東京エレクトロン<8035.T>はこの日の取引終了後、23年3月期の連結決算発表にあわせ、24年3月期の業績予想を開示した。最終利益は前期比36.4%減の3000億円を見込む。同時に、取得総数1000万株(自己株式を除く発行済み株式総数の2.1%)、取得総額1200億円を上限とする自社株買いの実施を発表した。

 今期の売上高は同23.0%減の1兆7000億円を見込む。半導体メーカーの設備投資は先送りや抑制の傾向にあると指摘。一方で、今後の成長を見据えて、同社として過去最大となる約2000億円の研究開発投資を予定する。

 年間配当は320円を予定する。同社は4月1日付で1対3の株式分割を実施した。株式分割を考慮しないベースでは960円となる。また、前期の期末配当は従来の予想の731円から854円(いずれも創立60周年の記念配当200円を含む)に増額修正した。前期の年間配当は記念配当を含め1711円となる。自社株の取得期間は6月1日から12月31日までとする。

 23年3月期の売上高は前の期比10.2%増の2兆2090億2500万円、最終利益が同7.9%増の4715億8400万円だった。ロジック・ファウンドリー向け半導体に対して最先端から成熟世代まで広い範囲で投資が行われたことが追い風となった。メモリー向けは在庫調整に伴う投資の見直しがあったものの、年度を通じてみると高水準で推移し、半導体製造装置の市場が過去最大規模になったことが業績を押し上げた。

出所:MINKABU PRESS