築45年の空き家を譲り受けた日刊住まいライターが、明るくて機能的な玄関にリフォームした事例を紹介します。ベビーカーや洗車用具など収納できるよう、シューズクローゼットのあるプランに。玄関ホールの床材も明るいものを選び、玄関扉を曇りガラスに変更して、まるで今どきの新築かと思えるような見栄えになりました。

築45年の空き家を譲り受け、リフォームを決意

筆者は30代の夫と2歳の娘の3人家族。2年前に長らく空き家になっていた、祖父母宅を譲り受けました。しかし、築45年で39坪の木造平屋住宅に、そのまま住むのは難しい…。

そこで、外観や瓦屋根はそのまま生かし、耐震補強や断熱材を採用し屋内の間取りを一新。新築同然の住みやすさになるようにスケルトンリフォームを行いました。

この記事では、玄関にフォーカスしてお話をしてきます。玄関のビフォー&アフターが、劇的に変わった様子をご覧ください。

 

暗くて収納場所が少ない玄関をなんとかしたい

こちらがリフォームする前の玄関です。玄関やホール自体は広め。しかも南向きで日当たりのいい位置にあるので、もっと明るくてもいいはず。しかし、なぜか中に入るととても暗かったのです。その印象を引きずってか、家も全体的に暗くて、狭く感じられました。

そこでリフォームして、家の顏ともいえる玄関を明るく気持ちのいい場所にしたいと考えました。

 

備えつけてあったゲタ箱も、今後家族が増えることを考慮すると、不十分な収納量。また、ベビーカーや洗車用具など、玄関に収納したいものも多くありました。

そこで、リフォームの際に、シューズクローゼットをつくることにしたのです。

リフォームで同じ場所とは思えないほど明るい玄関に

問題だらけの玄関でしたが、スケルトンリフォームで明るく開放的な雰囲気に変身しました。今回のリフォームで、こだわったポイントについてお伝えしていきます。

 

●シューズクローゼットはウォークスルーに

リフォームにより、玄関左側の和室の一部を使って、シューズクローゼットのスペースを確保しました。

玄関側からもホール側からも出入りができるように、ウォークスルータイプに。動線がスムーズです。玄関からの動線を、家族用と来客用に分けることもできます。

シューズクローゼットには、目隠しの扉をつけました。来客の際などは、扉を閉めれば、玄関の見た目がすっきり。

 

ベビーカーや傘立ても収納できるようになり、使い勝手がよく便利です。

わが家では、お出かけ時に必要なハンカチやポケットティッシュ、マスクなどもこのシューズクローゼットに置います。

靴をはいたままピックアップできるのは、思ったより快適。靴を脱いで取りに戻らなくちゃ…といった面倒がありません。

 

●床材と窓を工夫し明るい印象に!手すりもモダンに

床材を明るいチェリー系の素材にしたこと、玄関扉を曇りガラスにしたことで、ホールまで明るく開放感のある印象に様変わり。ちなみに、シューズクローゼットにも換気を兼ねた小さな下開き窓を採用しています。晴れた日中は、十分明るいです。

玄関には、長く住むことを考えて手すりを設置しています。じつはこの手すり、もともと階段の手すりに使用するものを、長さを調整して取りつけています。メーカー標準のものだと、いかにも介護用という印象だったため。こだわったおかげで、スタイリッシュな見た目になりました。

 

●飾れるニッチが玄関のいいアクセントに

譲り受けたとき、家には多趣味だった祖父母の作品が残っていました。

それらを飾ろうと思い、ニッチもオーダー。娘の制作物を飾ってみたり、季節の置物を置いてみたり。玄関のワンポイントとして活用していて、筆者のお気に入りです。

玄関土間から家への段差は改善できず…

古い家の特徴なのか、玄関土間から家に上がる段差が高い点も、本当はリフォームで改善したい部分でした。

しかし段差を小さくする方法は、屋内の床を下げるか、玄関土間の基礎を上げるかの2つ。家屋の床を下げるのは構造上難しい。玄関部分にコンクリートを敷き、基礎を上げて段差を小さくするには予算オーバに…。迷った結果、見送ることにしました。

 

踏み台を置いて、上り下りがラクになるように対策しています。

家の顔である玄関が明るくきれいだと、毎日使う家族の気分も上がります。間取りを自由に変えられるスケルトンリフォームの利点を生かし、玄関にシューズクローゼットのスペースを設けることで利便性もアップ。自慢の玄関になりました。