KDDI、衛星通信サービス「Starlink」をバックホール回線に利用する災害時など向け携帯電話用車載・可搬基地局を今春以降に全国に順次導入
KDDIがStarlinkを活用した車載・可搬型基地局を導入! |
KDDIおよびKDDIエンジニアリングは2日、衛星ブロードバンドサービス「Starlink」をバックホール回線として利用する携帯電話サービス「au」など向け車載型基地局と可搬型基地局を2023年春以降より全国に順次導入すると発表しています。
これにより、地震や台風などによる自然災害が発生した際に通信の圏外地域に対して本基地局を展開することで迅速に通信を復旧し、災害時においてもau回線における高速・低遅延な通信の提供をめざすほか、利用者や復旧作業に携わる人への安心・安全な環境作りを実現していくとしています。
Starlinkをバックホール回線として利用した車載型基地局(左)と可搬型基地局(右)
KDDIは2021年9月から日本国内にてStarlinkとau回線の音声通話やデータ通信のサービス品質を確保するためのau回線用基地局のバックホール回線として利用するための契約合意を行い、実際に昨年12月よりau回線用基地局のバックホール回線として運用開始しており、Starlinkをバックホールとして利用したau回線用基地局を全国約1200カ所に順次拡大しています。
そうした中で近年、自然災害の激甚化・長期化が増加しており、災害発生時の情報取得・情報発信には従来のニュースサイトなどだけでなくソーシャルメディア(SNS)を通じた動画も重要となっているため、被災地域におけるデータ通信の高速化・低遅延化が求められていることもあり、このような環境変化に対応するためにStarlinkをはじめとした新たな技術の活用や設備の増強を通じて被災地域などでも高速・低遅延なau通信の提供をめざすということです。
基地局の衛星通信機材
従来の可搬型基地局の衛星通信機材
新たに導入される車載・可搬型基地局はStarlinkの特長である低軌道衛星との通信によって従来の静止軌道衛星を利用した基地局と比較して高速・低遅延なau通信の提供が可能となるため、災害情報の収集・発信などでSNSや動画を活用できるようになるとのこと。
またこれらの基地局で使用する衛星通信機材は従来の車載型基地局・可搬型基地局で使用する衛星通信機材と比較して約5分の2の大きさ、約7分の1の重さとなっており、持ち運びや設置が容易となるため、エリア復旧時間の短縮につながり、さらに災害現場への運搬に必要な人員の稼働も低減するということです。なお、これらの基地局は2023年3月2日に神奈川県横浜市で実施した「2023 KDDI災害対策訓練」で公開したとしています。
記事執筆:memn0ck
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