現地時間の2023年5月10日に開催予定となっているGoogleの開発者向けイベント「Google I/O 2023」で、Googleが最新の大規模言語モデル「PaLM 2」や会話型AI「Bard」の拡張など、AI分野のさまざまな最新情報を発表する予定だとニュース専門放送局のCNBCが報じました。

Google IO to feature AI updates, showing off PaLM 2 LLM

https://www.cnbc.com/2023/05/08/google-io-to-feature-ai-updates-showing-off-palm-2-llm.html



Googleは2023年3月に大規模言語モデル「PaLM(Pathways Language Model)」のAPIを提供開始したほか、カメラで捉えた映像とテキストによる指示を理解できる新しい言語モデル「PaLM-E」を発表し、対話型AIの「Bard」を一般公開しました。また、4月にはPaLMを医療分野向けにチューニングした「Med-PaLM」のアップデート版である「Med-PaLM 2」を開発するなど、AI分野での存在感をますます強めています。

CNBCが閲覧した内部文書によると、Googleは5月10日に開催予定のGoogle I/O 2023において、最新かつ高度な大規模言語モデルである「PaLM 2」を発表する予定だそうです。PaLM 2には100以上の言語が含まれており、内部コードネームは「Unified Language Model(統一言語モデル)」とされているとのこと。GoogleはPaLM 2で幅広いコーディングや数学、クリエイティブライティングのテストなどを行っていると報じられています。



GoogleはBardの強化も進めており、Bardをコーディングや数学、論理学などで利用可能にすることや、日本語や韓国語への拡張にも取り組んでいるとのこと。CNBCが閲覧した別の文書によると、Googleはより大きなデータセットを使用して、複雑な数学およびコーディングプログラムを解決できる「Multi-Bard」というマルチモーダルなバージョンの開発も行っている模様。

また、GoogleはGoogle スプレッドシートにおけるテンプレートの生成や、Google スライドおよびGoogle Meetにおける画像生成など、生産性向上ツールのGoogle WorkspaceとAIのコラボレーションも拡張する予定です。CNBCが閲覧した1つの画像には、ユーザーが入力した単語に基づいて画像を生成できるチャットボックスを備えたスライドサイドバーが表示されていました。その他のAI関連アップデートには、カメラで捉えた対象を画像認識して調べることができる「Google レンズ」のユースケースも含まれているそうです。

イベントでの発表は、「AIがいかに人々の潜在能力を最大限に引き出すか」をテーマに行われるとみられており、Googleのスンダー・ピチャイCEOは自社AIの進化を売り込みつつ講演する予定だとのこと。



なお、AI分野以外で発表が予定されているトピックとして、CNBCは折り畳み式スマートフォンの「Pixel Fold」を挙げています。5月4日にはPixel Foldの外観デザインが明かされており、期待が高まっています。