、つい魔がさしてしまいました。

シャンパンを飲みながら、酔った勢いで…

当時、流行していた会員制のSNSサービスに友達が招待をしてくれて、趣味の「シャンパン好き」が集まるコミュニティーに参加。そこで知り合ったAさんという商社マンの男性と関係をもってしまいました。相手は私より3つ上。向こうは独身でした。

酔った勢いで「20歳年上の夫と結婚したんだけど、じつはEDだったの。結婚してからずっとレスなんだよね」と話したら、流れでそういうことに。けれど、私はこうなることを望んでAさんに打ち明けたのかもしれません。

●20代の私に「なし」の生活は辛すぎた

夫は話し合いのテーブルにすらつこうとせずに逃げてばかり。母親にも気持ちを理解してもらえず。友達に相談しても結婚前にちゃんと確認しなかった私が悪いと当然のように責められて…、もういろいろ疲れてしまっていたのです。

Aさんから求められたときは救われた気持ちになりました。人生をリセットしたい。本気でそう思ったのです。

●「してくれる」不倫相手にどんどんのめり込んでいく私

久しぶりすぎる行為に、心も体も満たされていきました。ラブホではなく、都心の夜景が見渡せる高級ホテルのお部屋を取ってくれたこともうれしかったです。不倫関係なのに、Aさんは本気で私を愛してくれているんだと感じたのです。

それ以降、私はAさんの部屋に通うようになりました。会社まで歩いて通勤しているという都心のマンションで一人で暮らしていたAさんが「狭いけれど、いつでも来ていいからね」と鍵を渡してきたのです。「あぁ! 彼女になれたんだ」と人妻であることを忘れて舞い上がってしまいました。

こうして、不倫相手の部屋に通う生活が続いたある日、「してくれる彼氏ができたから、もう私と別れてほしい」と夫に告げました。私たちの結婚生活はこのとき既に破綻していたのでしょうね。しかし、夫はまたしても話し合いの場から逃げてしまったのです。