楽天モバイルがプラチナバンド早期獲得を希望表明!総務省が調査結果を公表

総務省は19日、移動通信システムの周波数利用に関するニーズを把握するために2023年年3月15日(水)から3月31日(金)までの間に実施した調査の結果を公表したとお知らせしています。調査には移動体通信事業者(MNO)のNTTドコモおよびKDDI・沖縄セルラー電話、ソフトバンク、楽天モバイル、阪神電気鉄道、A社の合計6者が回答を提出。

この中で楽天モバイルは現在、総務省にて割当を検討している700MHz帯(Band 28)における3MHz幅の「狭帯域LTE-Advanced」について2023年9月までの早期割当を希望する旨を表明しています。これにより、いわゆる「プラチナバンド」と呼ばれる低周波数帯である700MHz帯を利用して「安定的かつ高品質なサービスを提供していきたい」とコメントしています。なお、他のMNOは条件次第で検討すると回答しています。

一方、総務省ではすでに紹介しているようにこの狭帯域LTE-Advancedについて情報の電磁的流通および電波の利用に関する政策について重要事項を調査審議する「情報通信審議会」における「情報通信技術分科会」の「新世代モバイル通信システム委員会」において割当の検討を開始しており、同委員会の技術検討作業班の元に「700MHz帯等移動通信システムアドホックグループ」を設置して技術的条件を検討してきました。

このアドホックグループにおいて4月18日(火)に第5回会合が開かれて委員会報告(案)がまとめられ、さらに4月24日(月)には技術検討作業班でも第30回会合にてこの委員会報告(案)が確認され、その後、同委員会にて第25回会合が4月28日(金)に開催されて技術検討作業班の検討結果が取りまとめられました。

今後、この委員会報告(案)を受けて意見募集を行い、問題がなければ、総務省では一部答申を踏まえて規定の整備を速やかに行うことになります。なお、寺田 稔総務大臣は18日、閣議後記者会見における質疑応答にて「総務省としては本年秋頃の割当てを目指して〜手続きを進めてまいります。」とコメントしています。


楽天モバイルでは移動体通信事業者(MNO)として自社回線(以下、楽天回線)を構築して提供する携帯電話サービス「Rakuten UN-LIMIT」( https://network.mobile.rakuten.co.jp/ )を2020年4月より提供しており、これまで総務省では4G用として1.7GHz帯(Band 3)の20MHz幅×2、5G用のSub6として3.7GHz帯(n77)の100MHz幅および東名阪以外の地域における1.7GHz帯(n3)の20MHz幅×2、ミリ波(mmWave)として28GHz帯(n257)の400MHz幅を楽天モバイルに割り当ててきました。なお、当面は東名阪以外の地域における1.7GHz帯は4Gとしても利用可能としています。

この割り当てられた周波数帯を用いて楽天モバイルでは4Gの1.7GHz帯にてエリア展開を進めており、総務省に提出した基地局開設計画を4年以上前倒しして昨年2月には日本全国の人口カバー率96%を達成するなど、急速にエリア拡大を行ってきましたが、一方でやはりプラチナバンドと呼ばれる低周波数帯がないため、エリア内であっても屋内や建物の裏側などでは利用できないといった状況となっているため、楽天モバイルではプラチナバンドの割当を強く要望しています。




そうした中で昨年12月に新たにNTTドコモが移動通信システムの仕様の検討・作成を行う標準化プロジェクトである「3GPP」においてBand 28(700MHz)に内包されているものの、すでにNTTドコモやKDDI・沖縄セルラー電話、ソフトバンクに割り当てられているBand 28(700MHz)と隣接システム(特定ラジオマイク、地上デジタルテレビ放送、 ITS)との間に未利用の周波数が存在しており、この周波数を割り当てることを検討するよう提案しました。

未利用の700MHz帯は715〜718MHzと770〜773MHzの3MHz幅×2とかなり狭い周波数幅なっているものの、海外では3MHz幅×2による導入事例もあり、かつ、NTTドコモでは3MHz幅×2でも約1100万契約の収容が可能だとし、現在の楽天モバイルの契約数であれば1.4MHz幅×2(約510万契約収納可能)でも十分ですが、今後、契約数が倍増したとしても当面は3MHz幅×2でも十分なのではないかというように主張し、これを受けて総務省では割当の技術的条件の検討を行ってきました。




今回、総務省が実施した移動通信システムの周波数利用に関する調査に対して楽天モバイルではこの700MHz帯の狭帯域を今年9月までの早期割当を希望することを表明し、プラチナバンドが割り当てられた場合には同社のネットワーク技術および既存の当社基地局サイトを活用して柔軟かつコストを抑えた効率的な基地局設置を行い、安定的かつ高品質なサービスを提供していきたいとコメントしました。

記事執筆:memn0ck


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・総務省|報道資料|移動通信システムの周波数利用に関する調査の結果の公表
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