「埋没法」は何回まで可能? 美容外科医が二重手術の施術回数とリスクを解説
自然に仕上がる二重手術として人気が高い「埋没法」。しかし、日が経つにつれて元に戻ってしまうこともありますし、もっと二重の幅を広くしたいなどの理由から、手術を繰り返し受ける人も少なくありません。一体、埋没法は何回まで受けることができるのでしょうか。繰り返すことのリスクも気になります。今回は、「ALMOND CLINIC」の梅木先生に解説していただきました。
二重手術の「埋没法」とは? 「切開法」と比較した整形方法の違い
編集部
まず、二重手術の埋没法について教えてください。
梅木先生
簡単に言えば、埋没法は、まぶたの皮膚を糸でとめることによって二重を作り出す方法のことです。具体的には、上まぶたの内側に医療用の特殊な糸を通し、2~3カ所固定して理想の二重を作っていきます。
編集部
埋没法のほかにも、二重を作る方法はあるのですか?
梅木先生
「切開法」という術式もあります。埋没法は皮膚を切開せずに、糸で縫いとめて二重を作る一方で、切開法は直接まぶたを切開して二重のラインを作ります。
編集部
それぞれ、どのようなメリットがあるのですか?
梅木先生
埋没法は皮膚を切開しないので、腫れなどのダウンタイムが短いのが特徴です。また、縫いとめている糸を取れば二重のラインを作り直したり、手術前の状態に戻したりすることが可能です。その一方、糸が切れてしまうなどの後戻りのリスクもあります。
編集部
切開法には、どのようなメリットがあるのですか?
梅木先生
切開法は皮膚を直接切って二重のラインを作るので後戻りの心配がなく、くっきりとした二重を作ることが可能です。反対に、皮膚を切開するため、万が一仕上がりに満足できなくても元に戻すことが難しいことに加え、ダウンタイムが長いというデメリットもあります。
埋没法は何回でもできる? 二重手術のやり直しに限度はない?
編集部
埋没法はやり直すことができるということですが、何度でもやり直しができるのですか? 限度はありますか?
梅木先生
理論的には、何回でもやり直しが可能です。しかし現実的には、埋没法を何度もやり直すことでいくつかのリスクが生じますから、「3~4回が限界」と言われています。もちろん、まぶたの状態にもよるので、医師と相談して治療方針を決めましょう。
編集部
具体的には、どのようなリスクがあるのでしょうか?
梅木先生
手術に用いる糸に対してアレルギー反応や感染が起きる可能性が考えられます。一般的に埋没法は、まぶたの内部に糸が残ったままです。そのため、何度も埋没法を繰り返すとまぶたの中に残存する糸の量が増えていき、アレルギー反応や感染を起こすリスクが高まります。
編集部
ほかにもリスクはありますか?
梅木先生
まぶたに対する負担が大きくなるというリスクもあります。切開法と比べて埋没法は負担の少ない方法ですが、何回も繰り返せばまぶたの状態は徐々に悪くなり、理想の二重を作ることが難しくなってしまいます。また、まぶたに糸がたまっていくことで、ゴロゴロしたような異物感を覚えるかもしれません。
編集部
様々なリスクがあるのですね。
梅木先生
そうですね。埋没法をやり直すケースとして、「以前におこなった手術の糸が切れてしまい、後戻りしてしまった」ということが多いと思います。2~3回糸が切れてしまった場合は、この先も同じことを繰り返す可能性が高いのです。その場合は埋没法ではなく、切開法をおすすめすることもあります。
埋没法を繰り返すことによるリスクや解決策を二重専門の美容外科医が解説
編集部
埋没法はどれくらいの期間、長持ちするのですか?
梅木先生
効果の持続時間には個人差があるので、一概には言えません。例えば、もともとまぶたに厚みのある人は戻りやすい傾向がありますし、アトピーやアレルギーが原因でよく目をこする人も取れやすくなります。反対に、ずっと効果が継続する人もいらっしゃいます。
編集部
できるだけ効果を長持ちさせるには、どのようなことに気をつけたらいいでしょうか?
梅木先生
すぐに手術に入ろうとするのではなく、カウンセリングを丁寧にしてくれるクリニックを選ぶことが重要です。セカンドオピニオンも参考にしながら、信頼できるクリニックを選択していきましょう。
編集部
ほかに、気をつけることはありますか?
梅木先生
同じ埋没法でも、術式の違いによってラインが取れにくかったり、くっきりした二重を作れたりと、様々なバリエーションがあります。「一度取れてしまったけれど、もう一度埋没法を試したい」という場合や「もっとくっきりした二重にやり直したい」という場合には、それぞれに適した術式を選ぶことも大切です。こうした要望も事前にきちんと医師に伝え、的確に提案してくれるところを選びましょう。
編集部
日常生活では、どのようなことに気をつければいいでしょうか?
梅木先生
「目をこする癖がある人」は、二重が取れやすくなります。また、「うつ伏せの姿勢で寝る人」も、二重が取れやすくなりますから、仰向けか横向きで寝ることをおすすめします。加えて、「目元のマッサージを頻繁におこなう人」も二重が取れやすくなります。二重手術をおこなった部分はデリケートなので、できるだけ触らないようにしましょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
梅木先生
二重といっても実際には様々な形があるので、まずはご自身が目指す理想の二重を明らかにすることが大切です。女優やモデルの目などの具体的な理想像があると、クリニックでのカウンセリングがスムーズになります。当院では、二重のパターンを20種類ほど用意しており、患者さんの手術後の様子を詳細にシミュレーションしています。医師と患者さんの間で目指すべき二重をすり合わせることができているので、手術後の失敗リスクを軽減しています。まぶたに厚みがあったり、目を開ける力が弱かったりした場合、理想の二重ラインが作れないこともありますが、事前のカウンセリングを入念におこなうことで、術前にリスクをはっきりさせることができます。二重手術で満足のいく結果を得るためには、手術前に理想をすり合わせることが重要なので、ぜひ納得できるクリニックを探してほしいと思います。
編集部まとめ
最近では、低価格で気軽に受けられるようになった「埋没法」。若年層でも受けられるようになった一方、術後のトラブルが増えていることも事実です。何度も手術をやり直すことにならないよう、必ず信頼できる医療機関を選びましょう。
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