仙台西vs仙台商 エースと4番が役割果たし快勝!仙台商が甲子園優勝校・仙台育英と再戦へ
<第75回秋季東北地区高校野球宮城県大会:仙台商6−1仙台西>◇17日◇2回戦◇鹿島台中央
第75回秋季東北地区高校野球宮城県大会は16日から2回戦が行われており、17日は3球場で6試合が開催された。鹿島台中央野球場の第1試合では仙台西と仙台商が対戦。勝った方が夏の甲子園優勝校・仙台育英と当たる注目の一戦となった。
試合は仙台商が序盤から主導権を握る。初回、無死満塁の好機をつくると、1年生ながら新チームから4番を任されている郷家璃久外野手(1年)が遊撃への適時内野安打を放ち、先制点をもたらした。この回さらに1点を奪うと、2回には3番・熊坂勇星外野手(1年)、4番・郷家の連続適時打で2点を加点。その後も5回に加藤康平捕手(2年)の適時二塁打、8回に櫻井順基内野手(2年)の適時打が飛び出し、着実にリードを広げた。
投げては、先発・阿波壮汰投手(2年)が好投した。夏は1学年上で主将を務めた兄・唯斗とともにプレーし、新チームでは兄が背負っていた背番号1を受け継ぐこととなった。初回からテンポ良く凡打の山を築き、6回まで2安打無四球で無失点。7回の先頭打者に、この日初めての四球を与えたが、続く4番・小室秀翔(2年)を一直併殺に打ち取りピンチの芽を摘んだ。9回に連打を浴び1点を失ったものの、9回87球で1失点完投。省エネ投球で勝利を呼び込んだ。
仙台西は先発・佐藤斗和投手(2年)が中盤から立ち直り、打線も9回に3連打を絡め1点を奪うなど意地を見せたが、序盤の失点が響き追いつくことはできなかった。
仙台商は今夏の県大会でも仙台育英と2回戦で当たり、0対7でコールド負けを喫した。この時先発した阿波は3回5失点と悔しいマウンドに。夏は下級生主体だったため、阿波を含む今大会主力メンバーの多くが仙台育英との試合を経験しており、ナインにとっては雪辱を期す場となる。下原俊介監督は「力対力では勝つのが難しい相手だが、気負わず、力まず、来年につながる良い試合をしたい」と冷静に意気込みを語った。
この日2打点の郷家は、仙台育英戦では甲子園でも活躍した右腕・高橋 煌稀投手(2年)から2安打をマークしたが、「ただバットを振ったらヒットになっただけで、球は見えていなかった」と納得のいく打撃内容ではなかった。「いつも仙台育英を意識しながら練習している。挑戦者の気持ちを忘れずに戦いたい」。今度こそ、勝利につながる一打を放つつもりだ。
(取材=川浪 康太郎)