すっきり暮らすためには、必要のないものを手放すのがいちばん。アラフィフの夫婦ふたりで暮らすミニマリストのブロガー・本多めぐさんが、無理せず捨てるための「3つのステップ」について教えてくれました。

ものを捨てられない人が捨てるための「3つのステップ」

ミニマリスト歴10年です。ミニマリストについて発信しているおかげで、片づけの相談を受けることが増えました。汚部屋の方のブログを拝見していると、どういったものが家にたまりやすいのか傾向が見えてきます。

【写真】即手放してOKな服の例

今回は私の経験から、ものを捨てる3ステップと、現実的な目標設定についてまとめました。

 

●ステップ1:まずは明らかな不用品を捨てる

捨てられない人に話を聞くと、あき箱、不要な書類、壊れた家電など「明らかに不用なもの」を取ってあることがわかります。まずは迷わず捨てられる「不用品」の処分から始めましょう。賞味期限ぎれの食品なども、考えずに捨てられますね。

最初のステップは、ゴミや不用品、壊れたものなど「明らかに不用なもの」の片づけです。「まだ使えるかも」「もったいない」という気持ちを忘れて、強い気持ちで捨てましょう。それがなくなっただけで部屋の中がスッキリしますよ!

汚部屋の方のお部屋を拝見すると、ペットボトルが散乱していたり、お弁当容器やお菓子のあき箱が。これらは本人でも「捨てるべき」と判断しやすいもの。お休みの日などまとまった時間をつくって「今日はとことん捨てる日!」と片づけてしまいましょう。

 

●ステップ2:こだわりがなく、捨てやすいものを捨てる

次に、自分にとって「思い入れのないもの」から捨てていきます。人によって違いますが、たとえば
・太って着られない服
・使っていない食器
・趣味に合わない贈答品
などが挙げられます。使っているかどうかで判断し、捨てましょう。

引っ越しの段ボールや、捨てる前によけておいた「一時保管ボックス」がそのまま放置されているなら、箱をあけて確認する作業も始めます。
天袋やクローゼットに不用品が山積みになっていたり、丸ごと一部屋を倉庫のように使っているなら、そのスペースがもったいない! この作業が進むと、家が広くなったと感じますよ。

自分の話ですが、ワンルームから少し広い部屋に引っ越したとき、余っている部屋につい段ボールをそのまま置いていた期間がありました。余分なスペースがあると、ものを置いておけるので生活に支障がなく過ごせてしまいます。日々忙しいと、片づけをあと回しにしてしまいがちに。

「部屋を広くするために!」と決意して、不用品を片づけていきましょう。

 

●ステップ3:分別が難しいものに少しずつ手をつける

明らかな不用品を片づけ、段ボールなど手つかずのものを片づけたら、最終ステップです。「分別が難しいもの」に取りかかりましょう。

・将来使うかもしれないもの
・読むかもしれない本や雑誌
・まだ使える文房具
などです。判断が難しいため、一日ひとつでも捨てられればOKとハードルを下げていくとよいでしょう。

注意点は、思い出の品など取捨選択が難しいものは最後まで手をつけないこと。判断がとても難しいので、家がある程度片づいたあと、初めて手をつけるくらいがいいと思います。

●最終的なゴールは「衛生的」「探しものがない」「家族が困らない」

インスタに載っているような、美しく整った部屋を目指さなくてもOK。もちろん私も美しい部屋にあこがれはありますが、一般人には目標が高すぎると感じています。

今、捨てられなくて困っている人が目指すべき目標は、「暮らしに困らない部屋」にすること。具体的には
(1) 衛生的
(2) 探しものがない
(3) 家族が暮らすのに困らない
の3点です。

(1)の「衛生的」については、冷蔵庫やキッチンが整理されていれば、食材を腐らせたりすることもなく、また清潔なキッチンを保つことで、衛生的な食事ができます。

(2)の「探しものがない」について。ものが多くてまず困るのは、探しものに時間を使ってしまうことだからです。家族全員が日々時間を奪われるので、早めに改善したいポイントです。

(3)の「家族が暮らすのに困らない」については、ものが部屋に圧迫されている状態を脱出することです。たとえば
・廊下にものが置かれてまっすぐ歩けない
・玄関に靴や傘が散乱して玄関ドアが開ききらない
・リビングの一角にものが積まれていて、家族団らんのスペースが狭くなっている
など暮らしに困る状態だったら片づけましょう。

私の実家の例ですが、昔は廊下に寿司桶や重箱、工具、大量の雑誌、果ては贈答品の鮭一本がゴロっとそのまま置かれていたことも。本来の廊下のスペースの1/3は物置き場になっていて、暮らしにくい状態でした。そうなる前に、最低限片づけたいところ。

 

●低めの目標でゆるく片づける

というわけで、少々ものが多くても、暮らしに困るものの置き方でなければ、それでOKです。

目指すのは、「家族が困らない程度にものが配置された部屋」。来客予定がないのなら、少し乱雑だったとしてもそれで十分。

コロナ禍以降、人の家にお邪魔することが減りましたよね。友人と会うならカフェへ。家の中にお客様を招かなければいけない状況は少ないと思います。

人からどう見られるかではなく「家族が過ごしやすい」という低い目標にして、片づけていくのが現実的だと思います。片づけに困っている方のヒントになれば幸いです。