10日の東京株式市場は売り買い交錯のなか方向感が定まりにくい地合いとなり、日経平均株価は前日終値近辺でのもみ合いが予想される。前日の欧州株市場では、独DAX指数がわずかにプラス圏を維持したほかは総じて軟調な値動きとなった。また、米国株市場でもハイテク株を中心に買い手控えムードが強く、NYダウ、ナスダック総合株価指数ともに冴えない値動きとなった。翌日に発表される4月の米消費者物価指数(CPI)の結果を見極めたいとの思惑や、米債務上限問題を巡る与野党対立を嫌気した売りに押されている。米地銀株の一角が再び大きく売り込まれる展開となったことも、投資家心理を冷やす格好となった。東京市場では、ゴールデンウィーク明けとなった今週初めに日経平均は下落したものの、前日はすかさず切り返し約1年4カ月ぶりの高値をつけた。海外投資家の買いなどが観測されるなか上値指向が強いが、きょうは米CPI発表を控えポジション調整の売りが上値を押さえそうだ。一方、下値では押し目買い需要が旺盛で日経平均は底堅さを発揮する公算が大きく、2万9000円近辺の狭いレンジでのもみ合いが想定される。個別株については、決算発表に絡んだ短期筋の売買が引き続き活発となりそうだ。

 9日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比56ドル88セント安の3万3561ドル81セントと続落。ナスダック総合株価指数は同77.365ポイント安の1万2179.553だった。

 日程面では、きょうは4月上中旬の貿易統計、消費活動指数、3月の景気動向指数(速報値)など。海外では、ポーランド中銀の政策金利発表、4月の米消費者物価指数(CPI)、米10年国債の入札など。

出所:MINKABU PRESS