海外不動産投資とは?

海外不動産投資とは、文字通り海外のマンションやコンドミニアムといった不動産物件を投資・購入することを指します。日本では考えられない不動産価格の上昇によりキャピタルゲインを得たり、高利回り物件を賃貸として貸し出し安定的・継続的に家賃収入=インカムゲインを得たりすることを目的としています。

海外不動産投資のメリットは?

ここ最近の円安加速により、かつて新興国であった東南アジアももはや物価が安いとはいえない、と耳にすることが増えましたが、海外不動産投資にメリットはあるのでしょうか? ここでは、海外不動産投資を行ううえでよく挙げられるメリットを見ていきましょう。

住宅価格の上昇・高い利回り

第1のメリットとしては、日本の不動産に比べ、海外は高い不動産価格の上昇が見込まれる点が挙げられます。日本でも価格が上昇している不動産はありますが、全体的な上昇率を比べると、諸外国と比べて低いというのが正直なところです。

経済協力開発機構(OECD)の住宅価格指数の長期推移を確認してみると、日本は1991年をピークに住宅価格が下落しており、以降20年にわたり住宅価格の高値を更新できていない一方で、OECD諸国では短期的な増減はありつつも長期的に上昇していることがわかります。

日本も過去10年程度は上昇が見られますが、それでもOECD平均と比べると上昇率は低いです。OECDは先進国を中心に構成されるため、新興国を含めて考える場合、日本との差はさらに大きくなることが予想され、住宅価格の値上がり益であるキャピタルゲインを狙う場合、海外の不動産投資には多くのチャンスがあることがわかります。

■実質住宅価格指数の推移(日本 vs OECD平均, 物価調整済み, 2015年=100)

参照:Housing Prices (OECD, 2022)を基にRENOSYマガジン編集部にて作成

また、先進国・新興国問わず、日本を除く諸外国において所得水準は増加傾向にあるため、所得水準の上昇に合わせ家賃も上昇傾向にあり、利回りとしても期待できます。

主要都市の主要エリアに立地する同規模のマンションに関し利回りや平米単価の情報を提供しているGlobal Property Guide社のデータによると、各国の都心部の物件の利回りは

インドネシア/ジャカルタ:7.1% フィリピン/マニラ:6.1% カンボジア/プノンペン:5.3% タイ/バンコク:5.1% アメリカ/ニューヨーク:2.9% 日本/東京:2.7%

となっており、東南アジアであれば日本の2~3倍の利回りは普通であることがわかります。

資産分散を通じたリスク分散

人口減少や地震などの自然災害リスクを抱える日本だけで資産を持つことはリスクを抱えることであるといえます。

また、現在諸外国の多くで利上げを行うなか、日本は低金利状態が続いていることで金利差を中心とした円売りが加速しており、世界各国の通貨に比べ円の価値が下がっています。円建てで資産を保有していることはそれ自体が為替変動に伴う資産の目減りリスクを抱え続けるともいえます。

■過去1年間の円の主要通貨に対する推移

引用:Google Finance(2022年10月20日時点)

海外に不動産を持つことで資産の地理的な分散を測ることができるほか、現地の通貨建てで賃料収入を得ることができることにより、為替変動のリスクを軽減するとともに円安となった際には為替差益という恩恵を受けることもできます(賃料については一部の新興国ではドル建てで取引を行うこともあります)。

海外不動産投資のリスクやデメリットは?

海外不動産投資は国内の不動産投資に比べ高いリターンを得られる可能性がある一方で、海外特有のリスクも存在します。ここでは代表的なリスクやデメリットを見ていきましょう。

情報収集に関わるリスク

海外不動産投資では、日本と異なり必要な情報を収集しづらいリスクがあります。日本では売り出し中の物件の詳細情報など、簡単に入手できます。エリアや時系列での比較も簡単ですので、市況を踏まえて将来の取引の見通しを立てることもできます。

一方、海外の場合はそうはいきません。ある程度の情報は公開はされているものの積極的に探す必要がありますし、英語ができる必要もあります。特に、新興国などでは不動産のオンライン広告に関する規制がない国も多いことから信頼性の低い情報ソースも多いのが現状です。

インターネットの発達により、情報収集のハードルはだいぶ下がっているとはいえ、不動産会社が独自で集めているようなレベルでの収集には限界があるため、海外不動産に強い不動産投資会社に相談するなどして、成功確率を高めましょう。

現地金融機関から融資を受けるのは難しい

日本人が日本の不動産を購入するのとは違い、海外不動産投資の実績が乏しいうちは現地金融機関から融資を受けるのは難しいといえます。

ただ、日本国内の金融機関でも海外不動産購入の融資がおりやすいサービスを展開しているオリックス銀行やSMBC信託銀行などの大手金融機関や、政府系である日本政策金融公庫等が海外不動産投資向けの融資サービスを提供しています。そのようなサービスを使うことで融資を受けることができる場合があります。

賃貸管理に関わるリスク

海外不動産投資では賃貸管理のリスクについて認識することも大切です。現地の不動産会社に管理業務を委託するケースが多いですが、地場の業者の中には、オーナーが海外にいることをいいことに適当な管理をしている業者も残念ながら存在しています。

