【▲ 木星探査機「ジュノー」の想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech)】


アメリカ航空宇宙局(NASA)は1月28日、木星探査機「Juno(ジュノー)」による48回目の木星フライバイ「PJ48(Perijove 48)」を実施した際に可視光カメラ「JunoCam(ジュノーカム)」で問題が発生し、画像取得が予定通り行えなかったことを明らかにしました。ジュノーの運用チームは原因の究明および対応策を決定するために技術データの分析を進めています。


NASAによると、2023年1月22日のPJ48実施に備えて運用チームがJunoCamの電源をオンにしたところ、異常な温度上昇が確認されました。この現象は23時間継続した後に解消されましたが、JunoCamで取得された画像のうち良好な品質で利用できるのはPJ48の終盤に取得された44枚のみで、それ以前に取得された214枚は使用できなくなってしまったといいます。


【▲ PJ48で取得できたJunoCamのデータをもとに作成された木星の南半球の画像。2023年1月22日に高度約12万4700kmで取得(Credit: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS)】


同様の温度上昇は2022年12月14日に実施された前回のフライバイ「PJ47」でも発生したものの、36分後に解消され、PJ47で90枚取得された画像のうち劣化してしまったのは最初の4枚だけでした。今回のPJ48ではJunoCamの温度が正常な状態に戻るまで丸一日近くもかかったため、多くの画像が使用できなくなってしまった模様です。


JunoCamは可視光線の波長で木星の雲頂を撮影するために搭載されているカメラです。取得されたデータは順次公開されていて、一般の人々でもデータをもとに木星やその衛星の画像を作成することができるようになっています。木星周辺では高エネルギー粒子にさらされるため、JunoCamは少なくとも木星を7周するあいだ稼働するように設計されていたものの、当初の想定を上回る長期間に渡って稼働し続けています。


運用チームは温度上昇の根本的な原因の究明および対応策の検討を進めており、JunoCamの電源は当面オフにせずオンのままにしておくということです。ジュノーによる次の木星フライバイ「PJ49」は2023年3月1日に実施される予定です。


 


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Image Credit: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSSNASA/JPL - NASA’s Juno Team Assessing Camera After 48th Flyby of JupiterNASA/JPL - Juno Spacecraft Recovering Memory After 47th Flyby of Jupiter

文/sorae編集部