【分子調理】科学のレシピ「肉汁洪水焼き餃子」に挑戦!水の量は肉の半分も⁉1度に焼く数も限定⁉
YouTubeで分子調理学に基づいたという餃子レシピを発見。分子調理学とは、食材や調理のプロセスを分子レベルで捉え、おいしさを追求する調理法なのだとか。動画投稿者のこじまぽん助さんは分子調理学研究家。ミシュランシェフに習ったレシピをベースに、肉汁あふれる餃子の作り方を公開していました。餡にたっぷりの水を含ませると、じゅわ~♪と仕上がるそうですよ。こだわりに焼き餃子に挑戦です!
「肉汁洪水焼き餃子」をおいしく作る3つのポイント
分子調理学とは、食材と調理法を科学の視点で分析し、新しくおいしいレシピを考え出す技術。分子調理学研究家であるこじまぽん助さんは、その技術を家庭料理に生かす方法をYouTubeなどで紹介しているんですよ。
今回、ぽん助さんがお話ししていた、分子調理学に基づく餃子作りのポイントは3つ。
その① 塩の量をきちんと計る
豚ひき肉の重さに対して塩の量は1%が鉄則。人間がおいしいと感じる塩分量は1%前後だそうです。きちんと計量することで味がばっちりと決まるんですって。
その② 餡に水をたっぷりと含ませる
肉に塩を混ぜるとたんぱく質の一部が分解され、網目状の構造になるとか。すると、その網の間のところに水分を含ませることが出来るように。その水を含んだ餡を包めば、肉汁がじゅわ~と出る「肉汁洪水焼き餃子」に仕上がるというわけ。まさに分子調理学に基づいたレシピですね!
その③ フライパン内の温度管理はしっかり!強火で4分焼く
こちらのレシピでは、フライパンの大きさによって焼く数が決まっています。つい、フライパンいっぱいに餃子を円形に並べたくなりますが、焼き時間4分を守るために我慢!たくさん並べてしまうとフライパン内の温度が上がりにくくなり、焼き時間の目安がつきづらくなります。そうして4分以上焼くと餡に含ませた水分がどんどん出て、肉汁感がなくなってしまうんですって。さらに、蒸す時に水を注ぐと一気に温度が下がるので生焼けになる可能性が。必ず熱湯を注ぐことも大切だそうです。
この3点に気をつけながら、こだわり満載の「肉汁洪水焼き餃子」にチャレンジです!
水を餡に混ぜ込むのがポイント!「肉汁洪水焼き餃子」を作ってみた!
「ポイントその③」でも触れましたが、フライパンの大きさによって1回で焼ける餃子の数には目安があります。24cmの場合は10個まで、26cmの場合は12個まで、28cmの場合は14個までです。
筆者は24cmのフライパンを使うので1回で10個を焼くことにしました。
【材料】(20個分)
餃子の皮(大判タイプ)…20枚
豚ひき肉…200g
しょうが…5g
長ねぎ…1/3本
ニラ…1/2束
塩…2g
しょうゆ…小さじ2
こしょう…適量
水…約100ml
ゴマ油…大さじ1
サラダ油…鍋底の底面積の半量程度
熱湯…鍋底から5mm程度になる量
ゴマ油…約大さじ2 ※仕上げ用
豚ひき肉の部位や脂の量などによって、含められる限界水分量が違うため、水は約100mlとなっています。
1. しょうがと長ねぎはみじん切りに、ニラは約5mm幅に切ります。
みじん切りにすると香りが一気に広がります!
2. ボウルに豚ひき肉、長ねぎ、しょうが、塩、しょうゆ、こしょうを入れて手で軽く混ぜます。
豚ひき肉の脂が手の熱で溶けださないように手早く混ぜるのがポイント。こねるではなく、軽く混ぜる感覚でいいそうです。
筆者はいつものくせで、この段階でニラを入れてしまいました!元のレシピでは、4の工程で入れることになっています。皆さんはお間違えのないようにしてくださいね。
3. 餡に水を4回程度に分けて加え、その都度混ぜます。
1回に入れる水の量は写真くらいになります。餡を混ぜながら水を含めていきましょう。
1回目、2回目の混ぜでは餡にそれほど変化はありませんでしたが、3回目の混ぜで急に餡がやわらかくなりました。
こちらが水100mlをすべて含んだ餡です。水を含める前の状態と比べると、質感が全然違います。指で押すとムニュッとしていて、かなりやわらかい状態。やわらか過ぎた?と思うくらいが目安だそうですよ。
4. 餡にニラとゴマ油を加えて、サッと混ぜます。
香りを出来るだけ残すため、ニラとゴマ油は最後に加えるそうです。筆者は間違えて2でニラを加えていたため、ゴマ油だけ最後に加えました。
5. 皮で餡を包みます。
ひだの数に決まりはなく、包みやすいように作ってくださいね。餡がとてもやわらかく、ひだを折る時に餡がムニュムニュと動くので、成形がとても難しいです!
餡の量を控えめにしないと、最後のひだを折る時にムニュッと出てきてしまい、苦戦しました。
6. サラダ油を鍋底の面積の半分程度入れてから強火にかけ、餃子を縦に並べます。餃子の底が少し浸かる程度の熱湯を入れ、フタをして4分焼きましょう。
今回は1度に10個を焼きます。強火のフライパンに餃子を並べたら熱湯をすぐに注ぎました。
フタをして4分焼きます。
7. 4分経ったらフタを取り、ゴマ油をかけて焼き色が付くまで焼きます。
水分が残っていたのでゴマ油を入れて底面を焼いてもなかなか焼き色が付きませんでした。最後はキッチンペーパーで少し水分を取り除いて仕上げました。
水分が残っていても、底面に焼き色が付いていたら火を止めてくださいね。
残念!今回は中から洪水肉汁ならず。でも皮はみずみずしく小籠包のよう♪
完成しました。強火で蒸したので皮がてろんとやわらかく、破けそうなほど繊細!お皿に移すのに神経を使うほど「洪水肉汁焼き餃子」はデリケートです。
ご覧の通りツヤがあり、見た目は小籠包の皮のようです。
底面はこんな感じ。水分が残っている状態でゴマ油を注いで焼いたのでちょっと焼き色が足りませんでした。
半分に切ってみると…残念!想像していたような肉汁じゅわ~の焼き上がりにはなりませんでした。
でも食べてみると、いつもの餡よりもジューシーに仕上がっていて、皮もぷるんとしていましたよ!そして塩分が効いているのでタレが必要ないほど、しっかりとした豚肉の味を感じました。
「肉汁洪水焼き餃子」は餡に水を含ませるところまでは簡単でしたが、餡がとてもやわらかいので成形が難しかったです。そのため餡を控えめにしたからか、レシピ通りに強火で4分焼いても肉汁を溢れさせることは出来ませんでした。
今回のレシピは、餃子レシピの中でも上級者向けかな…というような印象。上手に焼けたら肉汁じゅわ~の感動を味わえるかもしれませんよ。気になる方はぜひトライしてみてくださいね!