NDロードスター改良、ビンテージ調の新色でどう変わる? 「ブラウン・トップ」も発売
マツダがロードスターを改良!執筆:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)
マツダが、ロードスター/ロードスターRFを一部改良するとともに、特別仕様車「ブラウン・トップ」を設定して、予約受付を開始した。
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一部改良モデルの発売は、12月中旬の予定だ。
マツダ・ロードスターRS(新設定の外装色ジルコンサンドメタリック)。ヴィンテージライクな雰囲気を増幅し、ロードスターのスポーティさをより際立たせるカラーが登場。 前田惠介
ロードスターは1989年に初代がデビューし(当時の車名は販売店の関係で「ユーノス・ロードスター」)、現行型はオリジナルであるソフトトップのオープンモデルが2015年に発表された4代目(ND型)。
2016年にリトラクタブル・ハードトップモデルのRFが追加されて、現在に至っている。
ロードスターは、これまで4代にわたって2人乗り小型オープンスポーツカーとしては異例の110万台以上を販売しており(同社調べ)、現行型も登場から7年が経過しているが、今もなお人気を集めている。
自販連による新車販売台数は2022年度上半期の4〜9月で4350台と、前年同時期比で81.8%増を記録しているほど。
この販売台数は、モデル末期とはいえトヨタ・クラウンや、ハイブリッドも登場して注目を集めているホンダ・シビックよりも多い数値なのだ。
なぜ売れ続ける? 人気のワケ
これには、ロードスターがイヤーモデルとして毎年小改良を重ねて「最新のロードスターが最良のロードスター」であり続けていることも影響している。
それに、コロナ禍によりクルマでの移動が好まれ、また「リベンジ消費」で購入者が増えたとか、さまざまな要因があるようだ。
ジルコンサンドメタリックのロードスターRS(6MT:375万2100円) 前田惠介
それでも初代の登場以来、モデルチェンジでもサイズ感を大きく変えず、走る楽しみを追求するという、“ブレないコンセプト”が多くのファンに支持されているからこその結果だろう。
そんなロードスターが改良でどう変わるのか、そしてどんな特別仕様車が登場するのか、その概要を紹介していこう。
今回の一部改良では、内外装やエンジンのパワースペックなどに変更はない。
唯一にして最大のポイントは、ボディカラーに「ジルコンサンドメタリック」を追加したことだ。
NDにジルコンサンドメタリック
このボディカラーは、すでにクロスオーバーSUVのCX-5に採用されて注目を集めている。
「ジルコン(zircon)」とは、ジルコニウムのケイ酸塩鉱物のことだ。といっても、ピンとこない人がほとんどだろう。
左がロードスターRS(ジルコンサンドメタリック)。右がロードスター・ブラウン・トップ(プラチナクォーツメタリック)。 前田惠介
砂屑粒子となったジルコンサンドは、砂岩などの堆積岩に含まれている。クルマの製造においては、これを用いた砂型で、エンジンブロックなどを鋳造している。
もちろん、今回のボディカラーはこのジルコンサンドを用いたわけではなく、これをモチーフにしたメタリックカラーだ。
いわゆる最近流行のアースカラーの一種であり、少しグリーンがかったシルバーなのだが、光の当たり方や天候によって色の感じはかなり違って見える。
マツダ デザイン本部 カラー&トリムデザイングループの狩野 梓デザイナーは「メタリックの量によりボディの曲面がよく見えるような色です」と説明してくれたが、実際、ND型ロードスターの独特のラインを強調して“魅せてくれる”ようなカラーリングとなっていた。
ソウルレッドクリスタルメタリック、マシーングレープレミアムメタリックなど、独特のボディカラーを提案し続けるマツダだが、次のトレンドカラーは、このジルコンサンドメタリックなのかもしれない。
特別仕様車 外装色7色に組合せ可
新たに設定された特別仕様車「ブラウン・トップ」についてもレポートしておこう。
その名が示すようにブラウンのソフトトップに、テラコッタ(イタリア語で「焼いた土」を意味する、オレンジがかった茶色)のインテリアを組み合わせ、リッチな雰囲気を感じさせるカラーコーディネートとしている。
ロードスター・ブラウン・トップ(プラチナクォーツメタリック:325万7100円)。ベース車両は、Sレザーパッケージだ。 前田惠介
このソフトトップは2018年に発売された特別仕様車「キャラメル・トップ」と同色なのだが、そのインテリアはタンカラーだった。
今回のブラウン・トップでは、もう少し色の濃いテラコッタを採用。ナッパレザーシートや、テラコッタのステッチが入った専用のドアトリム/インパネ・パネル、ボディ同色の電動リモコン式ドアミラー(手動可倒式)、高輝度塗装の16インチ・アルミホイールなどを専用アイテムとして特別装備している。
なお、6速MT車にメーカーセットオプションで設定されているRAYS社製ダークメタリック鍛造アルミホイール(990Sに装着されているもの)を選択した場合は、ドアミラーはピアノブラックとなる。
ボディカラーは他のロードスター同様に純正色7色から選べるので、前述したジルコンサンドメタリックも選択可能だ。アースカラーのジルコンサンドメタリックとブラウン・トップの組み合わせは、なかなか品もあって上質な雰囲気を醸し出してくれそうだ。
ブラウン・トップ 価格/受注期間
ロードスター・ブラウン・トップの価格は下記のとおりとなっている。
MT車:325万7100円
AT車:337万2600円
手前が特別仕様車「ブラウン・トップ」。テラコッタと呼ばれる内装カラーに注目。奥に見えるのはジルコンサンドメタリックのロードスターRS。 前田惠介
受注期間は、11月17日から2023年7月31日までだ。