25日の債券市場で、先物中心限月6月限は小幅ながら4営業日ぶりに反落。27~28日に開かれる日銀金融政策決定会合を控え、模様眺めムードが広がりやすく弱含みの展開となった。

 債券先物は小高く始まり、その後はジリジリと軟化した。前日の米長期債相場は同日に発表された米経済指標の悪化を背景に反発(金利は低下)したが、欧州債の利回りは欧州中央銀行(ECB)高官のタカ派発言を受けて上昇しており、海外市場の動向は手掛かりにならず。また、この日は財務省の国債入札や日銀による定例の国債買い入れオペがなく、需給面での材料にも乏しかった。こうしたなか、前日までの上昇に対する反動から利益確定売りに押され、一時147円63銭まで軟化した。売り一巡後は下げ渋る動きとなったが、市場では日銀の植田和男新総裁が初めて臨む会合を見極めたいとする向きが多く戻りは限定的。なお、植田総裁は衆院財務金融委員会で、賃金上昇を伴うかたちで物価安定目標が持続的・安定的に実現するよう金融政策を運営するとしたうえで、「仮に賃金や物価が想定以上に上昇し、金融引き締めが必要となる場合には、金利の引き上げなどによって適切に対処していく」との考えを示したが、相場の反応は限定的だった。

 先物6月限の終値は前日比3銭安の147円74銭となった。一方、現物債市場で10年債の利回りは、前日比0.010%上昇の0.475%で推移している。

出所:MINKABU PRESS