都営地下鉄の駅構内・車内の公衆無線LANサービス「Toei_Subway_Free_Wi-Fi」と「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」が終了!TOKYO FREE Wi-Fiが開始
KDDIとWi2がOpenRoamingに対応したフリーWi-Fi構築用プラットフォームを開発!まずは東京都が採用 |
KDDIおよびワイヤ・アンド・ワイヤレス(以下、Wi2)は29日、Wireless Broadband Alliance (WBA)が推進する国際的な無線LANローミング基盤「OpenRoaming」に対応した無料の公衆無線LANサービス(以下、フリーWi-Fi)を構築するための構築するためのプラットフォームを開発して2023年4月1日(土)から自治体などへ提供開始すると発表しています。
一方、東京都交通局は24日、これまで「都営地下鉄」の駅構内および車内で提供している訪日外国人など向けフリーWi-Fiサービスについて通信事業者の公衆無線LANサービスの終了および提供事業者との契約満了に伴って4月1日からサービス内容などを変更することになったとお知らせしています。
これにより、都営地下鉄の駅構内および車内で提供してきたフリーWi-Fiサービス「Toei_Subway_Free_Wi-Fi」(構築会社:NTT BP)および「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」(構築会社:Wi2)を3月31日で終了すると案内しています。なお、NTT BPが提供するスマートフォン(スマホ)など向けアプリ「Japan Wi-Fi auto-connect」や「Japan Connected-free Wi-Fi」によるToei_Subway_Free_Wi-Fiへの接続も終了となるほか、Wi2が提供する「Wi2 300」も終了となるということです。
なお、KDDIおよびWi2ではこのプラットフォームの提供を通じて災害に備えた地域の通信手段確保、国内外から訪れる旅行者への情報提供、デジタルデバイド解消といった日本国内各地における地域課題解決を支援していくほか、光回線や5G、衛星をはじめとするKDDIグループの多様なアクセス回線との組み合わせによってサステナブルな地域ネットワークを実現していくとしています。
KDDIおよびWi2では今後海外との出入国増加が想定される中で旅行者が簡単に通信環境を確保する手段としてフリーWi-Fiが求められている一方、従来のフリーWi-Fiは利用者が使うスマホなどの製品とアクセスポイント(AP)の間が暗号化されていないことが多く、なりすましのAPへの接続の抑制が困難などといったセキュリティー上の課題があると指摘しています。
これに対して新たに開発したプラットフォームではフリーWi-Fiの提供エリアに掲示されたQRコードやスマホなど向けアプリなどから1度登録するだけで、OpenRoamingに対応している国内外のフリーWi-Fiへ安全に自動接続することが可能となるとのこと。これにより、Wi-Fiスポットでの登録が不要となるほか、なりすましのAPで個人情報を盗まれるなどのリスクを軽減するとしています。
そうしたことからこれまでに2023年3月5日に開催された東京マラソン2023の事前受付カウンター、スタート地点のゲート付近にてこのプラットフォームを活用したOpenRoamingによるWi-Fiの試験運用を実施したほか、一部のスポットでは回線混雑時の安定的なWi-Fi提供に向けて衛星通信サービス「Starlink」や携帯電話サービス「au」による5G SAによるネットワークスライシングを活用する実証を行い、混雑した環境下において無線通信の容量確保が可能になることを確認してきました。
さらに2023年3月1日から2023年3月14日まで新宿中央公園の「眺望のもり」に設置された屋外テントのワークスペース内で試験運用を実施し、その結果、利用した人からは「自宅や勤務先のように簡単・安全にWi-Fiに繋がるため、便利で安心できる」という声があったとのこと。こうしたことからKDDIおよびWi2、東京都では新たにこのOpenRoamingに対応したプラットフォームを用いたフリーWi-FiサービスとしてTOKYO FREE Wi-Fiを提供することにしたということです。
<TOKYO FREE Wi-Fiの提供スポット(順次拡大予定)>
・都庁第二本庁舎3階
・東京観光情報センター(バスタ新宿)
・新宿都税事務所(本館4F、本館6F)
・東京都立大久保病院(3F外来待合エリア)※
・西新宿スマートポール(一部除く)
※実証実験中
https://wi-fi.metro.tokyo.lg.jp/list/
<プラットフォームの特長>
(1)安全で高速なフリーWi-Fiの実現
APの正当性を電子証明書で検証する仕組みを備え、偽物が設置された場合も利用者が接続してしまうのを未然に防ぐことができます。合わせて無線通信区間を利用者毎に異なるキーで暗号化して盗聴を防ぎます。また2022年9月より国内で運用可能となった6GHz帯(Wi-Fi 6E)に対応して最大2.4Gbpsの通信速度を実現するなど、より快適なWi-Fi環境の実現に向けた取り組みを行います。
(2)多様なOS・言語のサポート
主要なOS(iOS、Android、Windows、macOS)に対応しており、分かりやすいガイダンスを備えた初期設定システムを提供します。また日本語に加えて英語や中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、韓国語の各言語による利用登録手順を提供します。さらに電話・メールによるサポート窓口(日本語、英語対応)を開設し、新しい技術を用いた安全なWi-Fiサービスを簡単に利用でき、この初期設定システムは自治体のアプリや公式SNSアカウントなどとの連携に対応して各種媒体にWi-Fi接続機能を統合することが可能となっています。
(3)外部サービス連携の拡大
OpenRoamingに対応したさまざまな外部サービスからも接続することが可能です。一部のスマホでは標準で接続機能を搭載するほか、OpenRoaming対応アプリなどからも利用することが可能になります。また教育・研究機関向けの認証基盤である「eduroam」にも対応し、国内で約300の参加機関に所属する学生・教職員が利用している認証情報でも接続することができます。これらのサービスを含むAPへの接続は自動的に集積・データ化される仕組みを備え、設置場所毎の利用状況の可視化・需要分析に対応します。
(4)自治体サービスとの連携
自治体が提供する防災アプリなどの各種サービスと連携することによって新たな専用アプリをインストールすることなくフリーWi-Fiが利用可能です。また災害時や観光の際にも簡単にWi-Fiへ接続でき、非常時にも通信手段の確保が可能となります。従来のフリーWi-Fi同様に地域ブランドなど独自名称にカスタマイズして展開可能です。
この緑色のステッカーがある場所ではセキュリティーを強化したより安全なTOKYO FREE Wi-Fiが無料かつ回数制限なしで利用できます
記事執筆:memn0ck
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