中国のワクチンメーカー、艾美疫苗(06660/香港)が10月6日、香港証券取引所メインボードに新規上場した。公募価格16.16香港ドルに対し、初値は7.18%低い15.00香港ドルだった。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国のワクチンメーカー、艾美疫苗(06660/香港)が10月6日、香港証券取引所メインボードに新規上場した。公募価格16.16香港ドルに対し、初値は7.18%低い15.00香港ドルだった。
 
 同社は中国医薬集団(シノファーム)傘下の中国生物技術に次ぐ中国第2の市場シェアを持つワクチンメーカーで、2021年の中国国内市場シェアは出荷量ベースで7.4%、売上ベースで2.1%(いずれも新型コロナワクチンを除く)。細菌ワクチン、ウイルスワクチン、遺伝子ワクチン、混合ワクチン、mRNAワクチンの5つのワクチン開発プラットフォームを持ち、目論見書発行時点で狂犬病、B型肝炎、A型肝炎、耳下腺炎、腎症候性出血熱、髄膜炎菌感染症の6疾患をターゲットとした8種類のワクチン製品を発売。このほか、新型コロナワクチンを含む13疾患22種類のワクチン開発を進めている。
 
 特にB型肝炎ワクチンとヒト用狂犬病ワクチンでは大きなシェアを確保しており、B型肝炎ワクチンは21年の出荷量が世界、中国いずれにおいても最大、ヒト用狂犬病ワクチンは世界、中国いずれにおいても第2位だ。
 
 21年12月期の売上高は15億7012万人民元(前期比4.14%減)、純損益は6億7587万元の赤字(前期は4億41万元の黒字)。22年1〜4月期の売上高は2億7525万元(同40.80%減)、純損益は9580万元の赤字(前年同期は5767万元の黒字)。
 
 新規上場に伴い調達予定の約7000万香港ドル(約13億円)は、約60%をmRNA新型コロナワクチンや肺炎球菌ワクチンの開発、臨床試験・承認費用に、約35%を今後承認予定の新たなワクチン製品向け生産拠点建設資金に、約5%をマーケティング活動に用いる。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)