新型センサー搭載の「Xperia 1 V」発表。カメラやサウンド機能の進化点をチェック
ソニーがスマートフォンの最新フラッグシップ「Xperia 1 V(エクスペリア ワン マークファイヴ)」を発表しました。日本では6月下旬以降にドコモ、au、ソフトバンクが発売予定(ソフトバンクは専用ゲーミングギアとセットで「Gaming Edition」として発売)。7月下旬以降にソニーが直販するSIMフリーモデルも発売されます。
キャリア版(と言ってもSIMロックはかかっていない)の価格は未定ですが、直販SIMフリーモデルの市場想定価格は19万5000円前後と予告されています。開発中のモデルに触れることができたので、インプレッションを交えて紹介します。
▲カラバリはブラック、プラチナシルバー、カーキグリーンの3色
▲背面パネルには細かいテクスチャー加工が施され、指が滑りにくくなっている
▲サイドフレームも滑りにくい仕様
■新型センサー搭載で暗所性能が向上した「Xperia 1 V」
Xperia 1 Vは、従来モデルと同じく縦横比が21:9の4Kディスプレイを搭載。背面に高性能なトリプルレンズカメラを備えています。新モデル最大の進化ポイントはカメラ。センサーサイズが従来比約1.7倍の新型イメージセンサーを搭載し、さらなる高感度と耐ノイズ性能を実現しています。
▲手にしたサイズ感は前モデルと同様。6.5インチの4Kディスプレイを搭載。HDR対応で、リフレッシュレートは最大120Hz
▲新開発のイメージセンサーを搭載
新開発の2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサー「Exmor T for mobile」は、フォトダイオードとトランジスタを2層に分離することで、それぞれを拡大。暗所での撮影性能を大幅に向上させたことが特徴。
ソニーによると「低照度における耐ノイズ性能とダイナミックレンジにおいて、フルサイズセンサーを搭載したデジタルカメラ並みの撮影が可能」とのこと。人の顔が見えないような暗い状況でも明るく写せて、夜景ポートレートもバランスのよい明るさで撮れるように進化しています。
▲低照度での撮影作例
▲ポートレートの画質も進化
なお、前モデルのXperia 1 IVは、12メガピクセルのトリプルカメラを搭載していましたが、Xperia 1 Vは超広角(12メガピクセル/16mm/F2.2)+広角(52メガピクセル/24mm/F1.9)+望遠(12メガピクセル/85-125mm/F2.3-2.8)と、メインの広角カメラのスペックが変わっています。新型センサー「Exmor T for mobile」が52メガピクセルで、静止画の撮影には48メガピクセルを使い、4つの画素をひとつの大きな画素として使う「ピクセルビニング」技術によって12メガピクセルで記録される仕組みになっています。
▲上から超広角、広角、望遠の順に並ぶ。前モデルにあったToFセンサーはなくなり、AIによって深度が推定されるようになった
カメラは、ほかにもさまざまな進化を遂げています。静止画でも動画でも表現したい世界観の色調で撮れる「Creative Look」を新搭載。AIによる深度推定により、遠くや端にいる被写体にピントを合わせる精度も向上。ピントが合った部分が一目瞭然となるピーキング表示にも対応しています。
▲「Creative Look」を用いた作例
▲静止画、動画ともにピーキング表示に対応
Xperia 1シリーズは、静止画を「Photography Pro」、動画を「Videography Pro」という専用アプリで撮影します。従来、これらのアプリはカメラライクな横向きのデザインになっていましたが、縦向きでも撮りやすいUIも追加されました。
▲縦撮りに適した表示に切り替わるようになった
▲本体と同色のスタンド付きカバーも発売される。撮影時は、本体を安定して持つためのグリップとして使える
▲横向きにも縦向きにも置ける
ビデオ撮影機能では、Vlog撮影時に、顔ではなくレビューする商品にピントを合わせる設定が可能に。また、全方位から均等に収音するマイクのほかに、背面のカメラ部に声優先マイクも搭載されています。
▲商品のピントを優先する機能や、ライブ配信中にチャットを閲覧できる機能などを追加
プロセッサーはSnapdragon 8 Gen 2で、メモリは12GB+256GB、16GB+512GBの2モデルが用意されます(国・事業者によって異なる)。
従来から音質に定評があるステレオスピーカーは、音圧が約10%向上し、特に低音域の表現力がアップしているとのこと。3.5mmのオーディオジャックを備え、LDAC、DSEE Ultimate、360 Reality Audioなどにも対応。
▲左右から均等に音が広がるフルステージステレオスピーカーを搭載
ゲーミングのパフォーマンスも約30%向上。プレイ中にパフォーマンスの状況を素早く確認できたり、シャッターボタンを押すだけでスクショが撮れたりと、「ゲームエンハンサー」の使い勝手にも改良が加えられています。また、専用のゲーミングギア「Xperia Steam」にも対応し、Xperia 1 Vを本格的なゲーム機さながらに使うこともできます。
▲「ゲームエンハンサー」の画面例
■ミッドレンジの「Xperia 10 V」はスピーカーが進化
ミッドレンジの最新モデル「Xperia 10 V(エクスペリア テン マークファイブ)」も発表されました。6.1インチで縦横比21:9のディスプレイを搭載するモデルで、重さはわずか159g。5000mAh以上のバッテリーを搭載する5Gスマートフォンで世界最軽量を実現しているそうです。横幅が68mmとスリムなので、片手での操作性を重視する人に適しているでしょう。
▲カラバリはラベンダー、セージグリーン、ホワイト、ブラックの4色
▲ソニーのワイヤレスイヤホン「WF-C700N」と同じカラバリで、コーディネートを楽しめる
▲片手で操作しやすいサイズ感。ディスプレイの輝度は前モデルから約1.5倍明るくなり、屋外での視認性が向上
前モデル Xperia 10 IVから最大の進化点はスピーカー。本体を横向きにした状態で前面左右にステレオスピーカーを搭載。立体的な音が前方に広がり、ヘッドホンを着けなくても臨場感のあるサウンドを楽しめるように進化。もちろん、3.5mmのオーディオジャックも備えており、LDAC、DSEE Ultimate、360 Reality Audioなどにも対応しています。
▲ディスプレイの左右にスピーカーを搭載しているので、音が前方に広がることがアドバンテージ
カメラは超広角(8メガピクセル/16mm)+広角(12メガピクセル/26mm)+望遠(8メガピクセル/54mm)という構成。広角カメラには、前モデルよりも大きい1/2.0サイズのイメージセンサーを搭載し、暗所性能が約60%向上。さらに、静止画、動画のどちらでも使える光学式手ぶれ補正機能も搭載しています。
▲背面パネルは陶器のような、サラサラとした質感。トリプルカメラは上から超広角、広角、望遠の順に並ぶ
プロセッサーは、多くのミッドレンジが採用するSnapdragon 695。メモリは6GB+128GB。5000mAhの大容量バッテリーを搭載し、動画なら最大34時間の連続再生が可能。コンパクトながらパワフルに使える端末に仕上がっています。Xperia 10 Vは7月上旬以降にドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル、UQモバイルから発売予定です。
>> Xperia
<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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