2023年5月に登場したGoogle純正Androidスマートフォン「Pixel 7a」は「Pixel 7」と同じ処理チップを搭載しつつ約2万円安価に入手できるコストパフォーマンスに優れたモデルです。そんなPixel 7aにはPixel 7と同じく背面カメラが2個搭載されているのですが、それぞれのカメラのスペックは微妙に異なっています。そこで、Pixel 7aのカメラ性能を確かめるべく、色んな被写体を撮影しまくってみました。

優れた機能満載の Google Pixel 7a - Google ストア

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・目次

◆1:昼間の撮影

◆2:ごはん撮影

◆3:動画のブレ補正

◆4:夜間の撮影

◆1:昼間の撮影

Pixel 7aの背面には64メガピクセルの広角カメラと13メガピクセルのウルトラワイドカメラが搭載されています。



撮影倍率は0.5倍〜8倍から選択可能。以下の写真は0.5倍で戎橋から東側を撮影したものです。0.5倍はかなり広角で、両側の建物が内側に傾くダイナミックな仕上がりです。



同じ場所から1倍で撮影するとこんな感じ。



2倍で撮影。1倍と比べて気になるような画質低下はありません。



8倍だと約170m先の太左衛門橋を歩く人まで視認できます。ただし、画質はスマートフォンの小さい画面でも分かるほど低下します。



今度は通天閣を撮影。これは0.5倍です。



1倍。



2倍。改修工事の足場がクッキリ写っています。



8倍だとこんな感じ。8倍で人間を写すと画質の劣化が気になりますが、足場のような直線的な被写体なら8倍でも違和感少なめです。



なお、Pixel 7aは0.5倍〜8倍の範囲で倍率調整できるのに対して、Pixel 7の倍率調整範囲は0.7倍〜8倍です。Pixel 7a(上)とPixel 7(下)の最小倍率で同じ場所から撮影した写真を見比べると、Pixel 7aの方が広い範囲を撮影できていることが分かります。





撮影範囲の比較をもう1例。Pixel 7a(上)の方が広い範囲を撮影できるので「ダイナミックな構図にしたい」「広角のゆがみを効果的に利用したい」「広い範囲を記録したい」という用途ではPixel 7aの方が明確に勝ります。





◆2:ごはん撮影

スマートフォンで撮影する被写体の代表格といえば、やはり料理です。というわけで、色んな料理を撮影してみました。

まず、ネパール料理店「バルピパル」でカレーセットを撮影。



これぐらい近くに寄っても問題なくピントが合います。



この黄色い皿は本来はもっと暖色寄りなのですが、少し白っぽく写ってしまいました。



同じ皿をPixel 7で撮影すると、Pixel 7aで撮影したときよりさらに白っぽい仕上がりに。この皿は「Xperia 1 V」でも白っぽく写っていたので、スマートフォン向けカメラ共通の弱点なのかもしれません。



続いてたこ焼き屋「たこ焼十八番」で撮影。



案内された席でサッと撮影してみると、たこ焼き全体が白っぽい仕上がりに。



カメラの角度や位置を試行錯誤してみると、本来の色に近い色で撮影できました。「スマホをサッと取り出して撮影するだけで色が合う」というわけにはいかないのが残念ポイント。



たこ焼きを持ち上げて撮影。被写界深度(ピントの合う範囲)が深いためか、背景のたこ焼きのボケが足りずに同化してしまいました。



「SHIBIRE-NOODLES 蝋燭屋」で麻婆麺を注文。この店ではサクッと色が合いました。



なるべく近寄って撮影してみるとこんな感じ。中央付近はクッキリ写っているのですが、中央から外側に向けて拡散するようなにじみが現れました。



Pixel 7で撮影した写真でも同様に拡散するようなにじみが出現。「席に座って食器を撮影」くらいの距離では問題ありませんが、「料理に近寄って表面の質感を撮影」という用途には両機種とも不向きです。



◆3:動画のブレ補正

Pixel 7aにはPixel 7と同じく「激しい動きを伴う動画撮影時にブレを抑制する機能」が搭載されています。



Pixel 7aとPixel 7で同じ階段を駆け上がりながら撮影したムービーが以下。どちらのスマートフォンでも効果的にブレを抑えられています。

「Pixel 7a」と「Pixel 7」のブレ補正性能を比較してみた - YouTube

◆4:夜間の撮影

低照度での撮影性能を検証するべく、日没後に戎橋から道頓堀グリコサインを撮影しました。夜間でもクッキリ撮影できています。



夜景モードで撮影すれば、光源の少ない場所でも明るく撮影可能。



大阪平野を一望する夜景写真を撮影してみました。三脚不要で手持ちだけで手軽に撮影できるのがグッド。





工場もいい雰囲気で撮影できます。



光源の少ない場所でも、手持ちで数秒間固定するだけで以下のような印象的な写真を撮影可能。



さらに長時間露光モードを使えば「ヘッドライトの軌跡」を撮影することもできます。



ただし、この長時間露光モードは単純に露光時間を長くしているだけではなく、ソフトウェアによる後処理も加えられているようです。その証拠に、以下の写真ではトラックのヘッドライトの軌跡が現れているにもかかわらずトラックの車体がバッチリ残ってしまっています。



実際にPixel 7aとPixel 7で撮影結果を比較しながら写真を撮影しまくってみた結果、スマートフォンの画面で閲覧する限りでは顕著な違いは確認できませんでした。それどころかPixel 7aはPixel 7よりも広い範囲を撮影可能なので、用途によってはPixel 7aに軍配が上がることもあります。Pixel 7aがPixel 7より約2万円安くゲットできることを考えると、Pixel 7aは非常にコストパフォーマンスに優れたスマートフォンといえます。