【海外発!Breaking News】移植手術後、娘が腎臓提供者と知った父「まさか!」と感涙(米)<動画あり>
週3日、長くて5時間に及ぶ人工透析が必要だった男性(60)が先月16日、待ちに待った腎臓移植手術を受けた。ドナーは匿名だったが、男性は手術後初めて、それが娘(25)であることを知り涙した。娘から父への“命の贈り物”のニュースを、米ネットメディア『Good Morning America』などが動画とともに伝えた。
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米ミズーリ州カークウッドに住むジョン・イヴァノフスキーさん(John Ivanowski)は今から2年前、難病の「IgA腎症」と診断された。これは腎臓の糸球体(尿を濾過する組織)が炎症を起こし、血尿とタンパク尿が生じる慢性糸球体腎炎の一つで、進行すると人工透析や腎移植が必要となる。
ジョンさんは1年以上前、医師に「2日後に死んでもおかしくないほど深刻な状態」と宣告され、週3日、1回4〜5時間の人工透析を受けるようになった。
ジョンさんの娘ディレインさん(Delayne)は、当時のことをこのように回顧する。
「頑固で常に活動的だった父が機械につながれ、人工透析を受けている姿を見てこう思ったの。『あれは充実した人生とは言えない。たとえそれが誰であっても、あんな生き方をするべきではない』とね。それで父に『今すぐ、私の腎臓を移植すればいいのよ!』と言ったけど、大反対されたわ。」
実はジョンさんは16年ほど前、息子を神経の細胞にできるがん「神経芽腫」で亡くしていた。そして唯一残された娘のことを心配し、「自分の時間は限られている。でもディレインは若く、先も長い。娘に何かあったらどうしていいか分からない」と語っていたという。
ところが看護師であるディレインさんは「もし自分が腎臓を提供しなければ、父はこの先何年もドナーを待ち続けることになる」ということをよく分かっていた。
そして「父が透析から解放されて良い人生を送れるなら、怒りを買っても構わない。父に家を追い出され、嫌われ、一生話ができなくてもそれでいい」とドナーになることを決断。同居する父に知られないよう、ソーシャルワーカーや医療関係者と何度も連絡を取った。そして数か月をかけた検査の結果、腎臓が適合することが判明した。
こうして昨年8月、仕事中だったジョンさんは、移植チームから「匿名のドナーが見つかった」との連絡を受けて驚愕した。
「多くの人が5年、6年、7年、8年と人工透析を受けながら、待機リストに名を連ねているのに…。『まさか!』と信じられず、携帯を落としそうになった」と当時を振り返るジョンさん。手術は当初、昨年11月に予定されていたが、ジョンさんが踵骨などを骨折したことで延期され、先月16日、「バーンズ・ジューイッシュ病院(Barnes-Jewish Hospital)」の移植センターにて実施された。
ワシントン大学および同センターの腎臓・膵臓移植の外科部長であるジェイソン・ウェレン医師(Dr. Jason Wellen)によると、2人の手術室は隣同士で、ジョンさんがディレインさんの存在に気付かないよう細心の注意が払われたという。
そうして手術翌日のこと、ジョンさんは娘が病院のガウンを着用し、点滴をしながら自分の病室に入ってくるのを見て初めて、“匿名のドナー”が誰だったのかを悟ったのだった。
当時の様子はカメラが捉えており、ジョンさんは娘を見るや否や「オーマイガー、嘘だろう!」と言って泣き出してしまう。ディレインさんは、そんな父のそばまでゆっくりと進むと、肩を撫で優しく「大丈夫よ」と声を掛けている。
ジョンさんはその時のことを「動揺し、ショックだった」と明かしており、その後「何か企んでいたのは分かっていたんだ」とボソリと呟き、ディレインさんに「私はいつも何かを企んでいるのよ」と笑顔で返されていた。
なおディレインさんは数日後、TikTokにこの時の動画を投稿、「8か月間秘密にした後、私が匿名の腎臓のドナーであると知った父を見てちょうだい! ティッシュを忘れないでね」と言葉を添えた。また「もし6000人が送金アプリ『ベンモ(Venmo)』で1ドル(約135円)を送ってくれたら、父の腎臓移植の費用がカバーできるの」とキャプションを入れ、寄付を募った。
この動画の再生回数は約10日間で450万回を超えており、ディレインさんが先月24日に立ち上げたクラウドファンディングサイト「GoFundMe」の専用ページには、目標額5000ドル(約68万円)に対し、日本時間3月2日の時点で13335ドル(約182万円)を超える寄付金が集まっている。
2人は手術から3日後には退院、手術後のジョンさんは拒絶反応抑制剤を一生飲み続けなければならないものの、人工透析の必要はなくなった。ジョンさんは「今は娘の無償の愛に感謝している」と述べ、胸のうちをこう吐露した。
「何一つ変えるつもりはない。なぜなら以前と比べると本当に気分がいいからね。ただ我が子を守り、子供のためならどんなことだってするつもりでいたのに…。娘にこんなことをしてもらって…。今でも泣けてきて仕方ないんだ。」
ちなみに非営利団体「全米臓器分配ネットワーク(UNOS)」によると、米国では現在、10万4千人以上が臓器移植の待機リストに名を連ねているそうで、ディレインさんは「より多くの人に臓器移植やドナーの必要性について知ってもらえれば」と語り、最後にこんな言葉を残している。
「臓器移植は痛みを伴うわ。でもドナーになるだけの価値はある…。なぜならそれは人の命を救う、“命の贈り物”だから!」
画像は『Good Morning America 2023年2月28日公開YouTube「Daughter surprises dad with kidney donation l GMA」』のサムネイル、『Delayne 2023年2月19日付TikTok「watch my dad find out that I was his anonymous kidney donor after keeping it a secret for 8 months」、2023年2月20日付TikTok「2/19: UPDATE: we both finally get to go home!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)
