「老後は2000万円必要」と聞き、老後に不安を覚えた方もいるのではないでしょうか。では実際、私たちはそれぞれいくら貯めたらいいのか? ファイナンシャルプランナーの深田晶恵さんに教えてもらいました。

老後に2000万円必要って本当?

必要なのは、「年金でたりない生活費」と「特別支出をたした額」です。

●メディアに踊らされず自分に必要な額を知ろう

「結論からいえば、老後は2000万円必要とも、必要でないともいえます。それぞれの家庭によって必要な資金は違うからです」と深田さん。

老後資金の目安は、「年金ではまかなえない生活費(年間の予想赤字額)の25年分」と、「家のリフォームやクルマの買い替えなどに使う特別支出」をたした額で割り出します。

「25年分は、65歳から年金生活がスタートし、90歳まで生きると仮定した年数。長生き家系の方は少しプラスして計算するのがおすすめです」

年間の赤字が40万円で、特別支出が500万円の人と、赤字が60万円で特別支出が1000万円の人では、必要な老後資金に1000万円もの違いが。「報道に踊らされず、自分にとって必要な金額を知ることが大事です」

老後に備えて貯めるべき2つの資金

老後に備えて貯めるべき2つの資金について、詳しく解説します。

●1:年金でまかなえない生活費

下のデータはコロナ前の2019年に行われた調査。生活費の平均赤字額は年40万円でしたが、コロナ禍で外出が減った2020年は1万3000円の黒字、2022年は22万円の赤字に。

「生活費は工夫次第でなんとかなるということです」

・老後の収支の平均額

●2:特別支出に必要な額

数年に1回、あるいは生涯で1〜2回かかる出費が特別支出。

「固定資産税や自動車税などは、特別支出には入れずに計算を。家のリフォームやクルマの買い替え、医療費の備え(目安は200万円)など、老後を予想し試算して」