元モー娘。尾形春水が「フィギュアスケート顔」に変身! アーティスト石井勲が魅せる銀盤に映えるメイク術
華麗な演技を引き立てる衣装とヘアメイクは、フィギュアスケートという競技になくてはならない舞台装置のひとつ。今回、数々のスケーターのメイクを手掛けてきたKOSÉ(コーセー)のメイクアップアーティスト・石井勲さんに「銀盤に映えるメイク術」を教わった。
メイクアップアーティストの石井勲さん(左)とタレントの尾形春水さん
フィギュアスケートメイクのモデルを務めてくれたのは、元「モーニング娘。」メンバーで、現在は4人組ガールズグループ「Youplus(ユープラス)」で活動する尾形春水(はるな)さん。中学3年までの10年間、長光歌子コーチのもとで競技に打ち込んだ元フィギュアスケーターだ。
鮮やかな青のアイシャドウを使い、尾形さんの新しい一面を引き出した。日常メイクよりも崩れにくく、氷上に映えるフィギュアスケートメイクの工程を紹介しよう。
『少林少女』のプログラムのポーズをとる小学生の頃の尾形さん 写真提供/尾形春水
●激しく動く競技ならではの工夫とは?
ベースメイクのコツは、まずはしっかり丁寧な保湿。潤いを閉じ込めるように、美容液、化粧水、乳液をなじませる。演技後にドッと出る汗による崩れを防ぐため、肌のきれいな場所はカバーしすぎないことも重要。そうすることで、キス&クライでも美しいメイクをキープすることができる。
ベースメイク
今回のキーとなる目元。鮮やかなブルーのアイシャドウを目尻から重ねていき、二重の目尻側のラインにも色をのせることで伏し目にした時にハッとするような印象に。アイホールの部分と目頭にはホワイトを乗せ、ハイライト効果による透明感と明るさを引き出す。
アイメイク
黒のリキッドアイライナーで目尻のラインを入れて青のアイライナーを重ね、目の下のキワも黒をぼかして入れる。汗水に強い「ファシオ」のマスカラは落ちにくいので、スポーツ選手はもちろん、汗をかく季節にはピッタリ!
リップはヘアスタイルによってテクスチャーを変更。ショートヘアやボブ、ハーフアップの髪型の場合、ツヤツヤのグロスを塗っていると演技中に唇に髪の毛が貼りついてしまうことも。
リップメイク
チークはニコッとした時に高くなる位置に、ブラシでふわっと色味をプラス。ハイライトは頬骨の上の高い位置にさっと入れると、ライトが当たった時に反射して表情が立体的に。
チーク&ハイライト
メイクを終えた尾形さんは、何度も鏡を見てメイクの出来映えをうれしそうに確認。
(ビフォー)フィギュアスケートメイク前
(アフター)フィギュアスケートメイク後
「スケートをやっている時は親が研究してメイクをしてくれていたので、こんなに芸術的なメイクをしてもらうのは初めてですし、ふだんしないメイクを体験できて楽しかったです。シーブルーはとても好きな色なんですけど、メイクに取り入れるのは難しいと思っていたので、その色を入れていただいてすごくうれしかったです。
自分の変わりようも驚きましたし、もし今もスケートをやっていたらこんな感じなのかなと妄想したりしていました。アイドルもスポーツも、コツコツと裏で努力することが大事なので、10年間続けたスケート経験は、私のアイドル生活を支えてくれているなと思います。またちょっとスケートをやってみたいなとも思ったりしました」(尾形さん)
スポーツをしても崩れず、音楽や衣装と調和したメイクを提案するスポーツメイクの第一人者である石井さんはこう説明する。
「彼女のイメージカラーであるシーブルーを使って昔のプログラムを大人バージョンにリメイクしてみました。尾形さんが『シーブルーをうまくメイクに取り入れられない』とお話しされていましたが、どんな人でも目尻に色を乗せるとうまく使えたりするんです。目が腫れぼったくなるからピンクは使えないなと思っている人でも、目尻だけに使ってみると似合うメイクになると思います。
スケートメイクに限らずふだんからでも、そうやってメイクに色を取り入れてみると新しい一面を引き出せるのでは。ぜひ試してみて、メイクを楽しんでいただけたらと思っています」(石井さん)
アイスショーなどでトップ選手のメイクを手掛けている石井さん
汗をかいても崩れない丁寧なベース作りと鮮やかな色使いのフィギュアスケートメイクを、これから暑くなる季節に取り入れてみるのもいいかもしれない。
【プロフィール】
石井 勲 いしい・いさお
テレビCMやポスター撮影をはじめ、国内外のイベントで講師としても活躍する「KOSÉ」のメイクアップアーティスト。フィギュアスケートやアーティスティックスイミングの選手のメイク指導や監修も務める"美しく落ちにくい"メイクのエキスパート。
尾形春水 おがた・はるな
元「モーニング娘。」で、現在は4人組ガールズグループ「Youplus」で活動中。中学3年まで10年間、フィギュアスケートを経験。東京都内のサウナ施設はほぼ把握済みというサウナ女子の一面も。透明感溢れる美肌と明るい笑顔が魅力。