【▲ 石垣島天文台で2023年1月31日に撮影されたZTF彗星(C/2022 E3)(Credit: 国立天文台/早津夏己)】


こちらは2023年1月31日5時頃(日本時間、以下同様)に石垣島天文台て撮影された「ZTF彗星」(C/2022 E3 (ZTF)、ズィーティーエフ彗星)です。


2022年3月に発見されたZTF彗星は、2023年1月13日に太陽へ最接近したあと、2023年2月2日未明に地球へ最接近しました。最接近時の地球からの距離は約4200万kmとされています(地球から太陽までの距離の3分の1弱)。


地球に最接近したZTF彗星は見頃を迎えています。最接近前後の明るさは約5等級ですが、地球から徐々に遠ざかっていくため、2月10日には肉眼での限界とされる約6等級まで暗くなると予想されています。


国立天文台や欧州宇宙機関(ESA)によると、条件の良い暗い空であれば肉眼でもぼんやりとしたZTF彗星の姿を見られるチャンスがあるようですが、市街地では難しいことから、双眼鏡・望遠鏡の使用や適切に設定したカメラでの撮影が推奨されています。


【▲ 東京の宵の空における2023年1月26日から2月15日までのZTF彗星の位置(黄色の丸)を示した図(Credit: 国立天文台)】


国立天文台によれば、東京では2月8日前後に、日が暮れてから深夜までの間に天頂付近で見られます。2月5日〜6日にはカペラ(ぎょしゃ座)、2月11日には火星、2月14日〜15日にはアルデバラン(おうし座)の近くに見えることから、これらの明るい星や惑星が目印になりそうです。


彗星の名前になっている「ZTF」は、この彗星を発見したパロマー天文台の「Zwicky Transient Facility(ツビッキー・トランジェント天体探査装置)」の略称です。突発天体を捜索しているZTFはこれまでにも彗星をはじめ、超新星爆発や恒星の潮汐破壊現象などを幾つも捉えています(そのため、ZTFと呼ばれる彗星はC/2022 E3以外にも存在しています)。


【▲ 国立天文台三鷹キャンパスで2023年1月31日に撮影されたZTF彗星(C/2022 E3)(Credit: 国立天文台)】


今回最接近したZTF彗星はもともと周期5万年の細長い楕円軌道を公転していたとみられていますが、惑星の重力によって軌道が変わり、やがて太陽系から脱出していくと考えられています。二度と見られない彗星の姿、機会があれば是非観察にチャレンジしてみましょう!


 


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Image Credit: 国立天文台国立天文台 - ZTF彗星が地球に接近(2023年1月・2月)ESA - Curious comet’s rare close approach

文/sorae編集部