【海外発!Breaking News】フライト中に教官パイロットが死亡 操縦席にいたパイロットは「寝たふりをしていると思った」(英)
イギリスの航空事故調査局は今月9日、昨年6月のフライトで2人のパイロットのうち1人が亡くなったことを報告した。当時操縦席にいたパイロットは、隣に座る教官パイロットの頭が急に後ろに倒れたのを見て「ふざけて寝たふりをしている」と思い込んでいた。しかし着陸し、教官を起こそうとした時に亡くなっていることに気付いたそうだ。その後の調査で、教官パイロットの死因は急性心不全だと判明したという。米メディア『People.com』などが伝えている。
英ランカシャー州にあるブラックプール空港で昨年6月29日、あるパイロットが小型飛行機「パイパーPA-28-161」で空港の周りを飛行しようとしていた。しかしこの日は強風で、この風の中を単独でフライトするのは難しいと判断したパイロットは、体験レッスンを行っていた57歳の教官に同乗を依頼した。
教官はこれに同意し、2人は飛行機に乗り込み離陸した。ところがしばらくすると操縦席の隣に座っていた教官の頭が突然後ろに倒れ、その後パイロットの肩に頭を預けるようにして寄りかかったのだ。操縦席にいたパイロットは、この教官と良く知る間柄だったことから「ふざけて眠っているふりをしているのだろう」と考えていた。パイロットは特に起こすことはせず、教官に寄りかかられたままフライトを続けた。
そしてブラックポート空港に戻ってきて、無事に着陸した。それでも教官はまだ眠っていたため体をゆすって起こそうとしたが、なかなか目を覚まさなかった。ここで何かおかしいと感じたパイロットが確認すると、教官が息をしていないことに気付いた。
通報を受けた消防隊と航空救急隊員が駆けつけてすぐに蘇生を試みたが、教官が息を吹き返すことはなかったという。
その後の医学的分析の結果、教官は急性心不全で亡くなったことが分かった。教官の心臓に血栓ができていたこと、また動脈の血流を脂肪物質が詰まらせてしまう「アテローム性動脈硬化」の兆候もあったことをイギリスの航空事故調査局が発表している。また教官には高血圧の既往歴があり、2002年から降圧剤を服用していたことも判明した。しかし教官は定期的に医師に診てもらい、亡くなる約4か月前の2022年2月にも健康診断を受けていたそうだ。
亡くなった日の午前中に教官と話をした人は「彼はいつものように明るく、体調を崩しているようには見えなかった」と証言しており、特に変わった様子は無かったという。またフライト直前に体験レッスンのために亡くなった教官が操縦する飛行機に乗ったという3人も「元気そうで何も異変は感じなかった」と振り返っている。
亡くなった教官は常勤の上級飛行教官として働いており、通算8876時間のフライト経験を持っていた。このうち184時間は過去90日以内にフライトした時間であり、現役のベテランパイロットだった。同乗を依頼したパイロットは幸いにも教官の力を借りずに無事故でフライトを終えることができたが、イギリスの航空事故調査局は「もしこれが別のフライトで起きていたら結果は違っていたかもしれません」と語っている。
ちなみに昨年5月にはアメリカで、フライト中にパイロットが失神し、管制官の指示を受けた乗客が代わりに操縦して着陸に成功していた。
画像は『People.com 2023年2月21日付「Pilot Thought Instructor Was ‘Just Pretending’ When He Had Died Mid-Takeoff」(PHOTO: WIKIMEDIA)』『New York Post 2023年2月21日付「Pilot thought instructor who died of heart attack mid-flight was joking: report」(Blackpool Airport)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)
教官はこれに同意し、2人は飛行機に乗り込み離陸した。ところがしばらくすると操縦席の隣に座っていた教官の頭が突然後ろに倒れ、その後パイロットの肩に頭を預けるようにして寄りかかったのだ。操縦席にいたパイロットは、この教官と良く知る間柄だったことから「ふざけて眠っているふりをしているのだろう」と考えていた。パイロットは特に起こすことはせず、教官に寄りかかられたままフライトを続けた。
そしてブラックポート空港に戻ってきて、無事に着陸した。それでも教官はまだ眠っていたため体をゆすって起こそうとしたが、なかなか目を覚まさなかった。ここで何かおかしいと感じたパイロットが確認すると、教官が息をしていないことに気付いた。
通報を受けた消防隊と航空救急隊員が駆けつけてすぐに蘇生を試みたが、教官が息を吹き返すことはなかったという。
その後の医学的分析の結果、教官は急性心不全で亡くなったことが分かった。教官の心臓に血栓ができていたこと、また動脈の血流を脂肪物質が詰まらせてしまう「アテローム性動脈硬化」の兆候もあったことをイギリスの航空事故調査局が発表している。また教官には高血圧の既往歴があり、2002年から降圧剤を服用していたことも判明した。しかし教官は定期的に医師に診てもらい、亡くなる約4か月前の2022年2月にも健康診断を受けていたそうだ。
亡くなった日の午前中に教官と話をした人は「彼はいつものように明るく、体調を崩しているようには見えなかった」と証言しており、特に変わった様子は無かったという。またフライト直前に体験レッスンのために亡くなった教官が操縦する飛行機に乗ったという3人も「元気そうで何も異変は感じなかった」と振り返っている。
亡くなった教官は常勤の上級飛行教官として働いており、通算8876時間のフライト経験を持っていた。このうち184時間は過去90日以内にフライトした時間であり、現役のベテランパイロットだった。同乗を依頼したパイロットは幸いにも教官の力を借りずに無事故でフライトを終えることができたが、イギリスの航空事故調査局は「もしこれが別のフライトで起きていたら結果は違っていたかもしれません」と語っている。
ちなみに昨年5月にはアメリカで、フライト中にパイロットが失神し、管制官の指示を受けた乗客が代わりに操縦して着陸に成功していた。
画像は『People.com 2023年2月21日付「Pilot Thought Instructor Was ‘Just Pretending’ When He Had Died Mid-Takeoff」(PHOTO: WIKIMEDIA)』『New York Post 2023年2月21日付「Pilot thought instructor who died of heart attack mid-flight was joking: report」(Blackpool Airport)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)