特に個人ブローカーに顕著な傾向があるのですが、突然連絡を取れなくなるようなケースもありますので注意をする必要があります。賃貸管理会社の実力が不十分な場合、空室リスクも上がり、期待していたインカムゲインが得られないことも考えられます。このような賃貸管理に関するリスクを下げるためには、やはり現地にネットワークを持つ日系企業に管理を委託することが望ましいといえます。

新興国特有のリスク

大きなリターンを狙う場合に新興国は有望な投資対象ですが、新興国には新興国特有のリスクが存在することも認識しておく必要があります。

例えば新興国の場合、物件の竣工前から金額を支払い始める購入方法があるのですが、頭金を支払ったものの物件が竣工しない、といったケースがあることについてご存じの方もいらっしゃるでしょう。

また、物件が竣工したあとにトラブルが発覚するようなケースや詐欺的なトラブル、不動産に関わる法律の変更により売却を余儀なくされるケースなど、日本では通常考えられないケースもありますので、どのようなパターンがあるのかを確認し、十分に認識しておくようにしましょう。

海外不動産に強い不動産投資会社の選び方とチェックポイント

現地のエリアや市況に関する情報を知るとともに不要なトラブルを回避するためには、海外不動産に強い不動産投資会社を選ぶことが重要になります。

なお、海外不動産を購入する主な方法としては、不動産会社に仲介してもらう方法以外に開発デベロッパーから直接購入する方法もあります。ただし開発デベロッパーから直接購入する方法は現地での情報収集やコネクションがないと難しく一般的でないため、ここでは海外不動産に強い不動産会社から物件を仲介してもらう方法について掘り下げ、選び方やチェックポイントについて解説します。

海外不動産仲介の資格を有しているか

日本の不動産仲介業者であれば、宅建という資格が必要になりますが、海外でも不動産業務を行うにあたり資格を必要とする国、あるいは資格を求められない国があります。

例えばアメリカの不動産仲介の場合には、REセールスパーソンライセンスというアメリカのそれぞれの州が認めた不動産ライセンスや実務重視のアメリカ版不動産鑑定士のライセンスが必要となります。中国の場合には不動産経紀人就業資格という日本でいう宅建のような資格があります。

一方でシンガポールのように不動産仲介を行うための資格が存在しない国もありますが、基本的には不動産会社選びの際には、資格を有しているかは必ず確認するようにしましょう。

現地のリアルタイムな情報を積極的に提供してくれるか

現地法人や現地エージェントとの連携を通じ現地のリアルタイムな情報に精通しており、投資を検討している人に、積極的な情報提供をしてくれるかも重要なポイントです。不動産投資は決して安い買い物ではありませんし、ましてや異国の不動産ともなるとわからないことも多いと思います。そのため、情報提供を積極的にしてくれるかは不動産会社選びの決め手になってくるでしょう。

外国人の不動産購入ルールや税務に精通しているか

国によって外国人の不動産購入に関する規定は異なりますので、購入や売却が難しいケースもあります。また、海外不動産購入に関し日本国内の税務のみならず、購入する不動産のある国の税務についても精通しているかは非常に重要です。こういったルールや税務に精通しているかもチェックするようにしましょう。一例として、国際税務に精通した税理士法人と提携している不動産会社を選ぶのがおすすめです。

資産価値の高い物件を紹介してくれるか

海外のみならず国内でも同様のことがいえますが、資産価値の高い物件をきちんと紹介してくれているのかも重要なポイントです。物件のある都市の魅力や経済成長はもちろん、立地は良いか、物件管理や賃貸管理はしっかりしているか、周辺相場と比べて高すぎず安すぎないか、デベロッパーのブランド力や独自性はあるかなど、納得いくまで確認するようにしましょう。

購入後のアフターフォローは充実しているか

不動産は購入がゴールではありません。購入してからきちんと管理運用し安定・継続的に家賃収入を得たり、売却益を得たりする必要があります。そのため、購入後も不動産会社はサポートやフォローをしてくれるのか、これまで購入された方々の成功事例だけではなく、トラブルがあった際の事例やサポート範囲なども事前にしっかり確認するようにしましょう。

リスクについても丁寧に説明してくれるか

海外は日本では考えられないようなリスクも少なくありません。そのため、海外不動産購入において、良いことばかりではなく、きちんとリスクやデメリットについても丁寧に説明し、信頼のおけるパートナーになってくれるかについても確認しましょう。

まとめ

日本国内だけでは頭打ちなため、海外不動産を購入することは選択肢の一つとして非常に有効な手段となります。海外の不動産投資に強い会社はいくつもありますので、気になった会社には資料請求を行ったり、開催しているセミナーには積極的に参加してみたりすることをおすすめします。そして、個別相談などで疑問に思っていることは納得いくまで確認するようにしましょう。

今回解説させていただいた不動産投資会社の選び方やチェックポイントも参考に、納得のいく海外不動産投資会社選びをなさってください。

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