「シグナス」補給船運用18号機がISSに無事到着 片方の太陽電池だけで飛行
【▲ 国際宇宙ステーションのロボットアームに把持されたシグナス補給船運用18号機(Credit: NASA)】
日本時間2022年11月9日、ノースロップ・グラマンの無人補給船「シグナス」運用18号機、愛称「S.S. Sally Ride」が国際宇宙ステーション(ISS)に到着しました。
11月7日に米国バージニア州のワロップス飛行施設から「アンタレス」ロケットで打ち上げられたシグナス補給船運用18号機は、打ち上げから2日が経った日本時間2022年11月9日19時20分、ISSに滞在しているアメリカ航空宇宙局(NASA)のニコール・マン(Nicole Mann)宇宙飛行士が操作するロボットアーム「カナダアーム2」を使って把持されました。その後、シグナス補給船は同日22時3分に、ISSの第1結合部「ユニティ」へ結合されています。同補給船が到着したことで、現在のISSに係留されている有人宇宙船と無人補給船は合計5機になりました。
なお、シグナス補給船運用18号機の愛称「S.S. Sally Ride」は、アメリカ初の女性宇宙飛行士サリー・ライド氏にちなんで命名されました。
【▲ 2022年11月9日時点での国際宇宙ステーションの構成を示した図。有人宇宙船が2機、無人補給船が3機係留されている(Credit: NASA)】
シグナス補給船には地球低軌道への投入後に展開される2基の太陽電池アレイが搭載されていますが、NASAによれば今回正常に展開できたのは片方のみでした。ノースロップ・グラマンとNASAは、もう片方の展開できなかった太陽電池アレイのデータを収集した後、展開させずにISSとランデブーさせることを決定していました。
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ノースロップ・グラマンによると、アンタレスロケットの第1段分離時にフェアリングの音響ブランケットの破片がシグナス補給船の太陽電池アレイの展開機構に引っかかったことで、軌道投入後の太陽電池アレイ展開が妨げられたとみられています。
【▲ 国際宇宙ステーションに結合されたシグナス補給船運用18号機。片方の太陽電池アレイが展開されていないことがわかる(Credit: NASA)】
なお、シグナス補給船運用18号機には、実験用の科学装置やウガンダおよびジンバブエの超小型衛星、食料品といった約3.7トンの物資が搭載されていました。同補給船は2023年1月下旬までISSに係留され、分離後は大気圏に再突入してミッションを終える予定です。
Source
Image Credit: NASANASA - NASA’s Northrop Grumman CRS-18 Commercial Resupply Mission (NASA Blogs)Northrop Grumman - Northrop Grumman’s 18th Cygnus Cargo Resupply Spacecraft Arrives at International Space Station
文/sorae編集部