犬をこよなく愛したエリザベス女王

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現地時間8日、バルモラル城で96歳の生涯を終えた英王室エリザベス女王は、動物好きとしても有名だった。幼少期から大小様々な生き物に深い愛情を注ぎ、女王のそばにはいつもコーギー犬がいた。女王の親友であり家族としてともに人生を歩んだ愛犬の暮らしぶりをたどってみよう。

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1952年に即位して以来、エリザベス女王は生涯で30頭以上のコーギー犬を飼っていた。多い時には10頭もいて、犬達は王族並みの扱いを受けていたという。

女王は、子犬のコーギー“ミック(Muick)”と“サンディ(Sandy)”、以前から飼われている“キャンディ(Candy)”という名のドーギー(ダックスフンドとコーギーの交雑種)の3匹を残して旅立ってしまった。エディンバラ公フィリップ王配(享年99)の入院が長引く中、困難な時期を過ごす女王を励ますため2匹のコーギーの子犬が女王に贈られた。しかし1匹は飼い始めてすぐに生まれつきの心臓疾患のため亡くなり、女王は大変ショックを受けていたという。そしてその後もう1匹コーギーの子犬が贈られた。過去にはスーザン、ウィロー、ホリー、バルカン、ドゥーキー、モンティ、ハニー、ベリー、エマ、リネットなど多くのロイヤルコーギーが女王に愛されてきた。

1944年にエリザベス女王の父である国王ジョージ6世が、女王の18歳の誕生日に最初の子犬“スーザン(Susan)”を贈ったことが、女王がコーギーに夢中になるきっかけを作ったと言われている。女王と愛犬の絆はとても強く、エリザベス女王は1947年の新婚旅行にも愛犬をこっそり連れていったほどだ。

そんなロイヤルコーギーは、宮殿で贅沢な生活を楽しんできたそうだ。実際、女王に深く愛されたこれらの犬達にはシェフが作る豪華な料理が与えられたという。11年間王室のシェフを務めたダレン・マックグラディさん(Darren McGrady)は、その食事内容について英メディア『Hello!』に次のように語っている。

「私が宮殿で働いていた時、実際に犬達のためのロイヤルメニューがあったんですよ。エリザベス女王が冬を過ごしていた(ノーフォーク州の)王室の私邸サンドリンガム・ハウスで、すべての犬の世話をしてきたフェニック夫人によって選ばれたメニューが毎月宮殿のキッチンに送られてきました。」

「毎日、犬が何を食べるべきかが書かれていました。ある日はビーフ、次の日はチキン、その次の日はラム、その次の日はウサギと毎日違うメニューなんです。」

犬の食事に関する手順についても「同様に厳格だった」とダレンさんは明かす。

「毎日、女王の使用人が午後2時か3時頃にキッチンにやってきて、2階にいるロイヤルコーギーに用意していた豪華な料理を持って行きました。犬達はそれぞれ自分専用のボウルを持っていました。女王はお茶を飲んだ後だと思いますが、自分で食べさせていたようです。」

なお女王の亡き後、英メディア『BBC』によると心配されていた2匹の子犬達はアンドルー王子と元妻セーラ・ファーガソンさんが引き取ることになったという。2匹はアンドルー王子がエリザベス女王へ贈った犬だった。もう1匹のキャンディに関しては現時点での引き取り先は決まっていない。

画像2、3枚目は『The Royal Family 2022年5月13日付Instagram「2002: The Queen admires a Corgi in Manitoba,」、2022年5月26日付Instagram「With exactly a week to go until The Queen’s Platinum Jubilee celebrations begin in earnest with the spectacular Trooping the Colour,」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 雨宮瑠亜奈)