健康やボディメイクのための筋トレを決意しても、効果が薄かったり、筋トレの時間が長いといった理由で筋トレをやめてしまった経験がある人も多いはず。効果的で短時間な筋トレの方法をエディス・コーワン大学の野坂和則教授らの研究チームが発見しました。

Comparison between concentric-only, eccentric-only, and concentric-eccentric resistance training of the elbow flexors for their effects on muscle strength and hypertrophy

https://doi.org/10.1007/s00421-022-05035-w

Less gym time, same results: Why ‘lowering’ weights is all you need to do - ECU Newsroom

https://www.ecu.edu.au/newsroom/articles/research/less-gym-time-same-results-why-lowering-weights-is-all-you-need-to-do

エディス・コーワン大学やロンドリーナ州立大学、新潟大学、西九州大学が共同で行った研究は、週に2回ダンベルカールを5週間行う3つのグループと筋トレを行わないグループに分け、測定を行いました。また、ダンベルカールを行うグループのうち、1つはウエイトを下ろすだけのグループ、1つは持ち上げるグループ、もう1つはウエイトを上げ下げするグループでした。

ウエイトを上げた際の筋トレの効果はダンベルカールを行ったすべてのグループで確認できましたが、ウエイトを下ろすだけのグループと上げ下げするグループは等尺性筋収縮の強度と、ウエイトを下ろす際の筋肉の強度が大幅に向上しました。

ウエイトを下ろすだけのグループは上げ下げするグループの半分の運動回数でしたが、筋肉の厚さは7.2%成長し、5.2%の成長だった上げ下げするグループを大きく上回りました。



野坂氏は「筋力や筋肉量を向上させるためには筋収縮が最も効果的で、ダンベルなどのウエイトは持ち上げることよりも下ろすことが重要です」と述べています。

野坂氏によると、「バイセップカール」や「トライセップスエクステンション」「フロントレイズ」「ショルダープレス」などのトレーニングの際にウエイトを下ろすことに焦点を当てるように推奨しています。

また、野坂氏は「レッグエクステンション」や「レッグカール」「カーフレイズ」の際にも同様の注意を向けることを推奨しています。

さらに野坂氏はジムに通わずとも自宅でできるエクササイズを提案しています。



・椅子に座る

中腰の姿勢から、3秒かけてゆっくりと椅子に座ります。この際、足を開く幅の違いでさまざまな効果が得られるとのこと。簡単だと感じる場合は片足で挑戦してみることを推奨しています。

・椅子にリクライニングする

椅子に浅く腰掛けて背中と背もたれの間にスペースを作り、3秒かけてゆっくりと後ろに倒れ込みます。その際腕は胸の前で交差させるか、頭の後ろで組むこと。

・スクワット

椅子の後ろに立って、片側に傾いて片足に体重をかけ、3秒かけてゆっくりとしゃがみます。

・かかとを下ろす

椅子の後ろで前傾姿勢になり、両足のかかとを上げます。その後片足を浮かせ、もう片方の足のかかとを3秒かけて下げます。

・壁での腕立て伏せ

両腕を伸ばした状態で壁にもたれかかり、顔が壁に触れるまで、3秒かけてゆっくりと肘を曲げます。

・フロントランジ

直立状態から片足を前に大きく踏み出し、上体を真っすぐにしたまま後ろ足の膝を3秒以上深く曲げ、ゆっくりと重心を落とします。

これらのエクササイズは1セットにつき10回行うことが推奨されています。