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米ミズーリ州カークウッドに住むジョン・イヴァノフスキーさん(John Ivanowski)は今から2年前、難病の「IgA腎症」と診断された。これは腎臓の糸球体(尿を濾過する組織)が炎症を起こし、血尿とタンパク尿が生じる慢性糸球体腎炎の一つで、進行すると人工透析や腎移植が必要となる。
ジョンさんの娘ディレインさん(Delayne)は、当時のことをこのように回顧する。
「頑固で常に活動的だった父が機械につながれ、人工透析を受けている姿を見てこう思ったの。『あれは充実した人生とは言えない。たとえそれが誰であっても、あんな生き方をするべきではない』とね。それで父に『今すぐ、私の腎臓を移植すればいいのよ!』と言ったけど、大反対されたわ。」
実はジョンさんは16年ほど前、息子を神経の細胞にできるがん「神経芽腫」で亡くしていた。そして唯一残された娘のことを心配し、「自分の時間は限られている。でもディレインは若く、先も長い。娘に何かあったらどうしていいか分からない」と語っていたという。
ところが看護師であるディレインさんは「もし自分が腎臓を提供しなければ、父はこの先何年もドナーを待ち続けることになる」ということをよく分かっていた。
そして「父が透析から解放されて良い人生を送れるなら、怒りを買っても構わない。父に家を追い出され、嫌われ、一生話ができなくてもそれでいい」とドナーになることを決断。同居する父に知られないよう、ソーシャルワーカーや医療関係者と何度も連絡を取った。そして数か月をかけた検査の結果、腎臓が適合することが判明した。
こうして昨年8月、仕事中だったジョンさんは、移植チームから「匿名のドナーが見つかった」との連絡を受けて驚愕した。
「多くの人が5年、6年、7年、8年と人工透析を受けながら、待機リストに名を連ねているのに…。『まさか!』と信じられず、携帯を落としそうになった」と当時を振り返るジョンさん。手術は当初、昨年11月に予定されていたが、ジョンさんが踵骨などを骨折したことで延期され、先月16日、「バーンズ・ジューイッシュ病院(Barnes-Jewish Hospital)」の移植センターにて実施された。
ワシントン大学および同センターの腎臓・膵臓移植の外科部長であるジェイソン・ウェレン医師(Dr. Jason Wellen)によると、2人の手術室は隣同士で、ジョンさんがディレインさんの存在に気付かないよう細心の注意が払われたという。
そうして手術翌日のこと、ジョンさんは娘が病院のガウンを着用し、点滴をしながら自分の病室に入ってくるのを見て初めて、“匿名のドナー”が誰だったのかを悟ったのだった。
当時の様子はカメラが捉えており、ジョンさんは娘を見るや否や「オーマイガー、嘘だろう!」と言って泣き出してしまう。ディレインさんは、そんな父のそばまでゆっくりと進むと、肩を撫で優しく「大丈夫よ」と声を掛けている。
ジョンさんはその時のことを「動揺し、ショックだった」と明かしており、その後「何か企んでいたのは分かっていたんだ」とボソリと呟き、ディレインさんに「私はいつも何かを企んでいるのよ」と笑顔で返されていた。
なおディレインさんは数日後、TikTokにこの時の動画を投稿、「8か月間秘密にした後、私が匿名の腎臓のドナーであると知った父を見てちょうだい! ティッシュを忘れないでね」と言葉を添えた。また「もし6000人が送金アプリ『ベンモ(Venmo)』で1ドル(約135円)を送ってくれたら、父の腎臓移植の費用がカバーできるの」とキャプションを入れ、寄付を募った。
この動画の再生回数は約10日間で450万回を超えており、ディレインさんが先月24日に立ち上げたクラウドファンディングサイト「GoFundMe」の専用ページには、目標額5000ドル(約68万円)に対し、日本時間3月2日の時点で13335ドル(約182万円)を超える寄付金が集まっている。
2人は手術から3日後には退院、手術後のジョンさんは拒絶反応抑制剤を一生飲み続けなければならないものの、人工透析の必要はなくなった。ジョンさんは「今は娘の無償の愛に感謝している」と述べ、胸のうちをこう吐露した。
「何一つ変えるつもりはない。なぜなら以前と比べると本当に気分がいいからね。ただ我が子を守り、子供のためならどんなことだってするつもりでいたのに…。娘にこんなことをしてもらって…。今でも泣けてきて仕方ないんだ。」
ちなみに非営利団体「全米臓器分配ネットワーク(UNOS)」によると、米国では現在、10万4千人以上が臓器移植の待機リストに名を連ねているそうで、ディレインさんは「より多くの人に臓器移植やドナーの必要性について知ってもらえれば」と語り、最後にこんな言葉を残している。
「臓器移植は痛みを伴うわ。でもドナーになるだけの価値はある…。なぜならそれは人の命を救う、“命の贈り物”だから!」
画像は『Good Morning America 2023年2月28日公開YouTube「Daughter surprises dad with kidney donation l GMA」』のサムネイル、『Delayne 2023年2月19日付TikTok「watch my dad find out that I was his anonymous kidney donor after keeping it a secret for 8 months」、2023年2月20日付TikTok「2/19: UPDATE: we both finally get to go home!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)